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23 Things of BURTON SNOWBOARDS. バートンを知るための23のキーワード。 vol.11

Photo_Kazunobu Yamada
Text_Yuichiro Tsuji

「GORE-TEX®(ゴアテックス)」が広げたアウトドアの可能性。

ファッションやアウトドアが好きな人であれば、「GORE-TEX®(ゴアテックス)」という素材の名前を一度は耳にしたことがあるはずだ。アウトドアギアによく用いられるこの素材は、防水、防風、透湿に優れ、ハイカーやクライマー、そしてスノーボーダーを中心に広く親しまれている。

「GORE-TEX® 」が登場したのは、1970年代のこと。それまで完全防水の素材は存在していたが、それらの生地は透湿性能に欠けていた。したがって、外側からの雨の侵入は防ぐものの体から発せられる蒸気がこもるため湿度の調整ができず、結局は体が汗でびっしょり、なんてこともあったという。体が汗でびっしょりになれば当然体温は低下するし、それが山や森林の中であれば、命の危険にも繋がりかねない。そのため、登山などの危険度はいまとは比べ物にならないほど高かった。

そこに誕生したのが「GORE-TEX® 」だった。外からの水の侵入を防ぎ、中の蒸気を外へ逃がす「GORE-TEX® 」のテクノロジーは、アウトドアの安全性を確保し、アクティビティの自由度は飛躍的に向上したといえるだろう。

そんな「GORE-TEX® 」だが、使用用途はなにもアクティブなシーンだけに限らない。場所に関係なく雨や雪は降るし、強い風も吹く。家の外へ一歩足を踏み出せば、そこは既にアウトドアフィールドなのだ。しかも、〈バートン〉のギアはファッション性にも長けている。ワードローブのアイテムに馴染む、おすすめのギアをここで紹介しよう。

相澤氏ならではの、細かなディテールワークが光る逸品。

フイナムではお馴染み〈ホワイトマウンテニアリング〉のデザイナー、相澤陽介氏がデザイナーを務める〈バートン サーティーン〉。3層構造の「GORE-TEX® プロダクト」を素材に使用したこちらは摩耗や引き裂きに強く、強い耐久性を誇る。ボディにあしらわれたカモフラージュ柄はオリジナルのもので、飛行機から見た夜の雲をイメージしたという。アームホールが細身なので、全体的にシャープなシルエットを描き、街着としてもその機能を発揮する。袖はラグランスリーブに仕立てられているためレイヤードがしやすいのもポイントだ。

ジップの把手やスナップボタン、ライニングに施された止水テープには、ブランドロゴがあしらわれ、細かなところにも抜け目のない相澤氏のこだわりが詰め込まれている。

プロ仕様の本格シェルは、シンプルなデザインが魅力の一枚。

最高のマテリアルと最先端の生産技術を集結させてつくりあげた〈ak〉のコレクション。使用される生地は、雪山のプロフェッショナルたちから愛される「GORE-TEX® PRO」を採用。あらゆる過酷な環境、厳しい気象状況のもとでも、その高いパフォーマンスを発揮する素材だ。首が当たる部分にはフリースの生地をあしらい防寒性を向上させ、フードや首周りのフィットを調整する機能も付与されており、機能に対する妥協のなさが伺える。無駄のないシンプルなデザインがファッションとして取り入れやすく、レッド×ブラックの精悍なカラーリングが着こなしの主張を高めてくれるだろう。

止水テープには魚のグラフィックが描かれている。見えない部分に遊び心を取り入れるあたりに、ブランドの懐の深さを感じる。

機能とデザインを突き詰めたストイックなアイテム。

最後に紹介するのは、あの藤原ヒロシ氏もデザインチームに加わっている〈ak457〉のラインのアイテムだ。すべてのマテリアルをブラック一色で統一しながらも、シームを巧みに利用して表現されるデザインがどこか男心をくすぐる。程よいフィット感と丈のバランスは、ギア系以外のアイテムとの相性も抜群だ。使用される生地は、先ほど紹介した「GORE-TEX® PRO」。雪山を楽しむすべてのレクリエーショニストのために生まれたラインだけあり、こちらも〈ak〉と同様に妥協はない。

左腕には「RECCO®」という雪崩遭難者の場所を特定するためのリフレクターが付いている。山岳救助隊が使用する探査機にこのリフレクターが反応し、救助の手助けをしてくれるという。こういったプロフェッショナルな機能がアイテムの完成度を押し上げているのは、言うまでもない事実であろう。

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