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規格外の"新人"ハンニ・エル・カティーブのルーツを探る。

2011.12.13

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そこを越えて行き着いた音楽を、より明確に表現できるようになったんだ。
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―最初は仲間内でバンドを組んでいたのでしょうか?

ハンニ:始めからずっとライブもレコーディングも同じメンバーでやっているんだ。レコーディングもたまに手伝ってもらうことを除けば、基本的には自分ひとりで全部やる。ライブに関しては自分とドラマーの2人編成で今までやってきているよ。

―あなたの音楽には50'sや60'sのロックンロールのアティテュードがありますよね。ガレージやパンクなど、楽曲によってバリエーションはありますが、根底にあるものは一緒であるような気がします。どういった音楽に影響を受けているのでしょうか?

ハンニ:そうだね、それらっていうのは本当に自分が好きな音楽そのものなんだよ。基本的にはどんなジャンルの音楽も聴くけれど、60'sのロックンロールやガレージといったものが自分の根底にあるのは間違いないと思うよ。

―具体的に影響を受けたアーティストはいますか?

ハンニ:特定のバンドやアーティストというのはいないかもしれないな。というよりはむしろ、僕が興味を抱くのは年代そのものだよ。それは音楽だけじゃない、アートなんかにも同様のことが言えるね。

―とくに目指したり、憧れていたミュージシャンがいるわけではなく、時代ごとのカルチャーに強く影響を受け、それが楽曲に反映されているということですね。

ハンニ:その通りだよ。当時は、音楽はもちろん、カルチャー自体がとてもピュアでシンプルなものであったと思うんだ。それは自分にとって、とても好感が持てる部分であって、プロダクションや企業のような大きな力に惑わされることなく、もっと真っ直ぐだった。同時に、すごく実験的な時代でもあったと思うんだ。とくに、ギターに関して言えば、ディストーションだったりテクニックだったり、そういったものをみんなが模索していた時代で、まさにロックンロールの始まりといった雰囲気があるんだよ。

―そのような要素は、あなたの楽曲にも表れていると思います。いい意味で、今っぽくないというか、今こういうアーティストが出てきたこともすごく新鮮に感じられました。

ハンニ:そう言ってもらえてとても光栄だよ(笑)。

CONVERSEのCMでは「Build, Destriy, Rebuild」が使用された。

―曲の完成度を取っても新人らしくないんですよね。やはり、3年間のツアー活動やレコーディング活動というのが下地としてあるからなんでしょうか?

ハンニ:じつは、アルバムに収録されている楽曲自体はツアーを始める前に作っているから...あまり関係ないかもしれないね(笑)。最近レコーディングしたものも数曲あるんだけど、ほとんどはツアー前にレコーディングしていたものだよ、何年も前にね。もしかすると、ライブ活動をして得たというよりも、年齢的なものかもしれないと思っているんだ。というのも、今の年齢に差し掛かって、自分のやりたいことが何かをよく理解できるようになったんだ。若い頃は、好きなものや自分のこだわりというものに固執する時期を、誰しもが通るとは思うけど、僕の場合は、もうそれをほとんどすべて通り尽くしたからね。今は、そこを越えて行き着いた音楽を、より明確に表現できるようになった気がするんだ。

―ツーピースでライブを行うのには何か理由があるのでしょうか?

ハンニ:最初はそうせざるを得なかったというのがあるんだ。初めてのライブが決まった時、フルバンドでやろうと思ってメンバーを探していたんだけど間に合わなくて(笑)。2回目のライブが終わったときに、「なんかコレ、いいね」ってなって、すごく簡単だし、うまく楽曲をプレイ出来たんだ。それで、すごく気に入って、そこから変えようとはしなかったね。

―ほかの2人編成のバンドと共鳴する部分なんかもあるのでは?

ハンニ:自分のライブとアルバムではまったく違うものだからね。編成上はそういう部分もあるかもしれないけど、とにかく自分のアルバムを聴いて、そしてライブに足を運んでほしいと思うね。

―今後どのような活動をしていきたいですか?

ハンニ:たくさんツアーを組んで、ライブをして、レコーディングをして、まあ、ずっとそれを続けて行きたいね。できるまで続けるよ(笑)。あとは、早く日本でライブがしたいかな。

―一日も早くその日が来るといいですね。本日はありがとうございました。

cover_hanni_el_khatib.jpgHanni El Khatib
『Will The Guns Come Out』
INNOVATIVE LEISURE/HOSTESS
2011年12月21日(水)発売
¥2,200

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