vol.27

Asami Kiyokawa

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絵本『銀河鉄道の夜』を上梓。
クリエイターの清川あさみに聞く創作活動とファッション。

10代はカリスマ読者モデル、現在はクリエーターとして新しい世界観を発信し続ける清川あさみさん。そんな彼女の名作絵本シリーズ第三弾『銀河鉄道の夜』は、昨年の発売から2ヶ月で5万部という驚異の売れ行きを記録。作品の裏話から、ファッションまで聞いてきました。

いつか作りたいと思っていた『銀河鉄道の夜』。やっと叶いました。

ー『銀河鉄道の夜』は、絵本では異例ともいえる発売後2ヶ月で5万部の売れ行き。それも今回は、男性が多く購入されているみたいですね。

清川あさみさん(以下清川、敬称略):こんなに反響があったことに、正直びっくり。ただ、男性読者が多いというのは少し納得しているところがあります。自分の原点というか、発想の中に「男性的なところ」があるので、そこが現れたのかなって思っています。あとは、単純に宮沢賢治のファンは男性が多いっていうところなんでしょうね。

ーなるほど。それでは詳しく作品について聞かせてください。清川さんと『銀河鉄道の夜』の最初の出会いは?

清川:10代、学生の時にアニメで観たのが最初です。その時はもちろん感動もありましたが、「難解だな...」っていう印象のほうが強かったですね。だから、見終えた後に何かするでもなく、その時はそれで終わりました。

ーその手をつけていない状態から絵本の題材になるまで、どんな気持ちの変化が起きたんですか?

清川:もちろん、素敵な作品だから、いつか何らかのカタチでやりたいと思っていました。ただ、表現するにはまだ時期尚早だなっていう気持ちがあって、タイミングを見計らっている20代でしたね。そして、30歳になって「今なら心で理解できるかもしれない」と思って再読しました。様々な経験を踏んた後で読んでみると、驚くぐらいその当時はわからなかった作品の良さとかが感じれるようになっていたんですよね。それで、これを題材にしようって決めました。

ーこの作品は重たいストーリーというか、難しい内容ですよね。また、前作の『幸せな王子』や『人魚姫』も決してハッピーエンドでは終わらないストーリーですが、このような作品を毎回題材に選んでいる理由は何でしょうか?

清川:いつも時代に合っているものを作品の題材として選ぶようにしていますね。『幸せな王子』は慈愛、『人魚姫』は恋愛。そして今回の『銀河鉄道の夜』は、人生がテーマになっています。いろいろなかたちでコミュニケーションが取れるようになって、自分自身が流されやすくなっている時代だとも思うから、自分自身を見つめ直すような作品、人として原点に戻れるような作品になったらいいなと思いました。

ーそもそも名作を絵本にしようとしたきっかけは?

清川:大前提として、名作を多くの人に改めて知ってほしかったという気持ちがありましたね。大人の読者に向けては、「これを読んだら、今の価値観とか変わるよ!」みたいな、起爆剤みたいな存在として改めて読んで欲しいなと思っています。子どもに対しては、「これを読んだらいい子になれるのでは!?(笑)」という思いで推薦したいですね。名作のストーリーから学ぶことってたくさんあるんです。生きる上で欠かせない哲学的なことについてたくさん悩めますからね。「生きるってなんだろう、悲しいってなんだろう」みたいな。決してハッピーな悩みではないけど、その「悩む」っていう行為を怠ると軽い人になってしまうような気がする。結局、中身の濃い人が夢を実現しているように思うし。だから、多くの人に名作を読んでほしいんです。

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リトルモア社から刊行した『銀河鉄道の夜』。宮沢賢治のイメージする空前絶後の美しい宇宙を、ビーズやレース、写真を用いて表現しています。
定価:1890円(本体価格1800円)
ISBN:978-4-89815-278-2

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【PRESENT】
1名様に『銀河鉄道の夜』をプレゼント!
応募先:info@rhino-inc.jp
応募方法:上記メールアドレスまで、メールにてご応募ください。件名に「銀河鉄道の夜プレゼント希望」と明記の上、お名前、ご住所、電話番号、本ページの感想をお聞かせください。
応募期間:2010年3月31日(水)まで
※当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。

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