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CONVERSE TOKYO ONE 落合宏理が語る「コンバース」というブランド、「トウキョウ」というカルチャー。

新しいチャレンジを取り入れたコレクション。

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ー〈コンバース トウキョウ ワン〉の服作りのプロセスを教えてください。

落合:まずはインラインにあたる〈コンバース トウキョウ〉のコレクションを拝見しました。スタイリストの野口 強さんがディレクションした明確なビジュアルがあったので、その世界の延長線上で僕のクリエイションを表現しようと漠然とイメージしたことから始まりました。

ー〈コンバース〉のアパレルというと量販的なイメージがついて回ります。

落合:それはまったく気にしなかったですね。そういったネガティブなイメージはインラインのコレクションで完璧に払拭できていたので、安心して自分のやるべきことに集中することができました。

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ーファーストコレクションのテーマ「東京の儚さ、孤独感」について教えてください。

落合:今回のプロジェクトを進めるにあたって最初に頭のなかに見えたのが、ガス・ヴァン・サントの映画に出てくる少年たちの姿でした。作品でいうと『エレファント』や『パラノイド・パーク』。ガス・ヴァン・サントはユース・カルチャーを表現するのがとにかくうまいし、出演する少年たちの足元は〈コンバース〉のスニーカーを履いてることが多いのもイメージとして繋がったポイントだと思います。

ーなるほど。

落合:そういった少年たちの強さと弱さと、賑やかな反面儚くて孤独な東京の街に共通点が見えてきて…。テーマとして「東京の儚さ、孤独感」という言葉を導き出しました。

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ーコレクションの見所はどんなところにありますか?

落合:基本的にオーセンティックなアイテムをベースにしているんですけど、随所で新しいチャレンジを取り入れています。アメカジの王道を変化させたり、かけ合わしたり、こねくり回したり。そこに〈コンバース〉の象徴であるスターのモチーフを合わせて。MA-1なんかはシーズンを象徴するアイテムに仕上がりました。

ーMA-1はすごく落合さんっぽいデザインだと思います。

落合:MA-1とバンダナとオールスターを組み合わせて、かっこ悪くなるわけがないんですよ。こういうベタなアメカジ的要素を〈コンバース〉のカルチャーと組み合わせてどう表現しているのか。推測しながら見てもらえると、いろいろとおもしろい発見があると思います。

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ー歪みのあるブランドロゴも印象的です。

落合:ZINEやフライヤーで見られる、手作業ならではの印刷のズレってあるじゃないですか。ぼくはそういった細かい部分に格好よさを感じることに、東京っぽさがあると思うんです。ストリート的というか、インディペンデント感があるというか。

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