監督 小栗旬

映画「シュアリー・サムデイ」について
若者の絆をテーマにした映画「シュアリー・サムデイ」は、爽快で、スタイリッシュで、ユーモアたっぷり。この映画の監督は、あの小栗 旬だ。俳優から監督へ。 小栗 旬のネクストステージに迫ります。
今回が初めての監督作品ですが、率直な感想を教えてください。
小栗:最終的には本当にすごく楽しくて、夢のような体験をさせてもらったなと思っています。でも現場で撮っているときは、「なんでこんなことをやるって言っちゃったんだろう」とって思っていました。
何が一番大変でしたか?
小栗:ほとんど眠れなかったってというのが一番ですね。常に次の日のことが不安にとなって押し寄せてきて、家に帰っても明日が恐くて眠れない、みたいな。
自分で演じるのとは違う緊張ですか?
小栗:全然違いますよ! 役者で出るとそこまで責任もないですし。やっぱり映画って最終的に監督のものという考えがあって、俳優やスタッフがたくさんいても、ジャッジは確実に監督がしなくちゃいけない。そこが「演じることとは全然違うなあ」と思いました。
作品には小栗さん自身の実体験が反映されていたりしますか?
小栗:う~ん。そうですね。反映されてますね。5人組って時点で僕が高校のときにそうでしたし、脚本の武藤将吾さんに、その高校時代の友達のフルネームとキャラクター的なものも伝えさせてもらったので。
ちなみに小栗さんは誰のポジションだったんですか?
小栗:僕はタクミ(小出恵介)のポジションでしたね。
作品の冒頭から"童貞がどーのこーの"と始まって、男子的にはグッと引き込まれますね(笑)。
小栗:はい(笑)。あそこまで下品なの言葉の羅列だとは最初は想像もしてなかったんですけどね。でもやっぱり高校時代から二十歳くらいまでは、そんな話ばっかりしていたと思うんで。今でもしてますけど(笑)。でも、なんかキョウヘイ(勝地 涼)にはすぐに共感できたし、決して下品だとは思わなかったです。僕はこの作品を観た人が、自分の10代~20代を思い出してもらえたら良いなって思いますね。絶対に男性にはクスっと響く部分があるはずですし。
出演者のみなさんは同年代だと思うのですが、監督として演技指導などはありましたか?
小栗:それはかなりさせてもらいました。とにかく僕の思うキャラクターに近づいてもらうために、いろいろとアドバイスをしました。
キョウヘイ(勝地 涼)のキャラクターがヒドイですよね(笑)。あれも小栗さんのイメージですか?
小栗:ハハハハッ、確かにヒドイ(笑)。あれは彼に思いきりテンション上げて演じてもらいました。もう人の話とか全然聞かなくて良いからって言って、好きにやってもらいましたね。
キョウヘイのあの強烈なファッションはどこから来たんですか?
小栗:あれはスタイリストの長瀬哲朗さんが、彼なりに台本からイメージと個々のストーリーを作って用意してくれたんです。例えばキョウヘイがいつも付けてる赤いリストバンドがあるんですけど、それには時計が付いていてニンテンドーと書いてあるんです。キョウヘイはそのニンテンドーと書いてあるのが、「最高にイカしてる」とって思っているとか。そんなストーリーですね。
最後に次回作について。期待してもいいですよね?
小栗:そうですね。ありがたい事にたくさんの方から面白かったとか次回作が観たいと言われていて。自分でも、『シュアリー・サムデイ』が良い作品になったと思うし、次も絶対に作りたいですね。いまちょっとずつプロット作りをしている最中ですね。
いつ頃を期待していいですか?
小栗:それはまだわからんないですねー。俳優の仕事もあるし、やるならちゃんと準備が整ってから納得のいくもので撮りたいですよね。でも、3年後くらいまでに、「またできればいいなあ」と思っています。

シュアリー・サムデイ