vol.19
REEBOK PUMP SYSTEM

祝! リーボック「ポンプシステム」誕生20周年
開発者ポール・リッチフィールドに聞くポンプ誕生の秘密。
1989年に誕生して、昨年11月24日にめでたく20周年を迎えた〈リーボック〉の「ポンプシステム」。その開発者であるポール・リッチフィールドが緊急来日! 原宿のアトモスにて開催されたシークレットパーティにお邪魔して、ご本人しか知り得ない貴重なお話しを聞いてきました。
ポンプシステムは医療器機からヒントを得て誕生しました
―20周年おめでとうございます。今年は世界各地で記念モデルが続々登場していますが、どのような背景から「ポンプシステム」は誕生したのですか?
ポール・リッチフィールドさん(以下ポール、敬称略):初代ポンプはバスケットボールのカテゴリーから誕生しました。当時の選手達に、どんなシューズが本当に必要なのかヒヤリングしたところ、それぞれの足に合わせて自由にカスタムフィットするものが求められていました。その要望に応えるために開発したテクノロジーが「ポンプシステム」だったのです。
―なるほど。ではシューズに空気を入れるという画期的なコンセプトはどこからきたものなのですか?
ポール:私は〈リーボック〉に入社する前に消防士をしていた経験があります。その時、実際に使っていた医療機器のエアギブスからヒントを得て、このテクノロジーは生まれました。
―消防士の経験がなければ、ポンプシステムは生まれなかったということですか?
ポール:そうなりますね(笑)。あと、通っていた大学院で化学の専門教育を受けていたので、薬品や樹脂、素材にもかなり通じていました。その時の経験も生きています。
―制作時に一番大変だったエピソードがあれば教えてください。
ポール:医療器機からヒントを得たものなので、それをどうやってアスレチックシューズに転用するかということです。バスケットボール選手の足にフィットさせて、機能的に完成度の高い型を作り上げることが一番大変でしたね。

アトモスの店内で開催されたシークレットパーティは、シャンパンの乾杯に始まり、終始リラックスムード。お酒を飲みながらお話しが聞けるなんて最高です!
日本のファンには大変感謝しています
―94年に登場したポンプフューリーについての質問です。日本でも人気が爆発し、世界的に見てもシャネルのショーに使用されるなどファッションアイコン的な存在ですが、なぜあのデザインになったんですか?
ポール:シューズの内側にあったポンプのテクノロジーを、外側に出そうという発想から開発がスタートしました。それが最初のきっかけですね。その結果、外見的にも機能的にも、まったく新しいランニングシューズが誕生したのです。
―誕生20周年を迎え、未だに「ポンプシステム」の人気は冷めやまぬといった感じですが、開発当時はここまで世界中へ浸透すると予想していましたか?
ポール:いいえ、まったく(笑)。ここまで世界中の人々に愛されるシューズへ成長するとは正直、思っていませんでした。多くの愛情を注いでいただいた日本のファンの皆さんに、大変感謝しています。なぜなら、当時を振り返ってみるとポンプはすごく奇抜なデザインだったので、他の国ではなかなか受け入れられなかったんです。でも日本のファンは、ファッションアイテムとしていち早く取り入れてくれました。ポンプシリーズの成功は日本のファンなしでは考えられません。これからもよろしくお願いしますね。
―こちらこそ期待しています。
ポール:ありがとう。

94年に登場し日本のスニーカー界に爆発的ブームを巻き起こしたオリジナルカラーの復刻モデル。発売当時は、このド派手なカラーリングと外側についた「ポンプシステム」が新鮮でした。
今年もリーボックが開発するテクノロジーにご期待ください
―ちなみに、現在公開中のポンプ20周年記念公式サイトで公開されている初代ポンプのTVCMですが、とてもストーリーが斬新でビックリしました。双子の兄弟が橋から同時にバンジージャンプして、ポンプシューズを履いている方だけ助かるという(笑)。当時の反響はどうだったんですか?
ポール:とにかく視聴者からの反応が大きくて、驚いたことを覚えています。
―そうですよね(笑)。他社のブランドのシューズを履いていたもうひとりは、川に落ちてしまう......。今では考えられないブラックジョークがインパクト大でした。
ポール:そして公開直後に放送がストップしました。マネする人まで出てきてしまって......。
―映像がリアルだったので、落ちてしまった方は大丈夫かと心配しました。
ポール:そう、当時も同じ問い合わせがありました! でも実際はちゃんと生きていますよ。
―最後に日本のファンに向けて、今後の意気込みをお聞かせください。
ポール:これからもどんどん良いシューズを作っていこうと思っています。いろんなものを蹴散らす勢いで(笑)。今年はポンプのニューモデルが続々登場するのでぜひご期待ください。

壁一面には「ポンプシステム」の最新モデルがズラリと並びました。これだけで、テンション上がりまくりです。
偉大な「ポンプシステム」を開発したポール氏ですが、気取る素振りもなく優しい雰囲気を持った方でした。今年はファンをあっと驚かせるアイテムを仕込んでいるとのことなので、今からその登場が楽しみです。
