vol.74
〈WM〉がNYで撮影したルックブックを公開

ショーを急遽中止した〈ホワイトマウンテニアリング〉が
ニューヨークで撮影したルックブックを披露。
3月18日に開催予定だったランウェイショーを、11日に発生した東日本大震災の影響により、急遽中止した〈ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)〉。
ショーを一週間後に控えていた11日、すべての準備はほぼ済んだ状態、18日の開催を待つだけだったとき、あの震災に直面。被災当初は、「電力を使わずに実施しよう」など開催の可能性を探っていたデザイナー相澤氏とスタッフたちも、増えていく犠牲者の数・止まない余震・福島の原発など、日ごと目の当たりにする現状を考慮しショーを中止するという苦渋の選択を余儀なくされました。
「スタッフのみんなが不安な状態でショーを開催しても、100%の良いパフォーマンスは得られない」。それならばと、1月にニューヨークで披露した2011年秋冬コレクションのルックブックを公開することを決意。初の海外展示会用に撮影したこちらのルックブックは、現地ニューヨークにて相澤氏自らのスタイリングによるもの。「あのときは100%の気持ちを込めて作れていたから」と語る相澤氏、「中途半端な状態でお披露目するのは、今まで一生懸命物作りをしてくれていた方々にも申し訳ない」とも。
もちろん、この状態で終了させるつもりはなく、演出家の若槻善雄氏やスタイリストの山本康一郎氏など、ショーの制作チームを再結集し今回のコレクションを映像作品を作り上げ、〈ホワイトマウンテニアリング〉のオフィシャルサイトで公開する準備も進めているそう。
「今回改めて、自分は"ファッション"で最も感情が動くということを再確認しました。だから、ファッションで出来ることを今まで以上の力を込めて実現していきます」と相澤氏。
この悔しさを糧に、より強い志を持って、ファッションに取り組んでいくと前向きな姿勢を示してくれました。
2011年秋冬は、"wilderness outfitters"をテーマに掲げ、ハンティングやサバイバル、ミリタリーなど、男が強く生きていくためのギアを揃えるショップをイメージしたコレクション。〈ホワイトマウンテニアリング〉のコレクションに、より強さを加わえるために「黒」を取り入れたため、今シーズンはハイスペックライン〈BLK〉をいったん休止。「〈ホワイトマウンテニアリング〉で黒い服を作ろうと思ったとき、〈BLK〉との関係性なども含めてイメージがバラバラになるのはイヤだな、と。3年間やってきて、発表するペースなども含めて冷静に考えています。でも、海外などで良い評価を頂いていますので、続けます。今回がナシなだけです」と、その真相も語っていただきました。
映像作品として公開される2011年秋冬コレクションの発表まで、是非このルックブックでご堪能を。

Wardrobeの2011AWコレクションはこちらで公開中。

