ジャーナル スタンダード ディレクター 出島拓之介氏
出島: 〈ジャーナル スタンダード〉の今季の打ち出しに、「コート」というアイテムがあるので、今回はコートを3つ選ばせていただきました。
-まずはこのコートからお願いします。一見して大きめに見えますが。
ビックシルエットメルトンステンカラーコート ¥32,000+TAX
出島: はい。こちらは、“ビッグシルエット”をテーマに作っています。かなり大きめなんですが、肩が落ちたときにクリーンなイメージが出るように、試行錯誤を重ねました。とくに着たときの清潔感というのには一番こだわりましたね。
-こうしたゆとりのあるフォルムのアイテムは、今季たくさんあるんですか?
出島: いえ、コートだけですね。今まではまったく作ったことがなかったのですが、コートに関しては、3品番ぐらい素材違いで作っています。
-最近、ビッグシルエットはTシャツやニットなどにも多く見られるスタイルです。ともすれば、ストリートっぽい雰囲気か、ハイモードな印象を与えがちなフォルムでしたが、「ジャーナル スタンダード」としてはどのようなコーディネイトをおすすめしていますか?
出島: 着合わせとしては、シルエットが大きいので、スウェットやジャケットの上からも問題なく着てもらえますし、コートに特徴があるので、とにかくシンプルにコーディネイトしてほしいですね。黒のコートにスウェットをインして、ボトムスにはグレーのパンツといったオーセンティックな感じでしょうか。
-アームホールもかなり広いですね。
出島: はい。アームはかなり広くとっているので、脇下が少し落ちるようなフォルムになっています。あとはラグランスリーブなので、腕の上げ下げ含めた可動性の高さは特徴的です。
-今まで作ったことがないとおっしゃってましたが、かなり力の入ったラインといえるのではないでしょうか。
出島: その通りです。ブランドとしても新しい提案なので、これを新機軸として積極的に仕掛けていきたいと思っています。
-それにしても、確かに上品な感じにまとまっています。
出島: たしかにゆとりあるフォルムなんですけど、締めているところは締めているんです。例えば襟もかなりコンパクトな仕様にしていますし。ただのオーバーサイズにはならないように、隅々までバランスをとっています。
-丈が長いわけではないですよね?
出島: はい。丈はいわゆる普通のコート丈ですね。最近のカジュアルマーケットでは、コートはショート丈というのが主流でしたが、それを少し引き戻したという感じですね。
ー素材はウールですか?
出島: そうですね。ただ、少しだけ表地に撥水性を持たせているので、多少の雨ぐらいであれば傘ナシでいけるのかな、と思っています。
-これで3万円。トレンドを的確に捉えた、今季の狙いめアウターですね。
出島: まったく新しい形を提案することになったので、量産に至るには3回ぐらいサンプルを作りました。かなり苦労して作ったアイテムなので、思い入れは強いですね。