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MY ESSENTIALS ~目利きのお気に入り~ NO.01 6 ビューティ&ユース ユナイテッド アローズ ディレクター 吉田恵理子

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お気に入りのアイテムを紹介していただく前に、もしかしたらフイナム読者にはそれほど馴染みがないかもしれない、〈6〉というブランドについて少し触れさせてください。ディレクター、吉田恵理子氏にぶつけた一問一答から見えてくる、ブランドの世界観とは?

Q.〈6〉のコンセプトは?

「以前「ユナイテッドアローズ」には〈ピンクレーベル〉というカジュアルレーベルが存在していました。そのときから、次のキーワードというのが、私たちにとっては不変的な要素だったんです。つまり、「SPORTS(スポーツ)」「MILITARY(ミリタリー)」「ETHNIC(エスニック)」、「MARINE(マリン)」、「WORK(ワーク)」、「SCHOOL(スクール)」の6つです。ブランド名の由来もここから来ていますし、これらの要素が〈6〉には必ずどこかしらに入っています」

Q.ターゲットが35歳以上とのことですが。

「〈ビューティ&ユース〉の年齢層の多くが、25歳~35歳なので、その上という位置づけです。これまでは、お客様の中に〈ビューティ&ユース〉を卒業したら、〈ユナイテッドアローズ〉という流れがあったと思うのですが、そことはまた違う大人のカジュアルスタイルを提案していけたらと思っています。みんな、どんな風に歳をとっていいか迷っていると思うんです。そんな中、わたしたちは歳をとることを隠すわけではなく、ナチュラルに生きていくスタイルを提案していきたいですね。かっこいい、マニッシュ、そんなキーワードが当てはまると思います。フェミニンという要素は意図的に消しています」

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Q.自身のファッション遍歴は?

「色々な格好をしてきましたが、基本的には変わっていません。デザイナーズのバイヤーをやっていたときもあるのですが、そのときもハイブランドを着ながらにして、チープシックな小物とかを身につけて相反する要素を取り入れる、という点は今も変わらないですね。それは〈6〉のものづくりにも活きています」

Q.ショップには古着と一緒に展開していますが、その狙いは?

「私自身が古着が大好きで、ミックスするのが好きなんです。〈6〉のアイテムはスタイリングにすごくこだわって作っています。企画の段階から、どんなスタイリングをするか考えてアイテムを作るというやり方をしています。そのかいあってか、ショップに置いている古着はすごく反応がいいです。カタログに載せたものはすべて完売しました。これらはすべて私が買い付けています」

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Q.今季のテーマは?

「『Do The Beautiful Thing』です。これまでは直球のアメリカンカジュアル的なテーマを設けていましたが、今季はそこに“90年代”のキーワードを入れながら、ちょっとヨーロッパ的な要素を入れていくようにしています。イメージアイコンは2人います。ひとりは20世紀を代表する女優、マリリン・モンロー。彼女のように飾らない、ありのままを表現するときに心地よく着れるようなアイテムを提案します。もうひとりはフランスのモデルであり、アーティストとしても活動するキャロライン・デ・メイグレ。リラックスしつつも、マニッシュで気品のあるコーディネイトが、〈6〉のムードにぴったりなのです」

6 2014 AUTUMN / WINTER COLLECTION

Q.今季から展開店舗が広がっています。

「ブランドを立ち上げた当初は、コアに響く層に向けてコンパクトにやっていこうと思っていたのですが、おかげさまでお店の反応もよく、少しづつ広げていく方向になりました。(展開店舗はこちら)取り扱うお店が多くなったからといって、ブランドの核が薄まらないように、お店と一緒に丁寧にやっていく必要があります。ただ単にアイテムを売るのではなく、スタイルを提案していくということ。それが今後の課題ですね」