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HIGASHI-TOKYO MAKERS ROW 「東東京モノヅクリ商店街」ってなんですか?

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町工場が抱えるOEMであることの葛藤。

「メーカーとして受託以外にも色々なことを試していきたい」という思いを抱える物づくり企業は少なくない。ただ、確かな技術力を持ちながらも、職人気質ゆえに自身のことを発信することが得意ではない、ということ企業も。

OEMに関しては、ブランドと企業の関係性もあり、僕の個人的な感想ですけど、と前置きした上で、「ファクトリー側は、もっと発信していったほうがいい。むしろ、ブランドのデザイナーさんもこういう自社製品をつくっているところで、うちの商品もつくられていると言ったほうが、お互いWin-Winになる時代かなと思っています」と、物づくり企業の現状を語ってくれた。

また、「〈廣田硝子〉は、MOMAにも商品が置かれているのに、HPを通してそれが伝わってこない。それだけすごいことをやっているなら、もっと言ったほうがいい」とKIRAさん。「それを、ご本人から言うのは照れると思うので、僕らが間に入って『じゃあ、どこまで言っていいですか?』と伺って」発信していく。

元々の商品に持ち味があれば、後はいかに広めていくか。その部分を第三者が担うことで、企業はより物づくりに集中できる。

「廣田さんのところは、完成されているモノが多いんです。フライヤーもすごく上手いので、今回の企画の中では、若者にどうやってリーチさせていくかを考えました。それで、和菓子作家とコラボイベントやろうと。シチュエーションにもこだわって、大正時代の古民家で、といったアイデアで協業しています」


廣田硝子
hirota-glass.co.jp


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「これは、墨田区内に工場を構え石鹸をつくっている〈玉の肌石鹸〉の商品です。オリジナルも幾つか開発されていて、一部は〈アーバンリサーチ〉にも入れています。オーガニックソープって、現状では輸入モノしかないんですね。そこでオーガニックな日本の石鹸をつくろうと、あたらしい商品開発に着手しました。これは、今回のプロジェクトから生まれた「檜」と「ゆず」という和の香りの石鹸です」

玉の肌石鹸
www.tamanohada.co.jp


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プロジェクトの今後について。

地域振興プロジェクトは、往々にして、どこまで続けるのかが鍵となる。ローンチ時こそ力をいれても、そこから失速しては意味がない。

「モノを作っただけではダメなので、パッケージもデザインした方がいい、それにまつわるWebサイトやパンフレットをつくった方がいいんじゃないですか、といったアドバイスはします。ある程度のところまでやらないと結果が出ないことが多いので、付き合いは深くなりますね。10年くらい前は、HPをつくっても管理費など色々とお金がかかりましたよね。でも、いまは安く作れるリソースがたくさんある。最初だけはこちらで整えますが、ECサイトにしても無料のものもありますし、どんどん伝えて、あとは自分たちでできるようになっていけばいい」(KIRA)

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丸和繊維工業 otutumi.tokyo
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井上鞄製作所 www.wolf-and-dog.com

また、プロジェクトに参加している企業同士、横の繋がりも期待できそうだ。

「それも狙いです。今回やってみて思ったのは、『あれ、こんなことやっていたの?こんな技術もっていたの?』って会話がすごく多かったこと。地域が一緒でも、意外にお互いのことは知らないんですよね。そういった企業間のコミュニケーションが促進されていけば、このプロジェクトもより強くなると思います」(KIRA)

すでにいくつかの企業からも、参加に向けた問い合わせが入っているという。現在は、Web上での販売に向けてアイテム数の確保に力をいれている状態。今後はワークショップもやりたいとのことで、今後、どんな動きをするのかますます注目しておきたいところ。まずは下記のURLをクリックして、その実態を探ってみてください。

東東京モノヅクリ商店街
www.higashitokyo.jp

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