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英国の自然体カジュアルブランド、 Folkのクリエイションに迫る。 at ROOTS to BRANCHES

2014.05.02

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ノンネイティブ(nonnative)〉や〈ホーボー(hobo)〉を擁する「TNP」がこの春、新しいショップ「ROOTS to BRANCHES」をオープンさせました。そしてこのショップの中核をなすブランドが、イギリスのカジュアルウェアブランド〈フォーク(Folk)〉です。デザイナーの来日に合わせ、ショップとブランド、二つを包括する企画を作ってみました。何とも風通しのいい二つのファクター、その秘密にそっと迫ります。

Photo_Hironobu Sato
Edit_Ryo Komuta

Folkデザイナー、キャソル・マクァティアへインタビュー。

ーFolkのブランドのコンセプトをあらためて教えて下さい。

キャソル・マクァティア(以下、キャソル): 基本のコンセプトはずっと変わっていません。日常着として着るために「シンプル・ベーシック・クリーン」なアイテムであるということ、そしてディテールまで細かく作り込んで、革新的で遊び心のあるものづくりをするということですね。

ー2001年にブランドスタートして、もう13年目ですね。

キャソル: 最初は自分たちの周りにいる友達のために洋服を作りたかったんです。そのときは、専門的な知識があったわけではないので、「やりたい!」という気持ちだけで作っていましたね。そして次第にスタッフも増えてきて、徐々にブランドとしての形ができ上がってきました。

ーお店は今、何店舗ぐらいあるんですか?

キャソル: ロンドンに4店舗あります。

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ー2011 Spring&Summer Collectionから、「TNP」でディストリビューションを始めることになりました。

キャソル: はい。僕らの関係はとても自然な形で始まりました。最初からビジネス的な関わりというよりは、「TNP」のスタッフと〈Folk〉のスタッフが同じような音楽が好きだったので、そんなところから距離を縮めていきました。そんな中知り合いを通じて、取引をスタートすることになったんですが、最初は「vendor」だけで取り扱い、そして3シーズン後にはディストリビューションもお願いすることになりました。感覚として、"仲間"という感じは昔も今も変わりません。日本でビジネスをする上で、「TNP」のことは本当に信頼しています。

ールックブックのスタイリングなどを見ても、英国独特の上品で肩肘の抜けた雰囲気が、どこか「TNP」っぽくもあるような気がするのですが。

キャソル: ウチの会社のスタッフは、洋服だけじゃなくて色々なことに興味を持っています。音楽はもちろんですが、旅を通して得る新しい発見など、そうした部分でスタッフの価値観に共通する点は多いような気がします。なので、もしかしたら似ているところはあるかもしれませんね。

Folk 2014 SPRING/SUMMER COLLECTION
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ーあなたはスコットランド出身ですが、自国の歴史、風土、カルチャーなどからどんな影響を受けていると思いますか?

キャソル: 私の家族は元々アイルランド人で、そこからスコットランドに入ってきました。今現在、拠点にしているロンドンという都市はものすごく国際的で、多くの民族が入り交じっています。そんな中、自分のルーツがスコットランドにあるというのは、色々な局面で感じます。ただ、作っている洋服にはそこまで直接的な影響はないと思っています。

ーベーシックでクリーンなイメージながら、適度なクラフト感、ポップな色使いが特徴で、最近の日本のブランドにはあまり見かけないカッティングだったり、柄などを使っているイメージがあります。デザインインスピレーションはどのあたりから受けているんですか?

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キャソル: ものづくりのやり方として、生地やディテールに関しては細かいところ一つ一つにまでこだわっています。そのために色々な国の工場を使いますし、またコストに関してもシビアに考えています。なので、最善の工場を選ぶためにパーツごとに違う国、工場で生産をしたりしています。

ー特定のアーティストに影響を受けたりもするんですか?

キャソル: そうですね。昔はそうでもなかったんですが、最近コレクションの量がどんどん増えてきたということもあるかもしれません。今季は「ブルータル建築(注:1950年代に見られるようになった建築の形式。冷酷で厳しい獣のような、"すなわちブルータルな"手法を用いた表現主義。荒々しさを残した打放しコンクリート等を用いた彫塑的な表現を特徴とする)」などからイメージを拾っています。

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ーこのシャツなどは、とても特徴的ですね。

キャソル: はい。ファベーラ(注:ブラジルにおいてスラムや貧民街を指す言葉)を遠くから見ると、このような感じに見えるんです。それはまるで(アンドレアス)グルスキーの撮った写真のように。

ーコレクションを見ていると、中間色が美しいという印象を持ちます。ブラックより、ネイビーというような。その点には自覚的なのでしょうか?

キャソル: 最初からブラックをあまり使いたくない、という意識はありました。自分たちが見てきた、80年代から綿々と続くファッションの歴史の中で、ブラックは頻繁に使われすぎていました。ブラック以外でコレクションを構成するというのは、当初はブランドコンセプトのようなことでもありました。あとは、そんな中で明るい赤やピンクなどの色を頻繁に使うことで、他のブランドとの差別化を図ったという面もあります。

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ーところで、「ROOTS to BRANCHES」は〈Folk〉を中心としたラインナップではありますが、ほかにも多くのブランドが揃っています。ショップを見た率直な感想を教えて下さい。

キャソル: 素晴らしいの一言です。自分たちは、〈Folk〉を取り扱ってくれている世界中のお店を見に行くんですが、日本のお店はディスプレイや、ブランドのセレクションがとくに素晴らしいです。このお店も空間、スペースの使い方が素晴らしいですよね。

ー東京のファッションシーンについてはどのような感想を?

キャソル: 日本に来ると、いつもものすごく刺激を受けます。日本の若者はとても細かいところにまで気を配って、ファッションを楽しんでいるように思います。色々なアイデアがありますよね。

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ー逆に、ロンドンのシーン、ファッションについても教えてください。日本ほど細かくキメない、自然体でいるということが、僕らから見たら美しく思えることがあります。

キャソル: ロンドンには、これといって決まったトレンドはないと思います。あったとしても、かなり動きが早いですね。東京はたくさんのムーブメントがあちらこちらでうごめいていますよね。そこが大きく違うと思います。ちなみに〈Folk〉ではつねにトレンドではないことをやるように心がけています。

ー最後です。これで日本にもひとつの拠点ができたわけで、今後の展望というか、やりたいことなどあったら教えてください。

キャソル: キャソル:将来的に日本にオンリーショップを作れたらいいですが、その前にきちんと「TNP」のみんなとコミュニケーションをとって、少しずつ前に進んでいけたらいいなと思います。

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次のページからは、「ROOTS to BRANCHES」を紹介していきます。

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