翌日は、ノーザンプトンの〈ドクターマーチン〉のショールーム、そして「Cobb’s Lane工場」を訪ねた一行。
工場に隣接したショールームでは、新作の説明を受けながら、館内の至るところを探索。
60年代から綿々と受け継がれてきた“Air Wair”のソールを始め、各所に散りばめられた貴重な資料を見学しました。
名作『THIS IS ENGLAND』のポスターが飾られていたのが印象的でした。
そしていよいよ「Cobb’s Lane工場」へ。“メイド イン イングランド”のシューズが日々作られている、最前線の現場に足を踏み入れます。
職人一人一人が自分の業務を忠実にこなしていく様は美しくさえありました。今回のメディアツアーでは、その業務の一部を体験できるワークショップ的な催しも。
裁断、縫製、型製作を一カ所でまとめて行うことでクオリティの向上にも繋がります。
ここで働く職人たちは、20代ぐらいの若者から50代の熟練者まで実に様々。かつては、一家代々この工場で働くといった地場産業として栄えていたようで、その伝統は今もしっかりと受け継がれています。
女性の職人もかなり数多くいるのが印象的でした。そしてタトゥーをしている方が実に多いこと! 日本ではなかなか考えられませんが、こうしたところで文化の違いを痛切に感じたりもしました。
熱を当てたり冷ましたりしながらレザーを変形させ、圧をかけてアッパーのシェイプを決めていく作業です。
こうして、少しずつシューズの形に近づいていくわけです。
ブランドのビジュアルモデルが務まりそうな、タフで雰囲気のある職人さん。
最後に見学させてもらったのは、PVCソールを取り付ける工程。炎をあげながらウェルトのラインに沿って刃を当てて、PVCを溶かしながら接着していきます。この手法は〈ドクターマーチン〉が特許をとっているとか。
シューズが製造される一連の流れをこの目で確認することで、より〈ドクターマーチン〉のシューズに愛着が湧いてきたのでした。
最後にLamb Streetにある、〈ドクターマーチン〉のショップへ。
日本未発売のシューズなども並んでおり、ファンにはたまらないツアーの締めくくりとなりました。川上から川下まで、ではないですが、一連の流れを見ることで、よりブランドへの理解と愛が深まった数日間となりました。