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変容を続けるアニマル・コレクティヴ --これは最高のライブセットだ、なんて思ったことはない--

2012.08.06

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「汗だくで、疲れ果てるくらいのつもりでイメージしたよ」。

-面白そうなスタジオだね(笑)。僕も行ってみたいよ。ところで、今メンバーはみんな別々の町に住んでいるんだよね。曲作りどう進めてるの?

ディーケン: そうだね、2004年にノアがポルトガルに引っ越して以来、みんな別々の町で曲作りを行っているんだけど、今回は僕とデイヴ(エイヴィ)がボルチモア(彼らの出身地)に引っ越し、ノアの家族全員とブライアン(ジオロジスト)も3ヶ月間限定でそこに引っ越して曲作りに励んだんだ。みんなでニューヨークに住んでいた頃も、そんなに集中して曲作りをした憶えがないよ(笑)。だから逆に新鮮だった。お互いにメールでアイデアをシェアするのではなく、ひとつの場所にとどまって、というやり方はね。

エイヴィ: 意識的ではあるんだけど、僕らは毎回アルバムを作るたびに環境や練習部屋を変えているんだ。今回はジョシュ(ディーケン)の提案をみんなで受け入れて、新しい環境でトライした。でもそれはすごくいいことだと思うよ。

-アルバムの音についてだけど、全体的にポジティブで、陽気な印象を受けたんだ。その辺りは意図的にやっているの?

エイヴィ: 今回はかなりエネルギッシュにやろう心がけていたからね。BPMの早い曲、あとはもっとライブではじける曲をやろうと思って、汗だくになりながら演奏して疲れ果てるくらいのつもりでイメージしたよ。

ディーケン: 曲作りの過程で、すでにそういうエネルギーはあったよね。ガレージで音楽を作っているバンドに戻った感覚だった。実際、僕らはみんなガレージにこもっていたんだけど(笑)。ノアはドラムを叩き、他のみんなは自分のアンプのボリュームをMAXにして、何ヶ月もジャムって作ったね。

-楽しそうだね、そのやり方は。僕のバンド(Soft Circle)では同じ町に住んでいても、メールのやり取りで曲作りを済ませてしまうことも多いから...

ジオロジスト: でも、それはそれでいい結果になることもあるだろ。じつは僕らも、このアルバムを作っている後半で、4曲だけそのやり方にシフトして終わらせたんだ。ジョシュ(ディーケン)のアイデア通り、作り始める前に1〜2週間だけみんなで集まりジャムセッションで基礎を固めて、そこから町に戻って各自メールのやり取りで曲作りを終わらせた。でも、それができたのはジャムセッションで作った基礎がなければ困難だったかもね。

ディーケン: ヘッドフォンで音楽を作るのと、部屋で音楽を作るのではかなり違いがあって、前者の場合はすごく音の細部に集中できるんだけど、後者だとその空間にしかないフィーリングが曲にすごく影響を与えるんだよね。

パンダ・ベア(以下、パンダ):ヘッドフォンで音楽を作るのは、本当にエネルギッシュな気分に持っていくのがたいへんだと思うね。なんか正反対のものを呼び起こすような気がして。

-それは音楽の面白いところのひとつだよね。ライブでしか伝わらない気持ちやエネルギーってあって、レコーディングの際にはそのパワフルな波動をどうやって音だけで伝えられるのかが一番たいへんなチャレンジだったりする。

パンダ: ああ、まったくその通りだと思うよ。

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-ところで、みんなニューヨークを発ってからかなり時間が経つけど、まだあの場所とはつながりを感じる? 僕らが20代前半だった頃は、ブラック・ダイスもアニマル・コレクティヴも、ギャング・ギャング・ダンスも、みんな同じ部屋で練習してたじゃん(笑)。

ディーケン: 人とのつながりはあるけどな...。

パンダ: うん、場所とのつながりはあまり感じないね。

ジオロジスト: この前、アルバムのマスタリングをするためにニューヨークに行ったんだけど、その時、ハイプ・ウィリアムスのライブを観に行ったらその頃の友達がみんないたよ(笑)。みんな10〜15年近くニューヨークに住み続けて、僕は2001年にそこを出たから、毎日会ったり、同じ町に住んでいるという感覚とはほど遠いけどね。

エイヴィ: まあ、そうやって会ったりすると、友達同士だしつながりは感じるよね。僕はニューヨークを出たのは最近なんだけど、例えば、こないだ友人が久しぶりに帰ってきて、そのときの反応が「みんなまだニューヨークにいるのか。何も変わってないな」って。僕ももっと時間が経ってニューヨークに帰ったら、そんな風に感じるのかなって想像したりするけどね。

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