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Made by STABILIZER GNZ WISMのオリジナルデニム完成!

2014.02.24

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「このジーンズがあって初めてWISMのスタイリングが完成する」(堀家)

-今回のオリジナルデニムは、インラインと比べて、どこを具体的にアレンジしていったんですか?

矢實: 元になっているのは、「0-12」というタイトテーパードなんですけど、まず前提としてストレッチを入れたいと。で、そうしたときにもう少し細くしたいというリクエストをもらっていたので、元々けっこう細いんですけど、さらに細くしています。

堀家: 〈スタビライザー ジーンズ〉の最たる特徴って、もしかしたら矢實さんはケツポケットのステッチだって思っているかもしれないですけど、俺らが店頭でお客さんがどこのデニム履いてるんだろうって見る箇所って、ポケットのピスネームなんですよね。なので、このピスネームだけはどうしてもあった方がいいなって思ったんです。

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矢實: そうだったね。ファーストサンプルの時は付いてなかったから、付けて欲しいって言われたもんね。あとは、インラインとかぶらないように、ネーム類はフォントとかも変えて、全部作り直しました。

-ポケットのステッチはナシですね。

矢實: はい。そこは元々入れるつもりはなかったです。

-制作はスムーズにいったんですか?

矢實: そうですね。。あるとき、「"オリジナルジーンズ"って、なんか別の呼び方ないんですか?」って言われたりしましたね 笑。

-無茶振り的な。

堀家: いやー、なんかそういうやりとりも面白いかなって 笑。でも、市之瀬なんかは「矢實さんは職人さんなんだから、任せておけばいいんだよ」って言うんですよね。市之瀬のすごいところは、その人のセンスを信じてあーだこーだ言わないんですよね。でも、自分がさっきみたいな投げかけをしたら、矢實さんすごい悩んじゃって。。笑

矢實: いや、だって他にないでしょっていう。ひょっとしたらこのアイテムは「WISM」っていうオシャレなところにはそぐわないんじゃないかって思ったり。でも、すごく考えて別のデザイン起こして、メール送ったら「いや、最初ので大丈夫です」って。

堀家: 笑。 そのメール、お店で見てたんですけど、市之瀬が「ほら、だから言っただろー」って 笑。

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ベルトをすると「WISM ORIGINAL JEANS」の文字が隠れるような設定に。

矢實: ただ、セレクトショップがお店の名前を冠して、"オリジナルジーンズ"ってうたうのって、実はすごく勇気のいることなのかなって。でも、堀家くんの話を聞くと、世の中の流れを吸い上げて単純な流行りものを作ろうっていうことじゃなくて、きちんと意思のあるものを、っていうことだったので、"オリジナルジーンズ"っていう呼び名はすごくいいんじゃないかって。とにかく今回一番考えさせられたのは、この「オリジナルジーンズ問題」でしたね。。全然洋服には関係ない自分の兄貴にも「どう思う?」って聞いたりしてましたからね 笑。

-お兄さんなんて言ってました?

矢實: 「えー。他に呼び方ないでしょ。。"インディゴ ニンジャ"は?」みたいな 笑。さすがにそれはナシだとは思いましたけど。でもまぁ、一緒に作るっていうのは、こういうセッションを重ねていくってことなのかなって。

堀家: そうですね。自分はすごく楽しかったです。「0-12」は純度100%のコットンで、ストレッチを使わない究極の細さ。今回はストレッチ使うから、もう少し細くってお願いしたら、バシッといいパターンが上がってきましたし、もうその辺はさすがだなと。本当に信頼を置いてます。

-でき上がったデニムに対しては、矢實さんはどう感じてますか?

矢實: ものとしては満足してます。品質とか、生産工程とか一連の流れは満足して作れましたので。でも、今回はあくまで作り手として関わったので、頼んでくれた方が満足してくれた、っていうのに一番満足してますね。

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履き込んだ〈スタビライザー ジーンズ〉に、履き込んだAJ1を合わせるのが矢實流。

-ちなみに矢實さんには「WISM」というお店がどんな風に見えてるんですか?自分には「WISM」の中に〈スタビライザー ジーンズ〉があること自体が、かなり面白いというか、独特の存在感があるなという風に感じているんですが。

矢實: そうですね。ジーンズって本当にボーダーレスですし、色々な考え方のジーンズが存在すると思うんですよ。そんな中、自分は"世界観"でモノ作りをしてなくて、どちらかというと、もうちょっとモノ寄りなんです。なので、「WISM」みたいにオシャレで、"今"を作っているようなお店に置いてもらうということは、自分にとって必要なことなんだろうなって思います。

-ある種、違った価値観の中に身を置くということですね。

堀家: 自分たちって、よりお客さん目線でお店を作っていると思うんですよね。お店に来るお客さんにかっこよくなってもらいたいっていうのは、もちろんあるんですけど、自分もお店の中にいるときは、誰よりもかっこいいっていうのを目指しているんです。だから、品物をセレクトするときもすごくフラットに考えていますね。自分がかっこいいって思ったものを、お店に置くっていう。

-シンプルですよね。

堀家: はい。意外に簡単にできそうで、できないことなのかもしれないですよね。合ってる、間違ってるだけで善し悪しを決めるのではなくて、一旦は間違っててもいいんですけど、それを合っている方向に持っていく馬力だったり、マンパワーみたいなものはすごく大事だなと思ってます。

-そのエネルギッシュな感じは、お店に出ていると思います。

堀家: だから、世の中的にかっこわるいって思われてるようなことでも、自分たちは平気でできますし、自分たちがいいって思ってるものに対しては、まっすぐでいたいですね。

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オリジナルジーンズのブラック28インチを着用。モデルはディレクター市之瀬氏。

堀家: 何かを仕掛けるときは、二番煎じじゃだめだと思うんです。どこかがやったことに乗っかるのは、だめだなって。その分リスクは大きいんですけど、うまくいったときの気持ち良さは格別ですよね。売れてるということだけに重きをおかないで、そこじゃないことを目指すっていうこともあるのかなって。やっぱり反骨心が自分のベースになっているところがあるんですよね。

-熱いですね、やっぱり。。

堀家: そうですね。今回のデニムはとにかく攻撃的ですし、「平和ボケすんじゃねぇ!」っていう感じなんです。

-わかるような、わからないような 笑。ところでこのデニム、サイズ展開はどういう感じなんですか?

矢實: 28インチから33インチまでの1インチ刻みですね。今回はレングスが1サイズだったので、ちょっと助かりました 笑。

-全部レングスは32インチですね。

矢實: そうなんです。これが1インチ刻みだったら、地獄でしたね。サイズをたくさん作るのって、なかなか大変な部分もあるので。。

堀家: 自分は、ブラックデニムは9分丈で、インディゴの方は切らないで履こうかなと思ってます。それだけでも全然見え方が違うと思うので、そういう履き方なんかもアリなんじゃないかなって思います。

-確かに二色買いされる方も多そうですね。

堀家: そういえば、ジーンズを作るっていうときに、今回の生地を見せてもらったんですけど、その横にバイオウォッシュした生地見本があったんです。それもめちゃくちゃかっこ良くて、「いやー、バイオウォッシュかけた方が履きやすいし、こっちもいいんじゃないか」って言ったら「3~4回洗えば、こうなるから大丈夫ですよ」ってサクッと矢實さんに言われましたね 笑。

矢實: そうだったっけ。。それはちょっと適当すぎるかもなぁ。。ただ、自分が作っているインラインのジーンズで、ひとつデータとしてあるのが、ノンウォッシュのジーンズって、みんなリピートしてくれるんですよね。

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-そうなんですね。

矢實: はい。味が出てきた時にみんな買い足してくれるんですよ。で、濃色から色落ちしたものまで、たくさん楽しめるっていう。そういうのも、濃色から履いていく良さだったりするのかなって思うんです。

-今、「WISM」に置いてあるパンツって、たいがい細いんですか?

堀家: そうですね。海外で仕入れをしているときとかに見ていても、やっぱりまだまだ細いのが主流だと思うので。ただ、今後その流れが変わったときに、インラインの〈スタビライザー ジーンズ〉では毎シーズン色々なことはできないでしょうけど、「WISM」のオリジナルジーンズでだったら、「タイトなストレッチに飽きてきちゃったから、次は中太作らない?」っていう相談ができると思うんですよ。

-なるほど。確かにそうなってくると、可能性が広がりますね。

堀家: そうなんです。だから、このジーンズも100本、200本限定っていうことじゃなくて、5000人、10000人規模の足元を固めたいって本気で思ってます。このジーンズがあって、ようやく「WISM」のスタイリングが完成すると思っているんで。海外で履いてたら、「それどこの?」って言われるぐらいまでには持っていきたいですね。というのもあって、今回のジーンズには「W-01」っていう名前を付けてます。やっぱり数字って世界共通ですし。

-なるほど。そうなると、「W-01」以降の「W-02」「W-03」の展開も楽しみですね。「WISM」と〈スタビライザー ジーンズ〉の融合、とても面白い化学変化が起きそうです。今後にも期待しています!

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(左)インディゴ:30インチ、(右)ブラック:28インチ 各 ¥15,000+税

WISM
住所:渋谷区神宮前5-17-20
電話:03-6418-5034
営業:月、火、木、日曜日 11:30~20:00
   水、金、土、祝前日 11:30~20:30
blog.baycrews.co.jp/wism
www.facebook.com/WISM.tyo

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