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alternative concept shop 旅人たちの立つ場所。最高の売店「FROM WHERE I STAND」が福岡に堂々オープン!

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ーこのお店を作るにあたって、1年近く福岡に通ったそうですが、人や街の印象を教えてください。

水谷:この街には文化というかインディペンデントなスタンスで物を作っているひとたちがたくさんいます。それは〈フジト(FUJITO)〉もそうだし、「プラセールワークショップ(Placer Workshop)」の内田くん、あとはKYNE(キネ)くんという女の子の絵を描いているグラフィティーアーティストとか。僕らがお店をやるからということで、かしこまった感じじゃなくて、普通に友達になるってような感覚で、お互いに「面白いね、じゃ一緒にやろうよっていう感じなんです。地元の人だから一緒にやんなきゃっていう意識も全然こっちにはないし、すごく自然な流れで結びついていきました。

ーお店のなかには地元の作家さんが作ったクラフトなどもありますが、ことさらにその地元感を押し出していないのが新鮮でした。地方でお店をやるとなると、地元の人を入れるということが前提にあるようなイメージがあったんですが、もっと自由なスタンスで気持ちがいいですね。

水谷:自分達が本当に面白いと思うものが何なのか。福岡に行ったら、一緒に飲みに行けるような友達にしか頼んでないので、その辺の純度は全然濁ってないですね。

中室:マーケットに関して言うと、福岡ではマスマーケティングをすると結構難しいという話はいろいろなところから聞きました。例えば高いものにお金を使わないとか、ご飯屋さんが安いからまっすぐに家に帰らないで、飲み食いにお金を使っちゃうみたいな。とにかくあまりポジティブな話は出てこなかったんで、途中からマーケティングしてもしょうがないなって。さっき太郎さんが言ったように、コアで志を持ったひとたちがたくさんいるので、そういうひとたちを絡めて、新たにマーケットを作っていく作業の方が正しいねという話になりました。

ーなるほど。あとはショップの壁面を使ったギャラリースペースについても聞いておきたいです。

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水谷:旅先ではいろんな都合のなかで動かなきゃいけないので多くの場所には行けないこともありあます。面白いものは全部一箇所に詰まっていてくれたら助かる。ギャラリースペースを作ったのは、旅先で福岡や日本全国のアーティストに旅先で出会えたら嬉しいし、知りたいという気持ちからです。オープン時には自分と永戸(鉄也)さんがやりましたが、次はKYNEくん、そのまた次は東京のアーティストを呼んだり、と。その辺が混ざり合っていくのも面白いかな、と思っています。

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ーお店なのでずっと続いていくわけじゃないですか。それが大変なところでもあり、楽しみでもありますね。もうお三方にとっては、子供みたいなものですよね。

中室:そうですね。やってるときはかなり大変でしたけど、やっぱりすごく面白かったです。当たり前ですけど、僕ら三人だけでお店が完成したわけではないので、作ったというか、携わったというような感覚に近いと思います。

尾崎:お店に来たら、ぜひ隅々まで見てほしいですね。なんだこのブランド?という飛び道具もあります。普通の人だったら、まず避けているだろうブランドがあったりとか。

ーそんな宝探しみたいな感覚も面白いですよね。話を聞いていて、改めて思いました、やっぱりすごく面白い試みですね。もう一回お店をくまなく見に行ってきます。今日はありがとうございました!


潜在的に誰もが欲しているようなお店を見事に具現化した「FROM WHERE I STAND」。やっていることは一見チャレンジなように見えますが、その実かなりリアリティのあることなのではないでしょうか。この絶妙なバランスがいつまでも続くよう、フイナムは応援しつづけたいと思います。とりあえず、福岡に行ったら絶対に訪れるべきお店だと断言いたします。

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