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THE REASON. アドミラルを履くべき理由。 Vol.02 Stylist 池田尚輝

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1914年、イギリス海軍の制服ブランドとしてスタートした〈Admiral(アドミラル)〉。1970年代にスポーツとの関係性を深めることで国外からの注目も集めることとなり、世界的なシューズブランドへと成長を遂げた。現在、ここ日本でも多くのショップで取り扱われているが、支持を集めるその理由とは如何に。第2回目は、スタイリストの池田尚輝氏が登場。着こなしのプロである池田氏の目に、このブランドのアイテムはどう映ったのだろうか?

Photo_Kazuhiko Tawara
Edit_Yuichiro Tsuji

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池田尚輝 / スタイリスト
'00年よりスタイリストとして活動。 '05年渡米(NY)。帰国後はGQ,Pen,UOMOなどの雑誌、ブランドカタログなどファッションを中心にCM,広告、著名人のスタイリング、ブランドコンサルティングなど幅広く活動している。

スニーカーは着こなしの可能性を広げてくれる。

ーここ数年、スニーカーの人気は衰えることを知りませんが、そもそもこのスニーカーブームが起こった背景を池田さんはどう分析していますか?

池田:ファッションと並行してライフスタイルを充実させよう、という流れがあると思うんですが、その影響が強いんじゃないかと考えています。生活にオーガニックを取り入れたり、コーヒーにこだわったりと、ライフスタイルのコンフォート(快適)なムードが高まっていて、その一環でファッションのトレンドもいい意味で力の抜けたスタイルが台頭してきた。シューズに関して言えば、毎日気張って革靴などを履くよりもスニーカーを履いた方が等身大の自分でいられる、そう考える人が多くなっているんじゃないかと思います。

ー池田さんご自身もスニーカーを履く機会は増えましたか?

池田:増えました。以前、といってもだいぶ前は雨の日や移動が多い日だけスニーカーを履いていました。でもいまでは何もない日でも普通に履いていますから。「なんでだろう?」と考えたときに、いま話したようなことが思い浮かんだんです。

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ー着こなしを考える上で、スニーカーと革靴の役割にはどのような違いがあるのでしょうか?

池田:シューズはコーディネートの土台になる部分なので、革靴を履くのとスニーカーを履くのでは、着こなしの意味合いがだいぶ変わってきます。例えばセットアップスタイルにスニーカーを合わせると、装いがユーモラスになる。一方でGジャンなどを着たカジュアルなスタイルでも、モンクストラップの革靴や茶色いレースアップシューズを履くだけで着こなしの雰囲気が急にドレッシーになりますよね。

ーシューズは着こなしの方向性を示唆するんですね。

池田:スポーティであったり、リラックスしたムードをつくってくれますね。いま話したようなセットアップスタイルでも、スニーカーを履くだけでカジュアルなアイテムを取り入れやすくなるんです。Tシャツだって合わせやすくなるし、デジタル時計もなじむ。そういった導入的な部分で広がりを出してくれるのが、スニーカーのいいところだと思いますね。

無駄な装飾のないシンプルなデザインがいい。
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ー池田さんご自身は普段はどのようなスニーカーを履かれるんですか?

池田:ローテク系のオーセンティックなアイテムなど、表情があまりないものが好きです。デザインが強い、いわゆるハイテク系のスニーカーはあまり履きません。コーディネートしたときに足元だけが目立ってしまうので。

ーコーディネートに馴染むスニーカーが好みなんですね。

池田:そうですね。そういう視点で〈アドミラル〉のスニーカーを眺めると、無駄なデザインがないのでコーディネートの邪魔をしないし、ウェアの存在感を引き立ててくれる。だから仕事でスタイリングを組むときも、すごく重宝しているんです。

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ー〈アドミラル〉というブランドに対してはどんなイメージを抱いていますか?

池田:はじめて見たのは90年代末くらい。オアシスに代表されるブリットポップの流行に紐づいて、イギリスのスポーツブランドが日本へこぞって入ってきたときだったと思います。その中のひとつに〈アドミラル〉があったんです。だからイギリスのブランドという印象は頭の中にあります。

ー音楽やスポーツとの関連性の中で日本に入ってきたんですね。

池田:でも、当時は情報がない時代だったので、ブランドの背景などよくわからないまま見ていたんです。だからイギリスということが思い浮かぶ以外は、ある意味でイメージはニュートラルかもしれませんね。

次のページでは、〈アドミラル〉の魅力を語ります。

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