第一講 栗原道彦
「全身古着ということはほぼないですね。全体のバランスを見てアイテムを選びます」
阿部: 皆さん、お待たせしました。では予定より3時間も遅れてただいま21時過ぎですが(笑)、早速クリ君(栗原氏。以下同)からいきますか。
栗原: 3時間待たせた裕(藤原氏。以下同)からじゃなくてイイですか(笑)?ではまず白系のウエアを。今回は生成りも白として持ってきました。一番推してるウエスターナはセットアップで持ってきたんですけど、阿部さんがセットアップで着てました(笑)。
阿部: ゴメンね。ちなみにこのセットアップで大学の卒業式に出ました(笑)。どういようもないバカ息子だよね(笑)。〈リー(Lee)〉のウエスターナ以外はウエスタコードと〈リーバイス(Levi’s)〉の518?
栗原: そうですね。
阿部: ちなみにお気に入りのポイントは?
栗原: 基本的に白いパンツがいいなぁと思ってたんですが、今って白いアイテムが人気あるじゃないですか。で、このあたりのアイテムも最近ではなかなか見なくなってきたのと、こういった細いシルエットが今の気分というか、やっぱり面白いかなって思います。ちょっと難しいかもしれないですけど、どうせ着るならセットアップがいいなって。
今野: 今ウエスタコードっていくらくらいするの?
栗原: 今ウチで売ってるのは、5.5万円プラスTAXですね。
今野: 一時期に比べたら、だいぶ安くなったよね。
栗原: そうですね。全然見つからないですけど、価格的にはだいぶ落ち着きましたね。
今野: ウエスタコードは、やっぱり生地の雰囲気がイイよね。
栗原: 〈リーバイス〉のピケよりも硬いから、寿命も長くてイイですよね。
今野: そうだね。あとはランダムっぽい畝もイイよね。
藤原: あとはウエスタコードってスリムとレギュラーがありますよね?
今野: え、そうなの??
藤原: デッドのフラッシャーに書いてあったと思いますよ。そのわりになんで全然見つからないんだろうって。
今野: 全然ないよね。ちなみに今、黒のウエスタコードっていくらくらいするの?
藤原: デッドだと40万円くらいですかね。
阿部: へー、そんなにするんだ。
栗原: まぁ、〈リーバイス〉の黒ピケで20万近くすることを考えると、ウエスタコードの黒は高くなりますよね。
阿部: 確かにそうだね。
今野: 実際ウエスターナって今売れてるの?
藤原: いやー、あまり動かないですね。一時期に比べて、かなり値段は下がりましたが、それでも難しいですね。
阿部: 生成りよりはモカとかの方が売れる?
藤原: そうですね。カラーものの方が人気はありますね。
阿部: ではお次は?
栗原: 無地モノです。
阿部: アイテムで言うと、スウェットやTシャツかな?
栗原: そうですね。今でも気になったプリントモノが見つかれば買ってはいるんですけど、気分的に今着ているのは無地が多いですね。あとはこの時季は柄物のショーツを穿くことが多いので、そうなると必然的にトップスは無地になるんですよね。
阿部: 一番左のTシャツはベースボール?
栗原: はい、コレはベースボール用のアンダーシャツですね。
今野: この切り替え、イイよ。
栗原: カッコイイですよね。
今野: あんまり出ない?
藤原: いやー、出ないですねー。
阿部: 何年代くらいのモノなの?
栗原: 多分40s位だと思いますよ。そういえば〈マクレガー(McGREGOR)〉でもありますよね。
阿部: へー、〈マクレガー〉でも作ってたんだね。
今野: 〈マクレガー〉っていつの時代も作りがイイよね。
阿部: 一番右は〈スポルディング(SPALDING)〉だっけ?
栗原: はい、おそらくこれも40sだと思います。
今野: この辺って今っていくらくらいするの?
栗原: ウチなら2万円くらいですかね。
今野: え、今そんなに安いの?
阿部: その金額なら買っておいた方がイイね。
今野: で、このショーツがさっき無地もののときに話してた、柄物のショーツ?
栗原: ハイ。コレ系のショーツを4年くらい前から集め始めました。今日持ってきたショーツだけでなく、家にもまだあるんですけど、一応全体のバランスを考えて、これらのショーツを持ってきました(笑)。
今野: やっぱり丈は短い?
栗原: そうですね。ただ、今ってこのくらいの丈が良しとされているので、全然アリですよ。
阿部: そうだよね。
栗原: これらのショーツはスイム用だからポケットがないのはちょっと不便ですけど、この時期にはかなり使えますよ。丈が短い分、大きめのトップスを着て、バランスをとってます。
阿部: この柄を穿くってことは、ハワイアンも着たりするの?
栗原: いや、ハワイアンは着ないんですよね。ショーツだけです。
今野: ちなみに今日持ってきたなかで、お気に入りの柄は?
栗原: 右上の亀柄か、ちょうど真ん中辺りにあるオットセイ柄の“やる気まんまん”ですかね。
今野: やる気まんまん(笑)??
藤原: この柄、やる気まんまんって言うの(笑)?
栗原: 昔、こんなキャラクターの卑猥な漫画があったじゃないですか(笑)。知りません? やる気まんまんって言えば、40代の人には響くと思うんですけどね(笑)。
藤原: 確かにあったね(笑)。ちょうど『Boon』とか読んでる人には響くよね(笑)。
阿部: 早速とんでもないワードが出てきたね(笑)。ちなみに、これらのショーツを穿く時は、下に何穿くの?
栗原: いや、普通にブリーフとか…
藤原: ブーメランとか?
栗原: ブーメランなんて穿いたら、逆に目立つじゃん(笑)。
阿部: クリ君が、ブーメラン穿いてたら凄いね(笑)。
栗原: 勘弁して下さい(笑)。
阿部: ちなみにこの辺りっていくらくらいするの?
栗原: 僕が売るなら5800~9800円辺りですかね。
今野: そのくらいならイイよね。
栗原: そうですね。ハワイアンシャツとかになると人気の柄は何万円ってするじゃないですか。個人的には、お金を出して高いシャツを買うよりは、手頃な値段のコットン製とかを買った方がイイと思うんですよね。ショーツにしても。
今野: 確かにそうだよね。しかもコットンってイイよね。
藤原: ウチや「フェイクα(Fake α)」でもハワイアンって扱っていて、やっぱり人気がある黒ベースとかってカッコイイって思うんですけど、自分で着るとなるとやっぱりコットンがいいなぁって思うんですよね。
阿部: コットンって人気ないの?
藤原: ハワイアン好きな人はやっぱりレーヨンなんですよね。
阿部: でも日本の気候を考えたらコットンの方がイイと思うけどね。
藤原: マニアの方は柄重視なんでしょうね。でも見栄え的にはやっぱりレーヨンの方がよく見えると思います。
阿部: 最後はレザーシューズ?
栗原: ハイ。仕事をしている時なんかはスニーカーを履くことが多いんですが、やっぱりレザーのシューズって好きなんですよね。今って90年代のモノがリバイバルで流行ってると思うんですけど、個人的にはこの辺りのシューズが面白いかなと思ってます。
今野: 右の〈ウィーバーモカシン(Weaver Moccasins)〉ってまだ作ってるの?
栗原: 確かまた出てたような気がしますが…。
藤原: コレは古いよね?
栗原: 確か80年代とかだと思うけど。
阿部: やっぱり雰囲気がイイね。
栗原: ですね。〈オールデン(Alden)〉とかも好きで持ってるんですけど、もう一発カジュアルなこのくらいのデザインがちょうど良いので好きですね。
阿部: スエードだとカジュアルでイイよね。
今野: 一番左のUチップもイイね。イギリス製なんだね。
栗原: おそらく〈ドクターマーチン(Dr.Martens)〉の工場で作られたOEMモノだと思いますよ。
阿部: ネイビースエードの〈コールハーン(COLE HAAN)〉もイイね。
栗原: コレはアメリカで見つけたんですけど、買い値が高かったので自分用にしました(笑)。
阿部: アメリカ製なんだね。
栗原: 内側の表記で〈ウォークオーバー(WALK OVER)〉の工場で作られたっていうのがわかりますね。
阿部: へー。
栗原: 〈ウォークオーバー〉が倒産したのって90年代中期頃だと思うんですけど、ちょうどその頃、稲毛(千葉市)にあった某スニーカーショップで投げ売りをしてて、それをよく履いてたんです。なので、この〈コールハーン〉は久しぶりに買い直したって感じです。
今野: そこってある電化製品と同じ名前で訴えられたっていう噂のお店だよね(笑)?
栗原: ハイ。その後に名前が変わりました。
阿部: あ、あのスニーカーコレクターとしてお馴染みの御大が働いていたお店?
栗原: そうですね。あそこで〈ウォークオーバー〉を買わせてもらいました。
今野: あの店のワゴンセールは魅力的だったなー。でもやっぱりこの辺りのシューズをカジュアルに組み合わせるとカッコイイよね。
栗原: そうですよね。さっき紹介したショーツや僕がよく着ているミリタリー系のウエアとかにこういったシューズを組み合わせると全体が締まるので、好きですね。全身古いモノというよりは、こういったシューズを取り入れて新旧組み合わせるのが面白いかなと。
今野: 最近ってスニーカーブームだもんね。
栗原: そうですね。僕もスニーカーも好きだからよく履いてますけど、カジュアルなコーディネイトにはこういったシューズが今の気分的には好きですね。