俳優 高良健吾 week1

WEEK_1 MOVIE「SORANIN」
映画「ソラニン」について。

際立つ演技力と、繊細な表現力で近年特に目立った活躍を見せる俳優、高良健吾。青春漫画の傑作「ソラニン」が映画化されるにあたりその強い想いの丈を訊いた。

漫画の映画化というと、それをそのまま形にするのはなかなか難しいと思うんですが、「ソラニン」はかなり忠実に原作の世界観を再現できていると思います。その要因とはいったいなんなのでしょうか?

高良:セリフや景色が原作にとても忠実だというのも、もちろん要因の一つだと思いますが、それ以上にスタッフの皆さん含め、関わった多くの人、全員がソラニンを愛しているんだと思います。僕たち役者も、自分のキャラクターが好きで、その思いのまま芝居ができていましたし。

パンフレットにもそういったコメント(映画「ソラニン」の根にあるものは、みんなの「ソラニン」とブレはなく、映画館にあるものだと思います。きっと)を残されてましたね。

高良:僕の中で原作に勝つ、勝たないとかそういうことではないなと思ってました。別物だと思っていましたし。でも、生の人間が演じるんだったら、もっと生っぽくしたいなって。漫画だったら読む人のテンポや、感情もあるけど、映画であればよりこちらから訴えかけることができると思うんです。

高良さんも原作が本当に好きだと伺っていますが、種田を演じるにあたって、何か意識する点はありましたか?

高良:漫画を読んでいる人は種田がどんな結末を迎えるか知っていると思うんですが、種田自身は死に向かって生きていたわけではありません。なので、一つ一つのセリフに意味が無くてもいいのかなって。というのは、セリフに意味があると、種田が死んでいくために、そのセリフを言ったように捉えられてしまいそうで。セリフをそのシーンに置いていく作業っていうのを、いつもやってはいるんですけど、今回は特に丁寧にやりましたね。種田が死んだあとに、「あのセリフはそういう意味だったのか」と観る人によって感じてもらえれば。劇中で芽衣子に言うセリフで、「そん時は、そん時だ」というのがあるんですが、まさにそういった瞬発的な、素直な気持ちで各々のセリフを表現する、そういうことに気をつけていました。

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映画<br/> ソラニン

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映画
ソラニン
自由を求めて会社を辞めた芽衣子と、フリーターをしながらバンドを続ける種田。未来に確信が持てず、寄り添いながら東京の片隅で暮らす二人。だが、芽衣子の一言で、種田はあきらめかけた想いを繋ぐ。種田はバンド“ロッチ”の仲間たちと新曲「ソラニン」を完成させ、レコード会社に持ち込むが、反応のないまま日々は過ぎていく。そんなある日、種田がバイクで事故にあってしまう。遺された芽衣子は……。原作:浅野いにお「ソラニン」(小学館ヤングサンデーコミックス)、監督:三木孝浩(第1回監督作品)、脚本:高橋泉、出演:宮崎あおい 高良健吾 桐谷健太 近藤洋一(サンボマスター) 伊藤歩、(C)浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会 写真:太田好治、4月3日(土)新宿ピカデリー、渋谷シネクイントほか全国ロードショー