「作ることは活動であり、それらには独自の価値がある」。そう考えるのは、英国の伝統的なワークウェアをベースにしたブランド〈ワーク ノット ワーク〉。英国のクリエイティブ集団「TOMATO」のサイモン・テイラーがディレクションを務め、独自の目線で仕事着とファッションをミックスし、着る人の個性を紡いできた。仕事着としての〈ワーク ノット ワーク〉の魅力とは? ブランドと関係の深い三人の「作る人」に話を訊いた。
Photo_Shin Hamada
Text_Mayu Sakazaki
Design_Shogo Kosakai(siun)
山本真太郎
1974年東京生まれ、シューズブランド〈キッズ ラブ ゲイト〉デザイナー。1990年に渡英し、1995年にロンドン芸術大学CAMBERWELL COLLEGE OG ARTSに入学。1996年からショップ兼アトリエThe Old Curiosity Shopにてシューズデザイナー、イアン・リードのアシスタントとして働く。2000年に帰国し、浅草のシューズファクトリーにて靴作りを学び、2008年秋冬よりオリジナルブランド〈キッズ ラブ ゲイト〉をスタート、現在に至る。
「作る」ことから「創る」ことへ。
「イギリスにいた頃は、ハンドメイドのアトリエで丁稚奉公みたいなことをしていました。道で拾ったズタ袋とか、ビリヤード台のフェルトを靴に変えてみたり(笑)、想定外の素材を使うことを学びましたね。帰国後は靴工場に入って、いわゆる工場の番頭さんを。手で作ることから入って、ブランドを立ち上げてからはデザイナーです。仕事着の定番といえばエプロンでしたが、今は動きやすければOKかな」
ブリティッシュであるということ。
「〈ワーク ノット ワーク〉とはコラボをずっとやってきているし、ブリティッシュという共通項もある。イギリスでは鉄道員の制服なんかも、洗練されていて作りがしっかりしてるんです。そういう伝統的な背景がある上で、グラフィックやコラボという面白い試みも同居しているブランド。僕もワーク系の靴がルーツですし、そこに予想外の何かを加えていくという意味では、すごく共感する部分がありますね」
ワークウェアとして理想のバランス。
「僕はあんまりベタベタなワークウェアは着てこなかったので、〈ワーク ノット ワーク〉のバランスはすごく好きですね。ワークという要素が入った上で、ちゃんとモダンなデザインで作られている。今日着たデニムのツナギも、生地使いやサイズ感が今の気分に一発で合いました。〈キッズ ラブ ゲイト〉の靴は基本的にボリューミーなので、こういうオーバーサイズな着こなしには良いバランスを生んでくれるんです」
靴作りの基本道具。
「左から、ディバイダーと呼ばれるコンパスのようなもの。靴って曲線でできているので、ソールを作るときなんかに均等に計るものが必要なんです。包丁は革を切ったり、とにかく色々な工程で必要。削ったり研いだりして自分の手に馴染ませていく。一番右はワニと呼ばれる道具で、革をひっぱって伸ばして、トンカチで叩いて馴染ませていく感じ。どれも職人として工場にいたときに使っていた基本の道具ですね」
WORK NOT WORK URBAN RESEARCH 阪急メンズ大阪店
住所:大阪市北区 角田町7番10号 阪急メンズ館 5F
電話:06-6313-8757
WORK NOT WORK URBAN RESEARCH 静岡店
住所:静岡市葵区 鷹匠1-1-1 新静岡セノバ1F
電話:054-266-7164
※9月11日オープン
WORK NOT WORK URBAN RESEARCH KITTE丸の内店
住所:東京都千代田区丸の内2丁目7番2号 JPタワー KITTE丸の内1F
電話:03-6269-9170
WORK NOT WORK URBAN RESEARCH マルヤガーデンズ店
住所:鹿児島県鹿児島市呉服町6-5 マルヤガーデンズ 1F
電話:099-295-0111
WORK NOT WORK
「TOMATO STUDIO」のサイモン・テイラーによるクリエイティブディレクションのもと、2012年に誕生したブランド。2013年に初のフラッグシップショップがKITTE丸の内店内にオープンし、2014年にアーバンリサーチ表参道ヒルズ店にコーナー展開、2015年に鹿児島マルヤガーデンズと続く。そしてこの夏、8月29日に阪急メンズ大阪店がオープン。9月11日には新静岡セノバの1階にもオープンも控えている。