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食って出す、それが全て。どついたるねんの特別講座 〜美學校での夏休み〜

なぜ、どついたるねんを講師に招いたのか?

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今回のプロジェクトの発起人ともなった古藤さんに講義終了後、少しだけお話を聞いてみました。古藤さんとどついたるねんの出会い、そしてなぜ今回の講師にどついたるねんを起用したのか。大成功で幕を閉じた特別講座の裏側に迫ります。

ーまず、そもそもの古藤さんとどついたるねんの出会いを教えてください。

古藤:YouTubeやライブハウスにあるフライヤーなどで存在は知っていました。 2013年に行った「BETTER NEVER THAN LATE」というアートショウで会場スタッフとして手伝ってくれたのがメンバーの山ちゃんでした。その後、ライブに誘ってもらったりして深みにはまっていきました。

ー「外道ノスゝメ」でどついたるねんを講師として起用した理由やきっかけはなんだったんですか?

古藤:僕と美術家の松田修で行っている「外道ノスゝメ」という講座は、現代を様々な角度から考証し、ハミダシ者として表現を創造していくことを目的としています。そんな中でどついたるねんの度肝を抜く規格外な制作と、その裏側を僕自身も知りたいと思ったのが始まりです。

外道ノスゝメから見ると、どついたるねんは完全にハミダシ者の表現者です。それからどついたるねんと打ち合わせを重ねていくうちに、単なるワルノリやバカ騒ぎだけで活動を行っているのではないことが理解できるようになりました。

臆せずただひたすらに作りまくって世に出す。彼らにとってその行動原理は食って出すという排泄という生理現象にも似た自然な行為なのです。悩んでる暇なんてないんです! 常人には到底真似できません。

そんな彼らのひたむきなベラボウさの根底には「食って出すそれが全て」というワードが見えてきました。そして1970年から86年まで美学校で講師をなさっていた赤瀬川原平さんの「超芸術トマソン」という概念になぞらえて、我々もどついたるねんの概念を打ち立て、そこを軸にどついたるねんを検証をしながら創作の根源を講義していこうとなったわけです。

そもそも「食って出すそれが全て」とは、メンバーの鵜飼君がその昔バイトをしていたスカトロ専門のビデオ店で、彼が書いたポップに由来します。そこでビデオ店の名前が「スラム」と言うところから、どついたるねんの概念を「スラム」としましました。「食って出すそれが全て」これがスラムや!!! と。素敵じゃないですか。

そんな彼らに密着している映像作家の岩淵弘樹監督も登壇してくださるということで、今回は更に深い授業になりました。実際に授業中も撮影・編集を行い授業終了時には一本のPVを仕上げてしまうのですから。このスピード感は、生で目にするとさらに驚かされました。

ー古藤さんの思うどついたるねんの魅力はなんでしょう?

古藤:ピュアであるがゆえに誤解されることも多いと思いますが、驚異的な行動力に裏打ちされ、場数をこなす度に進化をしている部分ですよね。一片をみて好き嫌いを判断できないのも魅力なんだと思います。

ー今後は外道ノスゝメでなにか新たなプロジェクトや展望などはあるのですか?

古藤:我々の外道ノスゝメでは、 秋に行われる松田修の個展で生徒達の作品を発表する予定です。それと某ビデオレンタル店用にホラー映画を製作する予定もあります。今後もどついたるねんを見習い「食って出すそれが全て」これがスラムや!!! の精神でどんどん外道していきます。期待してください。

koto.jpg 古藤寛也
1974年生まれ。千葉県出身。DOMMUNEで配信されている超前衛偉人列伝プログラム『超前衛鼎談』の企画・構成や篠原有司男「芸術の力が世界を変える」展、「BETTER NEVER THAN LATE」展などのプロデュースを行っている。

松田修
1979年生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修了。映像、立体、絵画とジャンルを問わずに様々な技法や素材を駆使し、社会に沈潜する問題を浮上させる作品を制作している。近年ではバルセロナで行われた「The Influencers festival 2014」のトレーラーへの映像提供も行う。

IMG_0015.jpg 『外道ノスゝメ』
現代美術講座で2015年より新設された教程。講師は美術家の松田修と古藤寛也さん。現代を様々な角度から考証し、はみ出し者として表現を想像していくことを目的に授業を進め、「サーチ&デストロイ」を強く意識し、学校教育では教えられないことを存分に取り入れながら、強い表現とは何か?を日々模索している。

bigakko.gif 美學校
東京都千代田区にある美術・音楽・メディア表現の学校。1969年2月に現代思潮社の石井恭二、川仁宏らによって設立される。
bigakko.jp

最後にどついたるねんに一問一答。

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ー今回の講演を終えてみて感想は?

楽しかった。人前でおちんちん出せてよかったです、包茎・イズ・アート。

ーどんなイメージや想いを持って挑まれたのですか?

ドキドキしてました。

ー表現したいことや伝えたいことなど、達成できた感はありますか?

各々表現したいことをできたんじゃないかなと思います。まあどうでもいいんですけどね。

ー実際に学生の方やファンと触れ合って見てどうでしたか?

学生の中に19歳の男の子がいたのですが、終わった後に喋ってみたら、全然伝わってなかったのでぶん殴りました。 25歳くらいの女の子はその後、ライブにもきてくれて嬉しかったです。

ー講演が始まる前と終わった後でなにか変化はありましたか?

雨が降って、キムチ臭くなりました。

ー今後の活動やクリエイションの展望をお聞かせください。

ピザ屋開業か、ストリートへのプロップスを捨て去った活動。

ー最後になにかインフォメーションがあればお願いいたします。

最新アルバム「ミュージック」が絶賛発売中です。

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価格:2,484円(税込)
TRAIN TRAIN RECORDS

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どついたるねん
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