デザイナー・ポールスミス week4

自身のライフスタイルについて
ここ何十年も常にファッションシーンの最前線をひた走るデザイナー、ポール・スミス。彼のクリエイションの哲学や、ライフスタイルなどについて訊いた。
最近はフォトグラファーとしても活躍されてますね。カメラとの関係はいつ頃からスタートしたんですか?
ポール:11歳のときに初めてお父さんからカメラをプレゼントされて、そこから写真を撮るようになりました。基本的に自分が撮る写真というのは、そのときのひらめきを重視したような写真が多いんですけども、あるときお父さんに、きちんと構図を決めて撮るような写真も撮りためておいたらどうだと言われたことがあって。それからは色々な種類の写真を撮るようになりました。
ご自身で、ブランドのキャンペーンビジュアルも撮影したと伺いました。
ポール:はい、そんなわけでずっと写真は撮りためていたので、スタッフから「こんなにたくさん撮ってるのに、なんで自分でキャンペーン写真は撮らないの?」と言われまして。自分で作った商品なんだからその服の良さを一番引き出せるのも自分なんじゃないかと。それもそうだなと、スタートしました。
ごく最近の話なんですか?
ポール:そうですね。メインラインで言うと前回の秋冬が初めてで、今回の春夏を去年の秋ぐらいにロンドンで撮ってきました。
仕上がりはどうでしたか?
ポール:初回の秋冬はロケーションも素晴らしく、メンズもレディースも両方素晴らしい出来だったと思います。この春夏はメンズの服がちょっとシンプルだったので、非常に悩みました。イメージを形にするのに時間がかかりましたね。それに比べると、レディースの方が楽でした。なので100%ハッピーかといわれるとそうでもないんですが、まあまあよくできたのではないかと思ってますよ(笑)。
次にアートとの関係について伺いたいのですが、ポールさんは色々な作品をコレクトしていることでも有名ですが、アートのどの辺に惹かれるんですか?
ポール:こればかりは一概にいえないのですが、それぞれのアーティストが自分の作品を通して何を表現したかったのか、というのを色々考えることがまず好きですね。
お気に入りのアーティストを挙げるとすれば、誰になるんでしょう?
ポール:よく訊かれるんですが、名前を挙げるのは難しいですね...。去年のレセプション(ポール・スミススペース ギャラリーで行われた「Paul's Art Collection」。長年に渡って氏が蒐集したコレクションを展示。3/20〜4/18まで、福岡のアルティアムにて開催予定)を見てもわかるかと思うんですけども、沢山の作家の作品があって、それぞれが本当に好きなんです。技法も様々ですし、全く共通点を見つけられないと思うんですが、それこそが自分の頭の中を正しく表現しているんだと思います。
最後に、いつもエネルギッシュなポールさん、その元気の源はどこにあるんですか?
ポール:毎朝泳ぐことですね。あとサイクリング。そういう運動をしつつ、一番大事なのは、いつもハッピーでいること。ハッピーでいると肩も凝らないし、胃も痛くならない。それが一番の健康法です。