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INSIDE OF INNOVATION KITCHEN ナイキの秘密の台所。 イノベーションキッチンってどんな場所?

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テクノロジーの可能性を追求し続ける。

また「一度リリースしたテクノロジーでも『もっと機能性を高めることができる!』と思えば一から作り直すのではなく、もとになった材料(テクノロジー)を調理し直すこともあります。2006年に発表された『エア マックス 360』に搭載されたエアユニットはナイキエア史上初めてEVAやポリウレタンといった発泡素材をミッドソールに使用せずナイキエア自体がミッドソールとなった画期的なテクノロジーでしたが、研究の結果ファイロン(EVAの一種で軽量性に優れる)と組み合わせたほうが、トータルバランスが高くなることがわかったので、現在のエア マックスではファイロンとフルレングスのエアユニットを組み合わせるようになりました」と、ただ単にテクノロジーを新規開発するだけでなく、リリースしたテクノロジーのその後の動向にも目を向け、日々機能性の向上に努めていることを強調していた。

「イノベーションキッチン設立のきっかけは、実際に販売されるプロダクトの開発と並行してテクノロジーなど最先端機能の発明を行うことには限界があり、プロダクト部門から独立しました。サポートアスリートからフィードバックを受けたカテゴリー部門から『ランニングシューズのために、こんなテクノロジーを開発してほしい!』という要望を受け取ることもあれば、私たちイノベーションキッチンのほうからカテゴリー部門に『新しいテクノロジーを開発したんだけど、バスケットボールシューズのパフォーマンスを向上させるんじゃない!?』と提案することもあります。各部門とのやり取りはどちらかが命令するというわけでなく、双方向のコミュニケーションで成り立っているのです」

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ナイキ エア ズーム ストラクチャー 18 ¥11,000+TAX

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左 : ナイキ ズーム フィット アジリティ ¥13,000+TAX  右 : ナイキ レブロン 12 ¥21,000+TAX
発表されたばかりの新しい「ズームエア」、その特性とは。

今回発表された新形状ズームエアの大きな特徴に関してシャアナ・ハナは「トレーニングシューズの『ズーム ハイパークロスTR』やバスケットボールシューズでレブロン・ジェームスのシグネチャーモデルである『レブロン 12』に新たに搭載された六角形の形状になったズームエアは、従来の形状のタイプと比較して屈曲性が向上していますので、バスケットボールやクロストレーニングといった前後左右斜めなど、あらゆる方向の動きに対応しなければならないアクティビティに最適なズームエアユニットです。一方でランニングに関しては基本的に前方へのまっすぐな動きの繰り返しとなりますので、今回リリースされた『エア ズーム ストラクチャー 18』には従来の形状のズームエアが搭載されています」と説明したが、「トレイルランニングの場合はまっすぐに走るだけでなく斜め方向の動きも多いから、六角形のズームエアが機能するのでは?」と質問すると、「現状ではまだ搭載する計画はありませんが、それはナイスアイディアかもしれませんね!?」と笑いながら答えてくれた。

ナイキのズームエアは一般的なナイキエアと比較して薄いことから足を地面に近づけることで高い安定性、高圧力のエアユニット内部で伸ばされた状態で織られた伸縮性の高い繊維を配することで高い反発性と弾むような推進力をアスリートに提供することで知られていたが、今回六角形という新しい形状に進化させ、アウトソールのフレックスグルーブと組み合わせることで、比類なき屈曲性を確保することに成功しているのである。

ナイキの新しい機能性のすべてを開発するイノベーションキッチン。シャアナ・ハナが自らの部署の素晴らしさを語るときのイキイキとした表情から、この部署で仕事をしていることの喜びと誇りを感じることができた。彼女のようにカテゴリーに属せずに最新テクノロジーの開発に集中するスタッフが結集したイノベーションキッチンが存在する限り、今後も世間やトップアスリートを「アッ」と言わせるようなテクノロジーが続々とリリースされることは間違いないだろう。

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