号外(ありがとう) - 不意なむら（名村恒毅）

最近、7年前に半ば強引に飛び出した兵庫県の実家や家族の事をよく思う。

「あー今何してんねやろ」とか

「病気なんか、してへんやろか」とか。。。






父親は昔から寛大やった。僕のやりたい事を、「恒毅は恒毅のやりたい事やったらええ」と。父親の中で思う事はめっちゃくちゃあったやろうに、押し殺してそう言うてくれたんやろな。今やから素直に言える「ほんまにほんまにありがとう。俺は名村 諭司という父親を持てた事が今までもこれからも誇りです。『体が資本』といつも言うてくれるけど、お父さんも『体が資本やで』。ほんまにありがとう。還暦を迎えて、改正された一級建築設計士の資格を再取得した親父は世界で一番かっこええやん！還暦の日、滅多に見せへん涙を見せたお父さんは余計にかっこよかったで。」

オカンはいつも明るく気がきく。オカンの作る食いもんが好きで好きでしょうがない。いっつもいつも僕の心配をしてくれる。昔やんちゃやった頃、迷惑かけて、今は心配かけて。。。親不孝な息子やで、俺。おかんがある季節になったら送ってくれる、イカナゴのくぎ煮。熱いご飯の上にのっけて食べる度に涙が出ます。家族の中でムードメーカーなオカン。「オカンがオカンで良かった。オカンが居ったから、ここまでやってこれたんやと思う。ほんまに、いっつもありがとう。オカンの子で良かった。よー風邪引くから、風呂上りにソファーで韓国ドラマ見ながら寝たらアカンで」


姉貴の名前は静香。よー喋るのに『しずか』か。オモロイやん！昔はよー喧嘩したな。今でも姉貴の爪の後が、傷になって左手の甲に残っとるわ。家族思いのよー出来た娘やと弟ながら感心するわ。職場の学校でも好かれとるやろーな。目に浮ぶわ。昔一緒に行ったニューヨークが今でも鮮明に蘇るわ。迷惑ばっかかけてたな。ごめんやで。なんでもかんでも、姉貴に押し付けて苦労ばっかり掛けてごめんやで。今でもそうか。ええ旦那に恵まれ、子宝×3にも恵まれ、幸せやそうやんか。心配せんでも、みんなええ子に育つで！姉貴の子やしな。よう俺の事、「東京で頑張って尊敬するわ」言うてくれるけど、「ありがとうな。けど俺はあんたを尊敬してます。一生な。」


なんかいままで口に出してこういう事言うた事無いし、手紙にも書いた事ない。これから言える機会が「どんだけあんねやろ」っと思った。



「ありがとう」

素直に言えます。


「ありがとう」


最近いつ言いましたか？


「ありがとう」


素敵な言葉やと思います。