「今日は今後リリースが予定されているコラボレーションのシューズをご紹介したいと思います。まずは、いろんなところでリークされているものですが、とりあえず見ていただきましょう。ROSHE LD-1000 / fragmentです。
もともとの話をすると、僕が最初にナイキと仕事をしたのが1996年。ナイキに呼ばれて、どの靴をやりたいかと聞かれ、僕はダンクとLD-1000をやりたいとリクエストしたところ、ツーリングが残っておらず、そのときは実現しませんでした。当時のナイキはヴィンテージの靴を作り直すという発想がなく、前年の1995年に出たエアマックスをどういう色でアレンジするのが良いかとか、そんな話をしました。
その後LD-1000は社内の他のチームが再発して、僕もできないかと常々言っていたのですが、結局ツーリングが残っていないからできないと言われて。じゃあどうしようかと考えたときに、その頃ちょうど世に出て、すごく履きやすくて僕もよく履いていたのがROSHE。このシューズのコンフォータブルなソールに、LD-1000のアッパーをつけられないかということで、できあがったのがこれ(ROSHE LD-1000 / fragment)です。見た目的にはヴィンテージなルックスですが、かなり履きやすい。時期は過ぎてしまいましたけれど、夏にもいい靴だと思います。フラグメントのほうは、ソール側面にロゴ入り。発売は今週末の土曜日に東京では、ここ(the POOL aoyama)、そのあと銀座のDOVER STREET MARKETと、NIKE LABのサイトで。あと、オリジナルカラーが2色。追っかけで発売になります。
そして次、ジョーダン1×フラグメント。これもかなりリークされているので、みなさんも見たことがあると思います。もともとのコンセプトは、“ブラックトゥ”と呼ばれる珍しいジョーダンがあって、それの青バージョンがあったらいいんじゃないかと提案したところが始まり。いままでにもジョーダン1はいろいろと再発されてきましたが、これはシェイプも革の感じもいちばん最初に出たオリジナルにできる限り近づけました。
最後にもうひとつ。ソックダートがついに発売です。ソックダートも僕がいままでずっと再発したいと思っていたもので、何度もやって失敗していたのですが、ようやく発売になります。これは人気が無いのかなんなのか、まだどこにもリークされていないようで……。みなさん、インスタの準備はよろしいですか? 世界でいちばん最初にインスタできる人になりますよ(笑)。これは12月に発売となります。
ということで、One More Thingはありませんので(笑)これでおしまいです。みなさん今日はありがとうございました」
— フラグメントデザインとナイキによるコラボレーションシューズの発表会があると聞いて、会場に来てみたら、ヒロシさん自らが登壇されると知って驚きました。なぜ今回はそのようなスタイルをとったのでしょうか?
「たまたま、この3つ(ROSHE LD-1000、ソックダート、ジョーダン1)が同じ時期にリリースされる予定なので、タイミング的に良かったというのがひとつ。そして、情報がどんどんネットでリークされてしまうなかで、その前に僕ら自身できちんと発表しようというのが狙いです」
— こういうかたちで発表することは急に決まったんですか?
「いいえ、ずいぶん前から決まっていて、とにかく早くやりたいと考えていました。でも、結局このタイミングになってしまい、ROSHE LD-1000はすでにリークされてしまいました。本当は、発表後すぐに『明日から発売です』みたいにアップル的なやり方でリリースしたかったのですが」
— このウェブ時代に情報を守り切るのは、やはり難しいと。
「そうですね。僕自身、情報のリーク自体は面白いとは思っていますが、ナイキから『まだ露出はしないでくれ』って言われているのにリークされてしまうと『いつ出るんですか?』ってまわりから聞かれたりして、思わぬところで迷惑がかかってしまうのも事実。今回やってみて、今後もこういうかたちで発表する機会を設けていくのもいいかなと思いました」