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ジャーナル スタンダードというヒト・モノ・コト。 JOURNAL STANDARD SERIES COLUMN VOL1_ORIGINAL ITEM

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ステンカラーコート ¥60,000+TAX

出島: こちらが今季から新しくスタートする、〈ジャーナル スタンダード アクアリンク(JOURNAL STANDARD Aqualinc)〉というレーベルです。

-簡単にコンセプトを伺えますか?

出島: 一言でいうと「トラベル」をテーマにしているラインなんですが、「トラベル」の中でも「ビジネストラベル」にフォーカスしています。出張の際にカチッとしたスタイルなんですが、ちょっとした雨風をしのげるような機能性があるアイテムがあったら便利なんじゃないかな、というところから生まれたラインです。

-見るからに機能的なディテールが盛り込まれていますね。

出島: はい。先ほどご紹介したオリジナルと決定的に違うのは、とにかく機能素材を使うということでしょうか。止水ジップとか、アウトドアのフィールドでよく使われているようなものを積極的に使って、ワンランク上のものづくりというのは意識しました。

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-とはいえ、“ジャーナルっぽい”仕上がりにはなっていますね。

出島: そうなんです。ただそうした機能素材を使ってものづくりをするのであれば、やはり本家本元というか、プロフェッショナルなアウトドアブランドは他にたくさんあるので、いかにしてウチらしさを出すのかというのがポイントでした。そこでこうした機能性の高いコートにレザーを使ってみるなど、ハイテクとローテクの融合というのが、このシリーズの一つの方向性となりましたね。

-アイテムのラインナップはどういった感じなんですか?

出島: アウターとパンツですね。アウターだけでも10型くらいあります。ただ、「トラベル」をテーマにしているので機内でリラックスできるスウェットパンツであったり、快適な機能性を持ったインナーであるとか、アイテムの幅は広げていきたいと思っています。ゆくゆくはシリーズ単体でトータルで揃うような形に持っていきたいですね。

-かなり力の入ったシリーズですね。

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出島: そうですね。素材に関しても、一番新しいものを使うようにしています。よく聞くような「PERTEX」という素材でも「PERTEX unlimited」という機能性だけではなく、街着としても耐えうるようなデザイン性を兼備した新しい素材なんです。とにかく国内外問わず、“話題の素材”を使っているというのが特徴ではあります。

-ただ、その分値段が、、

出島: そうですね。6万円ぐらいするので、先ほどのお話とはまったく違うところでのもの作りになっていますね。

-内側のシームテープ処理や、止水ファスナーを使った防水仕様も目を引きます。

出島: ただあくまで街着という観点でのアイテムなので、土砂降りの雨とかになると、完全に防ぐのもなかなか難しいんですけどね。完全防水ということになると、フロントを止水のファスナー仕様にするんだと思うんです。そこがさっきの足し引きの話ではないですが、何でも機能を盛り込めばいいわけではないというか。

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-そこで、袖タブのヌバックレザーも効いてきますね。小さい部位ですが、プロダクトの強い意志が感じられるような気がします。

出島: その通りですね。ボタンもハイテク調のものなんですが、素材には高級感のある本水牛を使用しています。そういうバランスには各所で気をつけています。

-表地の素材はどんなものを使っているんですか?

出島: 尾州産のウールに、Pertex(パーテックス)の透湿防水機能のある生 地を使っています。今までは使いたくても高くて使えなかった素材なんです が、ここぞとばかりに使っていますね。

-あとはどんなアイテムがあるんでしょうか?

出島: 主立ったところでは、テーラードジャケットやダウンジャケットとかでしょうか。あとはモッズコート。モッズコートもあえてカーキではなく、グレーで作っています。例外的にコットン素材を使ったジャケットのセットアップだけには、カーキを使っていますね、いい具合にウチな感じになりましたね。

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PER-BUSINESS JK ¥46,000+TAX

-最後に着ていただいたものは、〈ジャーナル スタンダード アクアリンク〉のジャケット。なるほど、機能性だけではなく、ビジネスにも使えそうなお行儀の良さも兼ね備えています。

というわけで、「ジャーナル スタンダード」を理解するにはまずはここから、というわけで3つのオリジナルアイテムを見てきました。彼らが、いかにしてロジカルに自身の持つ特性、つまりトラディショナルさをモダンに展 開していっているのか、少しはわかっていただけたのではないでしょうか。次回は入魂の「別注アイテム」について掘り下げます。

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