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Fashion×Cultutre×Lifestyle=Olivier? 有機的プロジェクト「オリヴィエ」の全貌とは?

2013.09.09

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なるべく被写体との距離が近い写真を。

-濱中さんの「トゥエルブ ブックス」についても、普段どんな活動をしているのか伺ってもいいですか?

濱中: 色々やっているので、マルチな印象にはなってしまうと思うんですが。ただ、ベースは本を日本に流通させるという、つまりディストリビューションがメインですね。ただ、流通といっても、本を右から左に流すだけではなくて、きちんと自分なりのフィルターを通した、プロモーションや見せ方、伝え方を考えてますね。

-よきものを生み出すために、あれとこれをつなぎ合わせるというのは、編集っぽい側面もありますよね。

濱中: そうですね。オーガナイズという意味ではそうかもしれません。"キュレーター"とか"ブックセレクター"だったり、その都度言葉が変わるかもしれないんですが、最終的には本をきっかけに、アーティストと色々なものを繋げていくということなんだと思います。

-今回、本には〈アレッジ〉の洋服が出ているわけなんですが、とくにスタイリングをしたわけではないんですよね。

山口: そうですね。パリに服をバーッと送って、そちらで自由に選んでくださいというか(笑)。別に〈アレッジ〉だけで作ってくれなくてもいいかなって思っていました。

lf_fcl_olivier_sub7.jpg 左から、イラストレーター 町田早季氏、ALLEGE デザイナー 山口亮氏、MAISON CINQUANTE CINQ 丸山智博氏、デザイナー 平本泰一氏、twelvebooks 濱中敦史氏

デザイナー 平本泰一氏(以下敬称略/平本): 今回作業する上で、とてもありがたかったのは、洋服がきちんと見えている写真じゃないとダメだってことは全然言われなかったんです。最初に、「食」だったり「日常」っていうテーマを伺っていたんですが、個人的に「メゾン・サンカント・サンク」のWEBにある「Le bistrot c' est la joie(楽しくなきゃビストロじゃない)」っていう言葉がすごく印象的で。それで、「食」そのものよりも、食事の行為自体を考えてみようという風に思うようになって。

-はい。

平本: 食事って、何を食べるのかはもちろんなんですが、それをいつ、誰と、どこで食べるのかっていうのが重要だと思うんです。なので、今回はオラ・リンダルに、彼の友人や知りあいのアーティストとかと一緒にランチを食べながら、それを写真に撮ってもらうっていうやり方をしてもらったんです。なるべく被写体との距離が近い方がいいよね、という話を僕らの中でしていたので。

-とても親近感のある写真ばかりなのは、そのためなんですね。

平本: はい。「食」についての本なんですが、こんな料理があるよとか、こういう美味しいお店がありますよ、というような情報ではなくて、食事の際の空気感とか、環境を表現できたらなって思ったんです。で、本の巻末には町田(早季)さんにイラストを描いてもらったんですが、話し合いを進めていく中で、町田さんがフランスの標語みたいなものを見つけてきてくれて。それが"Fluctuat nec mergitur.(たゆたえども沈まず)"っていう言葉なんです。

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-どういう意味なんですか?

平本: フランスって、自国で革命があったり、歴史的に色々な荒波にさらされてきたんですが、それでもこの舟は沈まない!というようなことらしいんですね。で、そういう言葉を今回の本に置き換えるとどんな意味になるんだろうって、町田さんと話していて。

-はい。

平本: 例えば、人生って辛いことも楽しいこともあるけど、どんなときもおなかはすくし、ご飯は食べるよねっていう。そういう言葉を念頭におきながら、ページデザイン含め、作業を進めていきましたね。

-かなりコンセプチュアルな作り方と言えますよね。思想ありきというか。完成品は、オラ・リンダルは見ているんですか?

濱中: はい。彼が来日することになり、イベントを企画したのですが、ちょうどその時に本が完成していて。色校とかをチェックしてもらってたわけではないので、どういう風に彼がリアクションするかは見せてみないとわからないところがあったんですが、すごく好意的に受け止めてくれましたね。何よりも「印刷がいいね」って言ってくれて。

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-なかなかできないことですし、すごく素敵なものづくりの方法ですよね。自分が初めてこの本を目にしたのは、〈アレッジ〉の展示会だったんですが、服よりも本の方に目がいってしまって。。

山口: そういう風に反応してくれたのが嬉しかったですね。単なるブランドのプロモーション用のものではなく、きちんと本屋さんに置いて、〈アレッジ〉のことを全く知らない人にフラットな気持ちで、いいね!って言ってもらえるようなものを作りたいと思っていたので。

-なるべくたくさんの人に届くといいですよね。どこで販売できるかはもう決まっているんですか?

濱中: まず、8月中旬から9月1日まで、代官山蔦谷書店で、今回の書籍の発行を記念したフェアを開催して、その後は各書店や〈アレッジ〉を取り扱うセレクトショップなどで展開が開始されていきます。今のところ、ぼくの取引先での反響は結構いいですね。

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