〈XLARGE®〉との協業企画〈PLUS L by XLARGE®〉が始まった理由。
―まず、江川さんが〈XLARGE®〉と出会ったきっかけを教えてください。
江川:サンフランシスコの「バック・トゥ・ザ・シティ」という大会で、当時〈XLARGE®〉で働いていたポール・タカハシ(現〈サキャスティック〉)と仲良くなって。彼に連れて行ってもらったのが最初ですね。とにかく居心地がいいお店だったのが印象的でした。スケーターが滑りに行く前に集まるような場所で、いるだけで地元のスケーターとどんどん仲良くなれるんですよ。ポールに頼んで、何枚もTシャツをもらったのは懐かしい思い出です。
―今回〈PLUS L by XLARGE®〉を始めるうえで、ブランド側からはどんな要望があったんですか?
江川:「スケードボードのマインドがあって、YOPPIさんらしい洋服を作って下さい」と。まあ、やりたいようにやってください、ということじゃないかなっと勝手に解釈しています(笑)。
―自由にできるというのは、逆に難しいと思うのですが。
江川:実は〈ヘクティク〉でやり残してきたアイディアってたくさんあるんですよ。そういったエッセンスを小出しにしながら、いまの僕の気分とミックスしていくんです。しかも、かつての〈ヘクティク〉みたいなブランドって、いま無いんですよ。だったらオリジナルである僕が、〈XLARGE®〉のフィルターを通して表現しちゃおうかなと。
―いまのファッションシーンの流れを意識することはありますか?
江川:現代を生きている以上、意識はしますよね。ただ、僕の場合はトレンドの逆を行くんですよ。斜め後ろから時代を見るというか。ロング丈が流行っているなら、逆にショートだろ、しかもこのシルエットで、みたいな。コラージュだってバレないように和をモチーフにしたり。よく見るとヘンテコな仕掛けは随所に施しているんです。ときには皮肉めいたものもありますし。それは見て感じてもらえればなと。むふふ。
―〈XLARGE®〉のファンは10代の方も多いと思うのですが、そこにアプローチするためには何が必要だと思いますか?
江川:より直感的にはなってきていますからね。きっとこういった長いインタビューも読まれないでしょうし(笑)。僕の場合は、あえて違和感を作るようにしているくらいかなあ。たとえば〈PLUS L by XLARGE®〉のオフィシャルサイトにGIF動画を多用してみたり。目に留まるポイントを作ってあげるというか。ただ、時代にフィットしすぎると、僕が居心地悪くなってしまうんで、そのへんのバランスは意識しつつ……、なんて考えているのも楽しいんですよね(笑)。
―服をつくり始めてから17年が経過しました。〈PLUS L by XLARGE®〉をやっていくなかで、自身の成長を感じることはありますか?
江川:いや、むしろ、〈ヘクティク〉設立当初に戻ったような感じなんですよ。というのも、冒頭で師匠と話していた生産担当の方と、〈PLUS L by XLARGE®〉で再会して。すごい巡り合わせですよね(笑)。おかげで背筋が伸びたというか、原点に戻ったような気分で仕事に取り組んでいます。
―最後の質問です。今後、〈PLUS L by XLARGE®〉でどんなことをトライしていきたいと思いますか?
江川:とてもいいチームで物づくりができているので、いまのスタンスを継続しながら嘘のないクリエイションを続けていきたいですね。あと、服づくりって、服をつくることだけではなく、服を着ていく環境もデザインすることが重要なんじゃないかと、いまさらながら思っているんです。ブランドがあって、環境があって、お客さんがいて、メディアがある。こういった4つの要素をバランスよくコントロールして、息の長いカルチャーとしてのファッション、ブランドを作っていきたいですね。
XLARGE® HARAJUKU
電話:03-3475-5696
www.xlarge.jp