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Interview with Frank Leder 生粋のアルチザンデザイナー、 フランク・リーダーのものづくり哲学。

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ー日本にはよく来るんでしょうか?

4ヶ月ほど前に来ました。実は非公式ではありますが、だいたい年に2回は来ていると思います。マーケットと密にコンタクトをとって、その都度自分のブランドのアイテムの見え方をアップデートしていくことがすごく大切だと思っているんです。細かくいえば、お店でどのようにディスプレイされているかとか、そういうところにまで気を配っています。

ーなるほど。以前ドイツで対談取材をお願いしたことがあるのですが、あらためてブランドが始まった頃のことを教えてください。

僕は学生のときにロンドンにいて、2000年にセントマーチンという学校を卒業したんですけど、それよりも少し前にブランドを始めました。若手のブランドをよく扱っている「The pineal eye 」というセレクトショップが最初の売り先でした。そういえば、そのショップではニコラ・フォルミケッティが働いていましたね。

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ーすでに15年以上の歴史があるんですね。ブランドを続けていく上で変わらないことと、変わったことを教えてください。

色々変わりましたね。最初に洋服作りを始めたときは、何から手をつけたらいいかわかりませんでしたし、例えばファブリックひとつにしても、どこでどのように作ったらいいのか、何もかもが手探りでした。すべてにおいてそういう感じだったので、プロダクションに関して言えば、あらゆる面で変化はしていると思います。逆に変わらないところとなると、シルエットやクオリティなどに対する自分の感覚は、始めた当初からまったくブレていません。

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ークリエイションのやり方としてはどのような順番で進めていくんでしょうか?

僕の場合はファブリックからスタートします。ありものの生地を探すのにまず2〜3週間くらいかけて、そこから徐々にシーズンテーマとマッチさせていく、というやり方ですね。

ーオリジナルでファブリックを制作することもあるんですか?

はい。そこに至るまでには、何年もかかりました。いま一緒にやってるファクトリーは家族創業のところが多くて、長い歴史を持っているところが多いです。なので、以前作っていたファブリックのアーカイブがたくさんあるんです。それを、〈フランク リーダー〉用にアレンジして、作りなおしてもらったりしています。機械は当時と同じものを使っているので、なんともいえない風合いになるんです。ただ、先ほども言いましたが、ここまでの信頼関係ができるまでにはかなり長い時間がかかりました。

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ー工場はドイツ国内が多いんですか?

そうですね。一部のリネンジャージなどをベルギーの工場で作っていたりもしましたが、僕が使っているほとんどの工場はドイツにあります。どこの国々でも直面している問題だとは思うのですが、国内の古い工場がどんどんなくなってきてしまっているので、地元の工場と一緒にものづくりをするということは、とても大切なことだと思っています。

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