「501®」がファッションの原点。
ー坂田さんが初めてリーバイス®に触れたのはいつですか?
坂田:16歳のときに当時の現行モデルをユーズドで買ったのが初めてですね。兄がいたので、ファッションに関する情報はそこから入ってきたんですよ。それまでは日本のメーカーのジーンズを穿いていたんですけど、「デニムはやっぱりアメリカでしょ」ってなったのを覚えています。僕は和歌山出身で、大阪のアメ村まで買いに行きましたね。
ーどんなデニムを買ったんですか?
坂田:色落ちが強くて、少しサイズが大きめの「501®」です。でも穿いているうちに、なんか違うって思ったんですよね。それから、自分が求める理想のデニムはヴィンテージだということに行き着いて…。それでヴィンテージを探すようになりました。
ーまさに坂田さんの原点ですね。
坂田:そうかもしれません。中学生とか高校生の頃って、他人にカッコよく思われるための洋服選びをするじゃないですか。僕もはじめはそうでした。でも理想のデニムを探すうちにベクトルが変化して、自分のために洋服を探すようになったんです。見た目のカッコ良さはもちろんだけど、生産背景とか、着心地とか、自分に合うとか、良い意味で自分本位の洋服選びをするようになった。そういう意味で「501®」は、ファッションの面白さを教えてくれたし、いま僕がこの仕事をしているのも「501®」のおかげだと言っても大げさではないですね。
ーそれからどんどんヴィンテージに魅了されて、いまではたくさんのアイテムをお持ちですよね。今日はコレクションの中からお気に入りを持ってきてもらいましたが、どんなアイテムなんですか?
坂田:これは最近登場機会が増えたデニムで、60年代の“BIG E”ですね。僕の中でジャストサイズの“BIG E”っていうのが定番になっていて、その中の1本です。こっちのシャツは、70年代のデニムシャツです。ワードローブを整理していたら出てきたもので、色合いが良いなあと思って最近着ています。ヒッピーのようなムーブメントが70年代にあって、それに合わせて作られたアイテムですね。
ーいま仰られたように、リーバイス®は時代のニーズに合わせて色んなアプローチをしていますよね。今回の「501® CT」もそうだと思うんですが、このように進化していくリーバイス®に対して、どんなことを感じますか?
坂田:そうですね、その時代のカルチャーやムーブメントを取り入れたプロダクションは、単純にすごいと思いますよ。やはりこういうことは、一流というか、軸があるブランドだからこそやって意味がある。芯がないブランドがやると、単なる流行で終ってしまうのでね。
ー永遠の定番であるリーバイス®がやるからこそ意味がある、と。
坂田:そうですね。音楽に例えれば、ローリングストーンズは、時代に合わせてディスコっぽい曲もあれば、レゲエっぽいアプローチもしてますよね? それなのにしっかりとストーンズらしい音色が残っていて、既存のファンはもちろんのこと、新しいファンも虜にしている。そこがすごいんですよね。つまり、一流っていうのはブレない強さを持っている。リーバイス®もその強さを活かして、どんどん新しいアプローチをしていって欲しいですね。影響力のあるブランドだから、リーバイス®の動きが新しいシーンの下地を作ると思うので。
これからも楽しみにしています。
PROFILE
坂田 真彦
数々のコレクションブランドのディレクターを担当してきた傍ら、ヴィンテージショップ〈アーカイブ&スタイル〉を運営した経歴を持つ。現在も複数の人気ブランドのディレクションを担当している。
リーバイ・ストラウス ジャパン
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