HOME  >  FASHION  >  FEATURE

FASHION_FEATURE

  • OLD
  • NEW

World Street Classic vol.1

2012.05.02

このエントリーをはてなブックマークに追加
0227 huge 13.jpg
雑誌から色々なことを学んできた。

0227 huge 90.jpg

―そこに持ってきている雑誌は、何ですか?

小野田:ちょっと話は戻るんですが、前回〈ザ・スタイリスト・ジャパン〉のパンツと大久保さんの話になったので、この辺りも。1985年6月号の『宝島』が「スタイルの思想〜男性No.1スタイリスト大久保篤志登場!!〜」って特集を組んでるんです。

XN9Z6752.jpg

Poggy:うわぁ〜!

―すごいですね、コレ。背表紙にも名前が入ってる、忌野清志郎氏に並んで。

小野田:僕、とにかくファッションを"掘る"のが好きなんですが、こういった本を掘るのも好きなんです。片岡鶴太郎さんや、古館伊知郎さんなどがコメントしてたり、BOØWYやPARCOのスタン・ハンセンのスタイリングもなさっていたそうです。鳥肌立ちましたよ。

0227 huge 99.jpg

―「今、一番スタイリングしたい人は中曽根首相」。ヤバいです。

Poggy:大久保さんからも〈ピオンボ(PIOMBO)〉のジャケットとか〈シャルベ〉のチーフとか、〈ボルサリーノ〉のハットを取り入れるとか、そういった感覚をたくさん学びましたね。

小野田:ストリートって言葉は出てきてないですもんね。これは代々木八幡で見つけて買ったんですけど、この辺のモノは盲パイというか、中身を読まなくても見つけられるようになってきました。

―(笑)。

Poggy:雑誌繋がりなので、また前の話に戻りますけど、前述した『ブルータス』の白山さんのページ。これ見て、本当にヤバいなって思いました。この当時、自分はプレスだったので白山さんがいらっしゃったときにその話をしたら、「こういうのが好きだったらサンモトヤマだったり、東京プリンスホテルの地下にある西武ピサ(※2010年9月末でクローズ)に行ってみた方がイイよ」って言って頂き、すぐ休みの日に見に行きました。ユナイテッドアローズにもクラシックなブランドはありますが、ブランドの中にも種類があって、お店も色々あるし、しかもこんな着方もあるんだなって。その頃カニエ・ウエストやアンドレ3000がトラッドな洋服を新しい解釈で着こなしていて「こんな世界があったんだ」って自分の中で洋服がもっと楽しくなって、この感覚をいろんなお客様と分かち合いたい! って思い立ち、リカー、ウーマン&ティアーズ(以下LWT)が産まれました。

XN9Z6757.jpg

小野田:とにかく踏み込み具合が凄くて、カテゴリー関係なくファッションを縦横無尽に予習復習してれば、更に1.5〜2倍以上楽しめるページですよね。それで、じつはこの時の、この〈サン クリスピン(SAINT CRISPIN'S)〉のワンピースシューズを白山さんに譲って頂いたんです。

XN9Z6766.jpg

―おぉ、そうだったんですね。羨ましい...。

Poggy:この当時の〈サン クリスピン〉はソールに打つ釘も木で作ってて、伝統的な靴作りをしてたメーカーだったんですよね。

小野田:今でこそスリッポンってアリになってるけど、かつてドレスの方々にはあり得ない部類のシューズでした。それであったのが〈タニノクリスチー(TANINO CRISCI)〉か〈サン クリスピン〉で、〈VANS〉のSYNDICATEやVAULTくらいの感覚で履き合わせてますよね。

Poggy:今だとホワイトソックスの人も増えましたけど、この当時で履いてるから凄いですよ。これ見てからは、何やるにもこのイメージが頭から離れなかった。ストリートのモノを着ててもエレガントさは忘れないというか。

小野田:自分も、この『ブルータス』のページは見過ぎて、クレジットをソラで言えるかもしれない(笑)。

―(笑)。やはり、この企画の根底にも流れているんでしょうね。

Poggy: あらためて見てもカッコいいですよね。今だと〈Supreme〉を着て〈 J.M.ウエストン〉のシューズを履くっていう人も増えてきたと思いますが、カテゴリー関係なくイイ洋服を楽しむっていうことを誌面を通じて教えてもらったと思ってます。

XN9Z6748.jpg

Poggy:あとは、テリー・リチャードソンがフォトグラファーで、ファレル(Pharrell Williams)がモデルで登場していた、2006年2月号の『GQ』のページにも影響されましたね。ストリートなスタイリングで、腰履きしてチラ見えしてるトランクスが〈シャルベ〉だったり。 LWTがオープンする前に、この『GQ』と、有太マンさんから借りた、クールハークやグランドマスターフラッシュがドレスアップして写ってる『VANITY FAIR』などを持って、日本のファッション誌の編集部を何件も回って、「今、HIP HOPのファッションはこんなに面白いんです」って説明したんです。

―そんな話、LWTの店頭でもよく話しましたよね。懐かしいです。

Poggy:はい。それから、フミちゃんがずっと買ってる『THE RAKE』もヤバいんです。

XN9Z6751.jpg

小野田:日本では買えないんですけど、シンガポール発のファッション誌です。ちなみにお父さんと息子(笑)、この表紙も凄いですよね。僕は、アジアではクロージングのシーンは日本がNo.1だと思ってたんですが、シンガポールの方が先に行ってると思わされた雑誌なんです。本物の富裕層がたくさんいて、こういう雑誌がいきなり作れて、しかもエディター陣がイギリスのらつ腕コントリビューターばかり。だから、感覚だけじゃなくて、アカデミックに本作りができてるのがすごくイイなあって思います。本当は日本から、こういう雑誌が出て欲しいんですが、先を越されたような気がして。でも、それにしても今、一番面白い本ですね。

Poggy:〈Mr.BATHING APE® UNITED ARROWS〉でNIGO®さんがインタビューされてたり、そういうストリートの取り入れ方も斬新ですよね。

小野田:人物のフィーチャーページで松山猛さんがクローズアップされてたり。とにかく視点がしっかりしてるんですよ。元は『レボリューション』っていう時計の専門誌を作っている出版社なので、基盤も安定してます。

―どういった手段で購入してるんですか?

小野田:定期購読の契約して、直接買ってます。

Poggy:オレもそうしようかな。国内ではどこにも売ってないんですよね...。

小野田:僕は、この本を見てファッションがさらに面白くなったから、小木ちゃんや周りの服好きの友人にも、とにかく薦めています。テクニックとか作法とかも載ってて、それも上手いんですよ。

Poggy:この人達に会ってみたいよね。

―そんな機会も頑張って作っていきましょうか! まだ先でしょうが...。そして、これ全然終わらなそうなんで、続きは第2回からにしましょう。

さて、やっぱり長くなったWSCのVol.1...。しかし、Poggy、小野田両氏のファッションにかけるアツい思いは伝わったのではないでしょうか? 間髪入れずにVol.2、3と続けていきますよ。また長くなると、大変なことになりそうですが...。

BACK 1  2

FASHION FEATURE TOP

  • OLD
  • NEW

関連記事