HOME  >  FASHION  >  FEATURE

FASHION_FEATURE

  • OLD
  • NEW

Made by STABILIZER GNZ WISMのオリジナルデニム完成!

2014.02.24

このエントリーをはてなブックマークに追加
ff_made_by_stabilizer_gnz_main.jpg

度々フイナムでその動向をお伝えしている、セレクトショップ「WISM」。次なるニュースは、ショップ初のオリジナルアイテム、ジーンズのリリースです。これまで頑にまで仕入れ(セレクトブランド)にこだわってきた彼らが送り出すオリジナルアイテムとは、一体どんなものなのか?話を聞けば聞くほど納得な、骨太な取り組みなのでした。

Photo_Shota Matsumoto,Masaki Sato(item)
Edit_Ryo Komuta

矢實朋(写真左)
株式会社キリマンジャロ所属。紳士服パターンメイカー。STABILIZER GNZ製作、運営。

堀家龍(写真右)
セレクトショップ「WISM」店長。豪快かつ痛快なショップ作りで業界を席巻中。

ff_made_by_stabilizer_gnz_sub1.jpg
「自分はブランドというよりも、メーカーというスタンスなんです」(矢實)

-まず今回の取り組みに至るまでの流れを教えてください。

矢實: 最初は「オリジナルが作りたい」ということではなくて、「スタビライザーの別注を作って欲しい」というところからのスタートでした。

堀家: そうですね。ちょうど14SSの仕入れをしているときだったんですけど、けっこうアメカジっぽいというか、ベーシックなものが多くて。パンツももちろん色々見たんですが、この中に攻撃的なくらい細いパンツがあれば、より「WISM」っぽいスタイリングになるかなと思って。

-攻撃的な?

堀家: そうですね。ギャンギャンに細い感じです。スニーカーにデニムにアクセサリーみたいな感じだけだと、ちょっと普通になってしまうので、そこにものすごく細いパンツを取り入れたらいいのかなと。

-なるほど。

ff_made_by_stabilizer_gnz_sub2.jpg
オリジナルジーンズのインディゴ30インチを着用。

堀家: で、最初は〈スタビライザー ジーンズ〉の中の「0-12」、つまりタイトテーパード型の別注を作ってもらいたい、っていう話を持っていったんです。「0-12」って、細いんだけど、フェミニンではなくて男らしいんですよね。そういうデニムって意外と他にないのかなと思ってて。

矢實: その話をもらって色々考えたんですけど、まず堀家くんからは「定番でやりたい」って言われてたんです。

-ワンポイントのネタものではなく。

矢實: はい。で、いつもは自分が決めたガチガチのルールの中でジーンズを作っているんですけど、請われたことに対しては応えてあげたいっていう気持ちもあって。あと「WISM」ってこれまでオリジナルのアイテムがなくて、仕入れの商品だけでやっているじゃないですか。僕がやっている〈スタビライザー ジーンズ〉はジーンズのブランドですけど、本当はブランドというよりも、ジーンズメーカーというスタンスなので、メーカーとして「WISM」のオリジナルのジーンズを作らせてほしい、って逆にお願いをしたんです。

-なるほど。

矢實: 「~~×WISM」ではなくて、「WISM×~~」という形ですよね。きちんとジーンズメーカーが作ったものを、"オリジナル"として出すということをやれたらいいのかなって。餅は餅屋じゃないですけど。

-「オリジナルジーンズ」という形は、矢實さんからの提案だったんですね。

ff_made_by_stabilizer_gnz_sub3.jpg

矢實: そうですね。僕は普段、加工もしないし、WEB販売もしないしという、結構閉鎖的な感じでやっているので、色々なアレンジをするという、ある種開放的なスタンスでものづくりをするなら「WISM」が前に出ている方がいいのかなと。で、その提案を受け入れてもらって、制作がスタートしたという感じですね。

-堀家さんは、その提案を聞いてどう思ったんですか?

堀家: 「WISM」って、仕入れだけにこだわっているという部分ももちろんあるんですが、ただのセレクトショップのオリジナルではなく、付加価値がつくものってことになると、また別の話だと思うんです。あとは、今後事業が大きくなっていくにつれ、そういう話になっていくだろうなということは考えていました。会社からも、今後組んでいく相手をきちんと選んでいってほしい、ということを言われていましたし。だから、自分たちが考えていることの近いところで返してきてくれたなという感じでした。

-タイミングもよかったんですね。

堀家: あとやっぱり矢實さんって、自分の製品だったり、パターンにすごく自信を持ってるんですよね。そこに対しては、当然僕らも絶対の信頼を置いているので、今回の「オリジナルを作らせて欲しい」っていう提案は僕らのイメージを超えた話だったので、ありがたかったですね。

ff_made_by_stabilizer_gnz_sub4.jpg
ff_made_by_stabilizer_gnz_sub5.jpg

-改めてなんですが、矢實さんがデニムを作る時の、自分内ルールを教えてもらってもいいですか? あとはブランド名の由来もよろしければ。

矢實: はい。まずブランド名についてなんですが、自分は履くものがずっと変わらないんですね。いつもジーンズです。だからコーディネイトというのは、ジーンズは変えずに、他でアレンジしていく感じなんです。なので、変わらないもの、核になるものという意味で付けました。

-スタビライザー=安定、という意味がありますもんね。

矢實: そうですね。次に、自分が決めたルールに関してですが、まずさっきも言いましたが、加工というのは自分の頭の中には一切ないんです。やっぱり糊付きで、綿100%のデニム、そして13オンス以上のタフな生地を使って、5ポケットでやっていきたい、というのが自分のインラインを作る時に考えていることですね。自分でも頑固だなと思いますし、頭ガチガチになってしまっているんですけど、そんな自分とやりたいって言ってくれたオーダーに対して、自分なりの解決策が"オリジナル"っていうことだったんですよね。メーカーとして取り組むのであれば、色々なことが受け入れられたんです。メーカーとしての品質を保つことさえできれば、もっと自由に相手と接することができるんじゃないかなって。

ff_made_by_stabilizer_gnz_sub6.jpg
ボタン、リベットなどは〈スタビライザー ジーンズ〉のものを使用。

-ちなみに、「WISM」のお客さんには、インラインの〈スタビライザー ジーンズ〉はどういう受け入れられ方をしているんですか?

堀家: すごく評判いいですね。今は「0-12」というタイトテーパードと、「0-03」というタイトストレートの2つをメインにやらせてもらっているんですが、「0-12」とかは、もう入荷してすぐバンバン売れていきました。正直この秋冬は、玉数が足りなかったです。ウチに来て下さるお客さんでも履いてる方は本当に多かったです。あと、とにかく自分たちのお店であれば、他の卸し先さんとは違う見せ方ができる、っていう確信があったんですよね。

矢實: 確かに他のお店とはちょっと違うかもね。

堀家: 自分は昔、プレスという立場で矢實さんと仕事をしてましたし、色々な思いを汲みながら見せていけてると思うんですよね。売り場に立っていて思うのは、服が好きな人、デニムが好きな人、もしくは若い人、いろんな人が履けるブランドなんだなっていうこと。以前は〈スタビライザー ジーンズ〉の良さをメディアに伝えるのが仕事で、今は足を運んでくれる人に伝えるのが仕事。やることはそんなに変わってないんですが、反応がダイレクトに見えるので嬉しいですね。

-二人のお付き合い自体はいつぐらいからなんですか?

矢實: だいたい4年くらい前ですかね。。

堀家: NYに住んでいた共通の知人がいまして。で、その人が帰ってくるっていうので、会合が開かれてそこで初めて会ったんです。僕は遅れて行ったんですけど、矢實さんもうベロベロでしたよね 笑。

矢實: いやー、そうだったね。。

堀家: なんだかよく喋る人がいるなーって思ってみてたら、〈パタゴニア(patagonia)〉の「M.A.R.S(注:「Military Advanced Regulator System」 の略称。パタゴニアがアメリカ軍納品用に製造しているライン。通常一般公開されていないシリーズ)」を着ていて。で、この人、あの人だって、自分の中で繋がったんですよね。『HUgE』とかで見たことあったし、しかも自分は矢實さんが作ったリメイクのデニムを何本か持ってたんです。

ff_made_by_stabilizer_gnz_sub7.jpg

-巡り会うべくして会ったっていう感じですね。

堀家: しかもそのデニム、すごく好きでよく履いてたので、これは話ができるいい機会かなって思って。

矢實: そうだね。で、そこから飯食うようになって、だよね。

堀家: 2回目くらいに飯食った時に、ストレートに「プレスやらせてほしい」って言いました。それでも、実際にプレスやらせてもらうまでは、半年ぐらいかかりましたけど。

-その昔、フイナムで〈スタビライザー ジーンズ〉の特集やらせていただいたことがありましたけど、あれも随分前ですよね。

矢實: そうですね。本間(良二)さんにも出ていただきましたね。でも、考えてみると堀家くんがいなかったら、こうして取材を受けることもなかったと思いますね、間違いなく。

堀家: 当時は、量より質というか媒体もかなり数を絞って、そこにきちんと出していく、っていうスタイルでプレスをしてましたね。

矢實: 今はプレスルームを特に設けてはいないんですが、当時と掲載されている媒体数はそんなに変わらないですね 笑。僕も手広くやるっていうタイプでもないので。あと自分で作って自分でプレス、ってなかなか難しいですよね。気恥ずかしいです。。

1  2

FASHION FEATURE TOP

  • OLD
  • NEW