良い会社の条件はトップと現場の距離感に比例している。
─アイデアを形にする仕事とは?
日高:遅く出社して、夜遅く帰る。こんな生活をしていても、新しい発想なんて生まれてきませんよね。気がつけば編集者なんてみんなそういう状況なんではないでしょうか? 夜中じゃないと電話がつながらない方だっていますしね。読者と全く違う時間帯で生活していていいはずはありませんよ。その上、自分の時間、好きなことに使う時間がないとアイデアは出てこないから問題。私のアイデアの発想方法は、家まわりの物を買いに行くことかな。そんなに仕事とかけ離れたことではありませんが(笑)。この1年は今まで25年のメンズノンノ編集人生の中で、考えたことのないぐらい考えましたね。それほど、メンズの市場というものに正解がなかったのだと思います。ちなみに、来年の25周年企画もしっかりとアイデアをまとめていかねばです。
佐々木:僕のイメージでは、編集者の方はとてもアイデアの出し方に長けていると思っています。とてもアイデアを重視している仕事で、魅力的です。だから、僕自身も、企画会議はなるべく出るように心がけています。例えば、<ボンジュール・レコード>などでは、まさにショップの中で打合せも行うぐらい。実際に商品を手に取って話もできる。つっこんだ話もできる。良い会社の条件はトップと現場の距離感に比例しているとも考えているので、時間が許す限り出ています。
日高:他の編集者との距離感というところでは、私はとても下手。欠点だと自分で思っています。ただ、アイデアの出し方では、例えば、メンズノンノのある集英社は女性誌の多い会社なので、いま女性誌でやっている手法に身近に触れることができる。それをメンズ誌でやれるメリットはありますね。日本の女性誌がやっていたコレクションのスナップ写真の掲載などは、いまや海外の雑誌でもどこでもやっていること。ヒントやきっかけは、目線を変えれば、とても近くに潜んでいるものだと思います。
佐々木:世の中にいい意味での疑問を持っているというのがクリエーションの源であり、動機となる。あとはアイデアを出して、それをどうやって形にしていくか。アイデアを出すことと、形にすることはまた別のパワーが必要ですよね。僕はそれが情熱であり、フットワークの軽さだと思っています。時代的には、突き抜けたい人には、突き抜きやすい風潮がある。もっとギラギラしてもいいのではないでしょうか。そんな方々と一緒に仕事ができると、面白いし、アイデアも豊富な気がします。
日高:好きなものへのこだわり、何でそれが好きなのかが自分でわからないと、何も進んでいかないものだと個人的には考えています。自分が好きなもの、好きな理由を分かった上で、じゃあ読者だったら、お客だったらどうだろう、何が欲しいだろう、という、'想像力'が豊かであること、これはもっとも必要なことだと思っています。
─最後に日高さんに質問です。もしもJUNで何をやっても良いよと言われたら、何をしてみたいですか?
日高:このアダム エ ロペ ビオトープのようなお店を作ってみたいですね。私だったら、もっと良いお店を作りますよ(笑)。大好きなクラシックな食感のバームクーヘンも是非置いてみたいですね。
佐々木:それは、是非バームクーヘン屋はつくらないと。情熱があれば、何でもできると思います。ちなみに、やっぱり〈ねんりん家〉など、好きなんですか? 僕もたまに行きますよ。
日高:私の場合は、〈ねんりん家〉よりも、もっとクラシックな食べ心地のものを好んで買います。なかなか、バームクーヘンにはうるさいんですよ (笑)。
JUNがアイデアのある人財を大募集。
詳しくはコチラ⇒http://www.jun.co.jp/2020/
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