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23 Things of BURTON SNOWBOARDS. バートンを知るための23のキーワード。 vol.17

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画像提供_BURTON
Text_Yuichiro Tsuji

ブランドの象徴として。

ブランドを展開していく上でロゴやヴィジュアルは、欠かすことのできない重要なファクターだ。ロゴはブランドの方向性を示唆し、ヴィジュアルはアイテムの具体的な魅力や使用例を提示する役割を担っている。

もちろん我らが〈バートン〉も、これまでさまざまなロゴやヴィジュアルを制作し、世界に向けて発信してきた。中には年月が経った現在でもそのクールな魅力を失わず、強い訴求力をもったものも存在するし、逆にいま見返すことで新鮮さや、ユーモアを感じるものもある。

今回はそんな過去のロゴやヴィジュアルを紹介。これを見ながら、〈バートン〉が長い歴史を育みながらどんな活動をしてきたのか? また、現在も時代とともに成長を続けていることを感じ取って欲しい。

ロゴの変遷。

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こちらは〈バートン〉の初代ロゴ。ブランドのデビューにあたって、スノーボードブランドとしてのアイデンティティを確立しなければならない。雪山をイメージしたグラフィカルなロゴは、そのひとつの表現であるといえるだろう。

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一般的に認知度が高いのは矢印がついたこちらのロゴ、通称“プロセスロゴ”だろう。そこから想起させられるのは〈BURTON〉のイニシャルを小文字にした「b」だが、このロゴはそんな安易なものじゃない。

チームライダーから生まれたアイデアがデベロッパーに伝えられ、作られたサンプルがテスターに渡り、テストによって改良を加えられ、最終的にできあがったものがまたライダーの手に戻る、という製品開発のプロセスを表現しているのだ。

しかし、このロゴもいまでは過去のものになっている。

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現在はこのようにシンプルなデザインになっている。それはつまり〈バートン〉がスノーボードブランドとしての力を身につけ、無駄なものを削ぎ落としたソリッドな魅力を持ったブランドとして成長したことの証でもあるのだ。

多くの示唆に富んだヴィジュアル。

ここからは山のようにあるブランドのアーカイブ ヴィジュアルの中から、我々が気になったものをいくつかピックアップしてお届けする。

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まずは、80年代の香りがプンプン漂うこちらのヴィジュアルから。ヴィヴィッドなカラーリングもさることながら、スウェットとデニムでスノーボードをするというスタイルがすごく新鮮でクールに思える。

もちろん、オンシーズンのゲレンデでこんなことをしたら命の危険にも繋がりかねない。しかしながら、過度なスペックを削ぎ落として身軽な格好でスノーボードをする姿には、物質過多な現代だからこその憧れを強く感じる。

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こちらは90年代に制作されたヴィジュアル。雪山を颯爽と駆け下りる臨場感溢れる写真だ。スタイリッシュなコーディネートと、鋭く切り立った雪山の背景が相まって、ハードでクールなヴィジュアルに仕上がっている。手書きのタイポグラフィーや、布地とのコラージュも良い。

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これを見てハッとした人も多いのではないだろうか? ご察しの通り、ピンク・フロイドの名盤「狂気 / The Dark Side Of The Moon」のジャケットをモチーフにしている。このジャケットが指し示すメッセージに関してはさまざまな憶測が飛び交っているが、そのミステリアスさ故にたくさんの人の心にインパクトを与えた。

このヴィジュアルも、そんなミステリアスさを強く感じる仕上がりに。ずっと眺めていると、三角形の中に吸い込まれるような錯覚に陥る。そんな吸引力を持っている。

音楽やカルチャーとの接点も感じられるし、ブランドの振り幅を広げるヴィジュアルではないだろうか。

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これは〈バートン〉が2000年にリリースしたもの。「HELL ON EARTH(この世の地獄)」を表すメッセージにどこか不気味な印象を受け取るが、2000年頃といえばちょうど地球環境への関心が高まった時代。このヴィジュアルはつまり、そういった環境汚染による自然破壊への警告とも感じ取れる。スノーボードは自然があってのスポーツであるからこそ、〈バートン〉はさまざまなサステナビリティに取り組んでいるし、これからもそうであって欲しいと願う。

しかしながらこういった社会的なメッセージを、訴求力の強いヴィジュアルに、若干のユーモアを込めて発信する姿勢に、センスを感じざるを得ない。

番外編!こんなユニークなヴィジュアルも?

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残念なことに、世界の至るところで多くの偽造品が出回っている。特に90年代~00年代初頭は、情報も少ない時代。たくさんのブランドがこの問題に頭を抱え、対策に追われていた。そして、〈バートン〉もそのうちのひとつだった。そこでできあがったのが、このヴィジュアルだ。

印象的で力強いキャッチコピーと、左右の対比がいまでは新鮮でユニークに感じる。偽造品に対する痛烈な警告、注意喚起と、スノーボードに対する愛。ここまでストレートなメッセージの対比は、現代ではなかなか見ることができないのではないだろうか。

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続いてこちらは、90年代に流行した3Dの砂嵐。これを見て、思わず「懐かしい!」と声を上げた人もいるのではないだろうか。目の焦点を上手くズラし、この砂嵐を眺めると「ドクロの雪だるま」が浮かび上がってくる。

当時、大流行したこの遊びを〈バートン〉もヴィジュアルとして取り入れていた。通常であればクールなイメージフォトを制作するところであるが、それをせず、こういったアプローチをするところにブランドの懐の深さを感じる。

BURTON
電話:03-5738-2555
www.burton.com