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Cote & Ciel –Creative Director‘s Interview-

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ph:Cote & Ciel

ーそんな中でも、ブランドを代表するモデルといえば“Isar Rucksack(イザールリュックサック)”が真っ先に思い浮かびます。あの斬新なデザインが生まれた経緯を教えてください。

ブランドの1stモデルとしてリリースされたあのバッグは、「折り紙」からインスパイアされました。元々は折り畳むという構造がキーポイントになっているんですけど、ふとインドネシアのある写真を見た時に、そこに写っている人々が何かを背負っていたんです。トラディショナルなカバンのようなものだと思いますが。その光景は、まるで身体とバッグが一体化しているように見えました。バッグ単体が目についたというよりは、人とカバンが一体化されているイメージがそこで思い浮かんだんですね。それで、「折り紙の構造」と「身体と一体化している様子」をミックスした結果誕生したのが、“Isar Rucksack”。頭から脚までが曲線のみで繋がった、流れるようなシルエットにこだわりました。

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ーインスピレーション源が折り紙とは意外でした。他にも日本のプロダクトから影響を受けたことはありますか?

これといった具体的ものはないのですが、〈デノン(DENON)〉や〈テクニクス(Technics)〉といった機材は常に身近にありましたよ。日本の製品がすばらしいのは、タイムレスなところ。昔に作られたものでも、10年20年と経ったときにモダンに感じられる“何か”があるのだと思います。例えば、70年代に建てられたであろうビルに入っても、今だにモダンに感じることができる。日本のプロダクトの中には伝統的なものと先進的なものがありますが、どちらもたくさんのディテールを加えながらも、最終的にはシンプルにまとめるというスタンスが、日本の独特なモノ作りの根幹にあるのではないでしょうか。

ー〈コート エ シエル〉のバッグにも、タイムレスというワードがぴったりだと思います。

僕の場合、プロダクトをイメージする際に最もベースにあるのは実は“アーキテクチャー”という概念なんです。ファッションは短いスパンで流行がどんどん変わっていくけど、建築は一度建てたら何十年、もしくはそれ以上長くそこにあり続けるもの。僕の生み出すデザインも、そういう建築のように何年経っても飽きが来ないものになるよう努力しています。実は、ファッションよりも建築が好きで(笑)構造だったり機能を優先するのは、建築的に考えているからなんだと思います。

ーちなみに好きな建築家は?

うーん…。たくさんいるのですが、強いて挙げるならばヘルツォーク&ド・ムーロンです。日本だと〈プラダ(PRADA)〉の青山店を設計した人と言えばピンとくるかな。他には北京のオリンピック会場“鳥の巣”とか。日本の安藤忠雄も大好きな建築家の一人で、みんなスケールの大きい作品を作る建築家ですよね。その建築を目の前にしたとき「ワォ!」って叫びたくなります(笑)

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ーそれでは最後に、ブランドの今後の展望を教えてください。

普段からすごい先の未来は考えないようにしていて、今は2年間というスパンで計画を立てています。まずはこの3ヶ月以内に、レザー仕様のバッグをリリースします。そのデザインやらで今大忙しなんですよ。それから、ウィメンズのアイテムももっと出したい。ガールフレンドがあれもこれも欲しいというので、女性らしいデザインのバッグを展開していきます。あとは、ポップアップショップを世界中に出店したいんです。今はセレクトショップに置かれた限られた商品しか見ることができないと思うのですが、全てのラインナップが集結したショップを作ることができればなと。すでに具体的な計画も進んでいて、ニューヨークやパリ、LA、香港に出店を予定しています。来年には原宿でもポップアップショップを開催する予定なので、楽しみにしていてくださいね。

ーその際には、フイナムでもぜひご紹介させてください。ありがとうございました。

UNBY PR
電話:03-6434-0709


http://www.coteetciel.jp/
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