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ADAM KIMMEL
2011.06.03
「僕はかねてから、パシフィックノースウェストをテーマにコレクションを作りたいという思いがありました。『ツインピークス』や『リバースエッジ』を観て育った僕は、数年前に、DAN ATTOE(ダン・アトー)という名のアーティストを知りました。彼は、ネオンサインのスカルプチャー作品で知られていますが、僕のイマジネーションを捉えたのは、彼のペインティングでした。瞬時に、そのラギッドで崇高なイメージ――パシフィックノースウェストに引き込まれたのです。彼のバイカー友達であるワイルドでオフロードな道化師たちやPaintallica(ダンが所属するアートグループ)の哲学者たち、その背景にある雪で覆われた火山や、太古のレッドウッドの森……。
僕は、ポートランドへとリサーチの旅に出ました。ダン・アトーを訪れ、彼の世界——グラノーラ・バックパッカーではなく、モーターサイクル・パンク的なアメリカに恋してしまったのです。それはまさに、僕が探していたツインピークス的世界でした。僕は、そこで発見したルックやセンシビリティを本コレクションの基盤としました。このセンシビリティは、様々なアイテムに表現されています。たとえば、スナップボタンを外してジップアップするとロングトレンチコートになる、腰丈のハンティングジャケットや、ケーブルやサーマル・ワッフルのヘビーゴージのカシミアセーター、また、ウォッシュドウール製のスペックル地ブレザーや、キルティング・コットンフランネルのライナーと袖が、ジップで着脱可能なレザー製のモーターサイクル・ボンバージャケットなど。さらに、Tシャツやスカーフには、ダン・アトーのペインティングのモチーフを施しました。また、ウォータープルーフのキルティッド・ピーコートなど多くのアイテムをリバーシブルで仕立てたことで、各ピースに異なる次元が生まれました。ほかにも、フェルトスエードのスケートボードスニーカーや軽量のバイカーブーツ、クラシックなバックルドレスブーツなどにも挑戦しています。 コンストラクションの質、素材の柔らかさ、そして多様なテクニックの観点からも、このコレクションは僕自身、最も好きなコレクションとなりました。全てのピースを着たいと思うほど(同時にではないけれど!)。
ところで……。僕と妻のリリー・ソビエスキーは、クリスマス休暇をダンと彼の家族とともに、ポートランドで過ごしました。そして2日に渡り、リリーと僕は複数台のカメラを用い、オレゴンのダンお気に入りスポットで、本コレクションを象徴するキャンバス地のバイカージャケットを着た彼の姿をドキュメントしました。アーティストの精神という未開の地への、ロードトリップです。」(アダム・キメル)
アダムキメル (ADAM KIMMEL)
http://www.adamkimmel.com/