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the truth of “ultra boost” アディダス「ウルトラブースト」の秘密。

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トップアスリートらによって華々しくお披露目された「ウルトラブースト」。

2015年1月22日、アメリカ・ニューヨーク。アディダスの新作シューズの発表会場には、日本のフイナムほか世界中の25を超える国や地域から多くのメディア関係者が集まりました。イベント開始を告げる大音響とともにそれまでステージを覆っていた幕が下ろされ、壇上に現れたのは、「ウルトラブースト」を手にした世界のトップアスリートたち。

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7人はいずれもアディダス契約アスリート。そのなかには、元男子マラソン世界記録保持者ウィルソン・キプサング(右から3番目)、世界陸上男子100m 最年少金メダリストのヨハン・ブレイク(中央)、サッカー選手のダビド・ビジャ(左から2番目)の姿も。ひとつのシューズの発表のために世界中からメディア関係者が集まり、各界のトップアスリートたちが駆けつける。それだけでも「ウルトラブースト」に対する人々の期待値の高さ、そしてアディダスのこのシューズに対する本気度の高さが見て取れます。

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BOOST™フォームのパフォーマンスを最大限引き出すために。

今回発表された「ウルトラブースト」の特徴は、アディダスが誇る最新クッショニング素材BOOST™フォームをミッドソールに100%使用していること。同素材を初めて搭載したシューズとして2013年2月に発表された「エナジーブースト」における比率は80%であり、実に20%もアップしています。

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そもそもBOOST™フォームとは、発泡熱可塑性ポリエチレンビーズ内に微細で均一な独立気泡を閉じ込め(写真上)、それをスチームによって連結させたもの。気温や環境による影響を受けにくく、従来のミッドソールの主流であったEVAよりも長期に渡って優れた衝撃吸収性と反発力を発揮するという特徴を持っています。

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「ウルトラブースト」は、そんなBOOST™フォームのパフォーマンスを最大化するよう設計されています。アッパーには優れた伸縮性で足を包み込む「プライムニット」を、そしてアウトソールにはかつてないほどのクッション性と安定性、反発力を引き出す新開発のストレッチウェブアウトソールを採用。さらに新構造のヒールカウンターや新しいトルションシステムによって優れたサポート力も実現。そのように機能はてんこ盛りではあるものの、上の写真を見ればわかるように、パーツの数はミニマルで、作りに無駄がありません。


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アディダスのキーマンが語る「ウルトラブースト」の秘密。

今回発表されたカラーは、ブラックにパープルというシックでクールな配色。派手な原色系や蛍光色が多い一般的なランニングシューズとは一線を画します。その点について、アディダス・ドイツ本社のデザインを統括するバイスプレジデントのベン・ヘラス氏(写真上・右)は次のように語ります。「東京でもシティランニングが人気ですよね。ウルトラブーストの配色は、シティランナーが都会を走るとき、街のなかに溶け込めることを意識したものなんです」。また、マーケティングディレクターのミナ・フィリップソン氏(写真上・左)によると、「ヒールなどのアクセントカラーに用いたパープルは、朝日や夕日からインスパイアされた色。夜から朝に、そして夕方から夜に切り替わる瞬間に感じる“エナジー”を表現しています」。色使いにも深い意味があり、作り手の思いが込められているのです。

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「ウルトラブースト」というネーミングについては、ランニングビジネスユニット・シニアバイスプレジデントのエイドリアン・リーク氏が次のようにコメント。「従来のミッドソール素材の主流であったEVAは、誕生から完成に至るまで30年の年月を要しました。その点、BOOST™フォームは誕生からわずか2年。今後もまだまだ進化していきますが、現時点でベストだと自信を持って言えるプロダクトが完成しました。そんな意味を込めて『ウルトラブースト』と名づけたんです」。ゆくゆくは、場所によってBOOST™フォームの密度を調節することで、クッション性や反発性を変えられるようにすることも考えているとか。

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