
ESSENTIALS Vol.2 “SANDALS”
新企画「ESSENTIALS」では、毎月ひとつのアイテムにフォーカスし、さまざまなブランドの”今まさに身に付けたいもの”を集めます。Vol2では、「サンダル」にフォーカス。2016年の夏は、猛暑が予想されているそうで。もちろんスニーカーも良いのですが、足元から涼しげに装ってみてはいかがでしょう。
- Photo_Masaki Sato
- Styling_Masaaki Ida
- Edit_Taiyo Nagashima
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新企画「ESSENTIALS」では、毎月ひとつのアイテムにフォーカスし、さまざまなブランドの”今まさに身に付けたいもの”を集めます。Vol2では、「サンダル」にフォーカス。2016年の夏は、猛暑が予想されているそうで。もちろんスニーカーも良いのですが、足元から涼しげに装ってみてはいかがでしょう。
まずは、スペイン・マヨルカ島の伝統的なシューズ・ブランド〈ヘリュー(HEREU)〉の一足を。1920年代当時、産業革命が進み自動車が島に浸透してゆく中で、使われなくなった頑強なタイヤをサンダルのソールに採用するというアイデアが生まれました。それが原型となり、さまざまな改良・調整を加えられ、現在の形へと繋がってゆきます。アッパーに用いるのは牛革。アウトソールはレザーとゴムのコンビネーション。あらゆる人の足にフィットするオーセンティックなサンダルは、hereu=継承という言葉を冠するに相応しく、時の洗練を感じさせるシックかつラグジュアリーな仕上がり。艶やかな魅力を放ちながら、ハンドクラフトの体温が共存する、稀有なサンダルです。スペイン生産ゆえに異国情緒を放ちながらも、東京の街並みにしっくりと調和する。暑く長い夏が、毎年楽しみになってしまいそうです。
BLOOM&BRANCH AOYAMA 03-6892-2014
〈アイランドスリッパ〉のふるさとはハワイ。なのですが、創業者の本永瀧蔵(タキゾウ)氏は、日本の福島に生まれ、ハワイに移住した後に同ブランドを開始しました。以来約70年。デザインやハンドメイドの生産工程すべてをハワイで行っています。日本ゆずりの職人気質に、南国のおおらかさが混ざり合い、そのコンフォートは機能とムードの両輪で見事に成立しています。足を入れたときの感覚は、言うなれば官能的。足裏をなでるしっとりとしたレザーに心酔してしまいます。美しくアーチを描くフットベッド。そこにあしらわれる質の良いレザー。長年経験を積んだ職人が手がける、アイランドスリッパの心臓部ともいえる美点です。こちらのモデルは昨年の〈ノンネイティブ(nonnative)〉とのコラボレーション・モデルを彷彿とさせる、シャワーサンダル型の新作。ベルクロはフィットの調整が可能ゆえ、多くの人の足元に沿ってくれることでしょう。
GMT 03-5453-0033
毎期コンテンポラリーなシューズをリリースする〈オルフィック〉。オーセンティックかつ未来を感じさせるデザインが、広く支持を集めています。「CG TT」は、同ブランド定番のストラップサンダル「CG」をベースにした新作。ソックライナー+ストラップにより抜群のフィット感を誇り、トゥー・パーツの存在によってよりスニーカーに近い安心感のある履き心地となっています。ソールには〈オルフィック〉オリジナルのEVAシステムを使用。限りなくスニーカーに近いルックスですが、あくまでサンダルらしい開放感も備えています。フェスやキャンプなどのシーンにおいて、つま先が保護されているというのは実は重要なポイント。実に汎用性の高い一足と言えるでしょう。
alpha PR 03-5413-3546
雪駄を日常着に取り入れるのは、すこし敷居が高いように感じます。しかし、よくよく考えてみれば、日本人のルーツとも言えるアイテム。この一足のように鼻緒がデニムに変わるだけで、ぐっとデイリーで洗練された面持ちに変わります。バンブーの清涼感は、これから訪れる夏に最適。かかとが乗り切らないくらいのサイズで履くという作法はしっかりと守った上で、普段着にさらりと取り入れてみてはいかがでしょう。近頃東京の街で良く見かけるオープンカラーシャツに合わせたり、古着のTシャツやデニムに合わせたり。想像以上に調和してくれるあたり、雪駄と日本人との縁の深さを感じます。言わずもがな、浴衣や着物で花火を見に出かける際のお供にも。四季を慈しむような、まさに風流な一足です。そしてこの驚きの価格とくれば、買わない理由が見つかりません。
OKURA 03-3461-8511
U.S.エアフォースで用いられるホスピタル・スリッパを外履き用にアレンジした、その名も「エアフォースサンダル」。ユニークで無骨なバックボーンに反して、その快適さは折り紙付き。もともとアウトソールまで含めてまるごとコットン製のところ、特殊な処理を施したオリジナルスエードをアッパーの表・裏に配し、アウトソールは信頼と安心のビルケンシュトック製。ストラップを足首に巻き付けることで、安定性とアクセントをもたらしてくれます。既存のモチーフを発掘し、それを現代的に再構築する。というのはものづくりの常套手段ではあるのですが、この一足に関しては元ネタの選定も、アレンジの具合も絶妙。他と一線を画すデザインはきっと誰ともかぶりませんし、ルーツに思いを馳せるのもまたよし、です。
GALLERY OF AUTHENTIC 03-5412-6908
丸みを帯びた独特のフォルムからは想像できないほど、その履き心地と安定感は他の追随を許しません。スウェーデンの老舗クロッグメーカー〈トロエントープ〉の一足。クロッグとは木靴の一種で、木や厚いコルク底に革や布の甲をつけたサンダルを指します。「サボ」という名称のほうが馴染み深いかもしれません。インソールは足型に沿った設計で、ソールには軽く安定性の高いポリウレタン素材を使用。スウェーデンでは、その安定感と履き心地から、さまざまな立ち仕事のプロたちに支持を得ています。素材やアッパーデザインなど、さまざまなバリエーションが揃いますが、こちらは最もスタンダードなモデル。実際に足を通してみると、その履き心地と、カジュアルなウェアとの相性のよさに驚くはず。特徴的なルックスを犬猿していた方にこそ、一度履いて、鏡の前に立っていただきたいです。
NEPENTHES 03-3400-7227
「レザーサンダルの頂点」という名声を欲しいままにする〈ユッタ ニューマン〉。
ドイツ生まれの女性デザイナーによるブランドで、1994年ニューヨークにて創業。最高品質の革と熟練のハンドメイドの技により、独創的かつ普遍的なサンダルを提供しています。同ブランドの特徴といえば、この湾曲したソール。職人が手作業で仕上げるその曲線は、土踏まずにしっかりとフィットし、履き続ける中で足の形に合わせて変化を遂げて、唯一無二の履き心地をもたらします。上等なレザーは、歳月を重ねるほど年輪のように魅力を増し、ヌメ革の色がつややかに濃くなった頃にはなくてはならない存在になっていることでしょう。サンダルという道具に求められる機能と美しさがいずれも高水準にある、まさしく頂点に相応しい道具です。
Pilgrim Surf+Supply 03-5459-1690
〈テバ〉といえばスポーツサンダルのハリケーンが有名ですが、この「マッシュⅡ」はベスト・オブ・コンフォートと呼ぶに相応しい逸品です。足を優しく包み込む、ふわふわとした今までにない履き心地。Tevaオリジナルの低反発クッションソールの実力は、想像のハードルをやや越えてくれるでしょう。履けば履くほど、自分の足形に馴染み、快適性を増してゆきます。鼻緒タイプのサンダルを苦手とする方にこそ試していただきたい一足。非常に軽量なので、持ち運びにも最適。アフター・アクティビティの足を労わる役割も、十分に果たしてくれることでしょう。ビーチ・サンダルの概念が、きっと一気に変わりますよ。
デッカーズジャパン 0120-710-844
斬新なアイデアに基づいたファブリック使い。そして他と一線を画す世界観が魅力のシューズブランド〈ミソグラフィー〉。今回は、古着のアロハシャツをリメイクしたサンダルをピックアップ。シャツをそのまま切って繋ぎ合わせているので、徐々にほつれが出てきます。ヴィンテージを適切に料理し決して奇抜ではない、オーセンティックな味わい深さに着地させるあたり、バランス感に優れたブランドと言えるでしょう。派手な総柄シャツに合わせるのもいいですし、白いTシャツと色の褪せたデニムの足元にも映えそうです。夏という季節を一等楽しく演出するサンダル。足元はもっとも目に入る部分でもあるので、こんな一足で気分を盛り上げていきたいですね。
HEMT PR 03-6427-1030
〈ナカムラ〉のレザーサンダルは、足立区江北にある工房で、中村夫妻の二人三脚でつくられています。オーダーでの生産が基本ですが、工房に並ぶサンプルが、足と気分にぴたりと合うのであれば、そのまま購入することもできます。こちらでご紹介するのは、ダブルリングの型にスエード素材を合わせた一足。2.5ミリ厚のベジタブルタンニンなめしのヌメ革に、防水のワックスを塗りこんだ裏面をあえて表に使用することで、タフな登山靴のような風合いに。ベースとなる型はダブルリング含めて3型あり、ヌメ革の表側や、ヌバックレザー、ベロアレザーなど、約10色の革の中から気に入った素材をチョイスできます。ショップで試し履きをして、サイズや色を決めてオーダーすれば、今なら一ヶ月ほどで完成するとのこと。ワイズ幅やレザーストラップの長さまで細かく調整することができるので、ここはやはりオーダーを推したいところ。顔がそれぞれ違うように、足もまたそれぞれ違う形をしています。あなたにとって正しい一足は、ここにあるのかもしれません。急げばまだ、夏に間に合います。
nakamura 03-3898-1581
東京都足立区江北4-5-4 2F
http://www.nakamurashoes.com/
ます目を引くのは印象的な鼻緒のフォルム。履いてみて納得。指から足の甲までぴったりとフィットし、ふんばりが効きます。花緒部分には水着などで使用される、摩擦に強く伸縮性に優れた素材を採用し、親指と人差し指の間にあたる「前ツボ」部分の素材には、哺乳瓶の乳首に使われる特殊ゴムを使用。足先の動きに合わせて柔軟に変形し、スムーズな動作を助けます。こうした構造がはき心地の面で一役買っているというわけ。硬いアスファルトに負けない弾力と耐摩耗性を誇るゴム底や、足裏に優しい天然素材の特殊コルクなど、このミニマムな一足には長くすこやかに履き続けるための「思いやり」が詰まっているのです。それはきっと、京都・祇園のきめこまかなおもてなしの精神を宿らせているのでしょう。日本が誇る履物の現代型です。
祇園ない藤 mana PROJECT 075-541-7110
今回ご紹介する中で、ある意味最も個性的なサンダルかもしれません。アイデアと職人技術の両輪によって、レザーアイテムに新たな潮目を生み出した〈エンダースキーマ〉と、あの〈カリモク家具〉とのコラボレーション。「足の形に良く馴染み、素材をそのまま活かした木のソールを作りたい」。そんな思いが具現化されたソールは、メープルの無垢材を三次元的な形状に加工し、足裏に絶妙にフィットする仕上がりに。古来から日本人の足元を支えてきた「下駄」のモダナイズともいえるような一足。すべすべとした木目の心地良さを、ぜひ素足で感じてみてください。なお、「シボネ青山」にて、6月25日(土)〜7月3日(日)の期間にこちらの特別展示イベントが行われます。こちらのサンダルだけに限らず、〈エンダースキーマ〉のアイテムが数多く並ぶそうです。貴重な実物に触れるチャンス、お見逃しなく。
Hender Scheme
03-6317-7470
http://henderscheme.com
ベアフットランニングと呼ばれる、”素足に近い感覚でのラン”用のサンダルです。ワラーチというプリミティブな形がベアフットの代表格としては広く知られていますが、〈ゼロシューズ〉のこちらはより現代的な面持ち。過酷なコンディションに耐え抜くことを想定して設計されているゆえ、超軽量かつコンパクトで、その開放感のある履き心地はまさしく裸足の感覚です。濡れた岩でも滑らない独自開発のラバーソールが抜群のグリップ力を誇り、ヒールカップとストラップのおかげで足との一体感を担保。そもそもトレイルなどの悪路を想定してつくられた、本気の「ギア」ではあるのですが、切れ味鋭いソリッドなルックスは、美しいカッティングのシャツやワイドパンツと合わせても映えるでしょう。折り畳んで持ち運ぶことも可能なので、夏のさまざまなシーンの守護神として、ひとつ持っておきたいシューズです。なんせ5000マイル走行保証をうたっているらしいですから。
アートスポーツ・ODBOX渋谷店 03-3770-7887
ダブルモンク・ストラップのレザーシューズをベースに、トゥとサイドを大胆に切り取ることでサンダルへと仕上げた独創的なデザイン。一度手にとって眺めていただければ、その大胆な意匠を支える造り込みの細かさ、繊細さに気付くはずです。黒に近いネイビーのグレインレザーが重厚感と品を醸し出し、マッケイ製法の美しいコバと相まって、品格さえ漂わせます。返りのよいレザーソールと、前足部のインソールにクッションが入っているため、素足で履いても柔らかな履き心地。後ろからの面構えは革靴そのもの。実物を手にとって眺めてみると、この金額さえもリーズナブルだと感じてしまうほど。アスファルトやビーチよりも、星のついたレストランのつややかな絨毯に似合いそうな、唯一無二の存在感を放つ逸品です。
L’ÉCHOPPE 03-5413-4714