雨は降らなかった - 杉作Ｊ太郎のすべて幻（杉作J太郎）

　結局、雨は降らなかった。
昨夜。夜９時から雨が降る予報が出ていたので自転車で行くつもりだったが六本木までカローラで行った。カローラのガソリン残量ランプはエンジンをかけたとき、すでに点灯していた。道はすいていた。MUSIC ON！TVの駐車場が満車だったのでスタッフが外苑東通りのコインパーキングに誘導してくれた。
ベッキー・クローエルのコスプレをはじめとするいろんな服装を採点する仕事だった。法政大学の稲増龍夫教授とコスプレ評論家の乾たつみ氏とぼくの３人が彼女のファッションチェックをするのだ。
22時すぎに収録が終わり外苑東通りに向かう。雨はまだ落ちていなかった。
「雨が降ると思って自転車やめて車で来たんですよ」
駐車場代金は3600円だった。
「ぼくも折り畳み傘を持ってきました」
スタッフとのなにげない会話にすこしだけなにか救われる思いだった。
収録途中、フイナムのＭさんと電話で話した。今夜中にブログ一回目、アップします。そう言った。気になっていた。早く一度目をアップしようと思いながら日々がすぎていた。カローラに乗ったらやはり残量ランプは点灯していた。残量ゲージはEMPTYのかなり下にあった。
六本木通りは混雑していた。途中、ガス欠で車が停止する絵が何度も頭をよぎった。ささいな抵抗だが、カーステレオを止めた。ステレオポニーの「ツキアカリノミチシルベ」を聴いていた。聴きたかった。止めながら、MUSIC ON！TVはソニー関連の局だからステレオポニーの話もしてくればよかったと思った。
途中、ガソリンスタンドに滑り込んだ時には心底ほっとした。
雨は降り出しそうだが、まだ落ちてはこない。
帰宅して寝てしまった。
夢を見て目が醒めた。
もう５時をすぎていた。
原稿の締切も、明日返却で見なければいけないアニメのＤＶＤも、そしてフイナムのブログも、全部やらないまま寝てしまった。
窓を開けた。
まだ雨は降ってなかった。
自転車で行けばよかった。

第一回目だからアップするタイミングが遅れたが、ブログもなんだか長くなってしまった。