ーアイテムのラインナップをご覧になられて感じることはございますか?
池田:先ほども話しましたが、デザインがシンプルなところに魅力を感じます。プレーンで、どんな着こなしにも合わせやすい。作りもしっかりしているので、安っぽくないところがいいですね。
ーシンプルなアイテムは他のブランドからもたくさんリリースされていると思いますが、お仕事のスタイリングなどで〈アドミラル〉をよく使われるのはどうしてなんですか?
池田:これも先ほどの話と重複しますが、〈アドミラル〉に対するイメージがニュートラルだからかもしれません。例えば、誰もが知っているようなブランドにはある程度固まったブランドイメージがありますよね? アスレチックブランドならスポーツ、スケートブランドならストリート、といったように、ブランドの背景が見える分、それが象徴的なイメージになってしまう。でも、〈アドミラル〉にはいい意味でそれがないんですよ。
ー確かに〈アドミラル〉は、かつてはスポーツとの関連性が深かったにしろ、いまはそういったイメージが薄まっていますね。ひとつのシューズブランドとしての認知度のほうが高いと思います。
池田:だから〈アドミラル〉を履くことで、着こなしがスポーツに寄ることもなければ、ストリートによることもない。裏を返せば、スポーティな着こなしにも合わせやすいし、ストリートな着こなしにも合わせやすい、ということになるんです。
ーなるほど。
池田:もちろん、スタイリングでスポーツやスケートなどの背景を見せたいときに、先ほどのアスレチックブランドやスケートブランドのアイテムを使うことはたくさんあります。でもその背景が必要ないときもあるので、そういうときによく〈アドミラル〉を使いますね。
ー今日の着こなしはどんなことを意識されたんですか?
池田:今シーズンはジョガーパンツが気になっているんです。でも生地がスエットだとどうしても運動着っぽくなってしまうので、そうならないように全体の配色や素材感で上質な雰囲気に仕上げています。フォルムはスポーティだけど、見た目はシックに。
ーそこに、スエード素材で単色のスニーカーを合わせると。
池田:スエードはウールのボトムとの相性がいいし、落ち着きがあるので。ウェアが重厚感があるから、色はクリームにして少し明るさを出しています。単色のシューズなので、ウェアのシックな雰囲気を壊すことなく、足元だけ軽快にしてくれるんです。
ー読者が履きこなす場合はどんなところに注目したらいいでしょうか?
池田:アッパーとソールの配色を意識してコーディネートすると良いと思います。配色が別々の場合、そこがひとつのデザインポイントになるので、着こなしがカジュアルになるんです。逆にカラーリングが単色の場合はソリッドでストイックな印象があるから、足元だけアクティブにしたい、というときに使うといいかもしれません。それさえ押さえておけば、あとは自由に履けると思います。どんな着こなしにも違和感なく溶け込むのが〈アドミラル〉の魅力なので。