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First Impression Levi’s 501® CTの魅力 Vol.2 眞木蔵人の場合

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今やスタンダード中のスタンダードアイテムであるデニム。中でもLevi’s® 501®は、誕生以来これまでに多くの人々に愛されてきた、デニムの代名詞といえるでしょう。そして今春、テーパードがかった現代的フォルムへと仕立てられた「501® CT」が登場しました。この新作デニムを彼らはどう履きこなすのか? シリーズ全4回。4人の501® CTとの初対面の模様をお届けします。

Photo_Kazumasa Takeuchi[STUH]
Text_Yuichiro Tsuji
Edit_Shinri Kobayashi

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映画「あの夏、いちばん静かな海。」で魅せたサーフスタイル。

—眞木さんがファッションに目覚めたのっていつぐらいなんですか?

眞木:中学生の頃に「ブレイクダンス」っていう映画を見て、オゾーンとターボっていう登場人物が自分のトレーナーを切り刻んだりしていたのを、自分で真似たりしていたよ。あとはクリスチャン・ホソイっていうスケーターの影響も受けているね。

—俳優としてデビューした頃ですね。

眞木:そうだね。それまでは人に見られるっていう意識があまりなかった。でもデビューしてから変わったかな。人の目を気にして、ピアスつけたり、インディアンジュエリーを身につけたりするようになった。

—そういった時代を経て、17歳のときに北野武監督の作品「あの夏、いちばん静かな海。」に出演されました。あの映画の「501®」をはいたサーフスタイルはとても印象的でした。

眞木:あのときに着ていた衣装は、全部俺の私物なんだ。映画に出演するときにたけしさんに言われたことを今でも覚えているよ。「俺はいまのファッションとかはわからないから、きみの洋服を持ってきてくれ」って言われてさ。当時は映画のファッションスタイリストと、俳優のあいだに溝があったんだ。スタイリストはストリートファッションのことをまったく分かっていなくて、街のリアルなファッションは俳優が持ち込んで表現する時代だった。

—なるほど、そうだったんですね。

眞木:当時はヴィンテージブームが加熱していた時代で、“BIG E”をはいて映画に出演するっていうのはステータスの高いことだと思ってた。だからすごく達成感を感じたよ。たけしさんの映画に主演で出て、自分の服を自分でスタイリングして、作品自体も素晴らしくてたくさんの賞を受賞したから。それ以上に最高なことはないよね。

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—それで今日持って来ていただいたのが、あのときはいていたデニム(上部写真)なんですね。

眞木:そう、この“BIG E”だよ。これは親しかった先輩が亡くなってしまったときに、もらったジーンズなんだ。膝に穴が空いているんだけど、スケートしているときに空いちゃったんだよね。でも、思い入れの深いジーンズだから、大事にとってある。こんど息子がヴィンテージの価値を分かったときに譲ろうと思っているよ。

—もう1本のパンツはどんなアイテムなんですか?

眞木:70年代に起こったヒッピーカルチャー全盛のときに作られたアイテムだね。これも“BIG E”。アメリカのスリフトショップで買ったんだけど、4ドル50セントくらいだったかな。まだヴィンテージブームが加熱する前のことだったと思う。ヴィンテージはいまみたいに何十万もしていなかったし、探せばすぐ見つかった時代があるんだよ。

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—眞木さんはサーフィンをよくやられると思うんですが、サーファーにとって、ジーンズとはどんなアイテムなんですか?

眞木:俺の場合は、ドレスのようなものかな。つまり正装だね。旅の最中は動きやすさを重視して、だいたいスウェットパンツでいることが多い。でも、ディナーに行ったり、現地でガールフレンドができたらデートへ行けるように、必ず1本はデニムをバッグの中に入れるようにしているよ。

—なるほど。

眞木:あとは、普通の人になるためのものでもあるかな。空港でボロボロの格好にサーフボードを何本も持っていると、どうしても目立ち過ぎてしまうし、いぶかしげに見られてしまうから。そういうときにデニムがあると便利だよね。それぐらいデニムっていうのはあらゆる人がはくものだからさ。

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