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"ハイスタ"14年ぶりの全告白 『AIR JAM』舞台裏、東北復興、原発問題、バンドの仲、そして...新曲発表!?

2013.08.23

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「Hi-STANDARD」の流儀
「Hi-STANDARD」の結成は今から23年前に遡る。'91年といえば、バブル景気真っただ中。世の浮かれムードとは裏腹に、バンドブームが終焉した業界は"冬の時代"だった。転機は結成から3年後。自主制作のミニアルバム『LAST OF SUUNY DAY』('94年)をリリースした彼らは、ストリートキッズに支持され、メジャーデビュー後の1st.アルバム『GROWING UP』で累積70万枚を売上げた。2nd.アルバム『ANGRY FIST』ではオリコン4位を記録、3rd.アルバム『MAKING THE ROAD』ではインディーズとしては当時異例の100万枚超のセールスを打ち立てた。その後、沈黙もあった。メンバー間の障壁から11年間の活動休止へ。ともあれ、震災を契機に、再び始動----。そんな彼らには時を経てもなお、変わらない流儀がある。
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TEPPEI

恒岡: 個人的には今、バンドを組み始めた時のような感覚ですね。2011年にハイ・スタンダードが再始動した時よりも、よりよい方向に向かっている手応えがあります。

横山: 常に強く思っているのは、何度もあちこちで言っているけど「日本を元気にしたいって」いう気持ち。みんなでひとつになるってことを、「Hi-STANDARD」というバンドで表現したかった。だから、再始動のハードルも乗り越えることができたと思う。大袈裟ではなく、被災した人たちに喜んでもらいたかった。音楽って心に響くものだと信じてるんだ。

難波: 復活を通して、少しでも多くの人に"諦めない"というメッセージを受け取ってほしかったっていう。だから、復活ビジネスなんていうヤツは許しがたい。いつだって本気だよ、「Hi-STANDARD」は!

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横山: バンドの雰囲気やお互いの仲は、むしろ90年代の終わり頃よりも、今のほうが全然いい。歳はとってみるもんだね。再始動した最初のステージ(『AIR JAM2011』)の時は、気持ちの上でも演奏面でも、いろんな意味でブランクを感じたのは確か。これ今だから言えるけどね。あの瞬間、一生懸命、当時の感覚を取り戻そうとしていたよ。それ以降は徐々に、新しい形を模索していっている感じだよね?

難波: たぶん今の「Hi-STANDARD」は、たとえばお客さんの規模が5人になってもやると思う。それぐらい結成当初に近い感覚がバンド内にある。ただホント、被災地にはファンが待ってくれているし、全国にも光栄なことにハイスタのファンはたくさんいるから、喜ばせたいなという気持ちもある!

横山: 3人それぞれがソロでバンドを組んでいる今のスタンス、ちょうどいいと思う。バンドを組み始めた20代前半みたいな自分らとは、違うわけじゃん。お互い、40代のおっさんになってさ。子供だっている、いち父親なわけだし。それぞれに背負っているものがあって、また集まるっていうのは、新感覚だよ。

難波: こうやってインタビューしてもらえるのも、幸せな話だと感じるようになってさ。

横山: 今は、ハイスタとしてでなく個々のソロのバンドで同じ音楽フェス会場にいる時とか、なんか嬉しいもん。3人が集まればスゴいっていうのは分かるけど、逆に個々の活動が充実している方が再び3人で集まった時、いいパフォーマンスを見せられる気もするし。とくに、11年以降、別々のバンドで1つのフェスにでることが増えたけど、そういうのをくぐり抜けると、チームとしての強さって増すじゃん。今の「Hi-STANDARD」なら、どんな球でも投げられると思う。3人別々でもいけるし、ここぞというときは「ハイスタだすよ!」っていう(笑)。

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WATARU UMEDA
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Tsukasa Miyoshi

恒岡: そういえば、最近"オオカミ少年"ならぬ"ハイスタ少年"ていう俗語ができているらしいんだよ。「三人が一緒の会場にいるし、ハイスタ、今日こそやるんじゃねっ!」って会場で言い回るファンが。そういった意味では、プレッシャーではなく、圧力を感じることはあるよね(笑)。

難波: でも、ハイスタをやるために自分たちの何かを犠牲にするようなことはない! ハイスタも含めて自分たちの活動になったら、それが理想。実際、健くんは、自分のレーベル(『PIZZA OF DEATH』)持ってて、他のアーティストのマネジメントや社長業とか、やってるわけでしょ。そのバランス感はハンパないと思う。しかも自然と。改めて思うけど、「Hi-STANDARD」って音楽だけじゃなくて、バンド個体としての活動の奥行きがマジハンパない。

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