HOME  >  CULTURE  >  FEATURE

CULTURE_FEATURE

  • OLD
  • NEW

NYの名門レーベルの「サルソウル」音源をDJ NORIがノンストップMIX。

2013.09.27

このエントリーをはてなブックマークに追加
cf_dj_nori_mix_sub2.jpg
家の前をラリー・レヴァンが歩いていてばったり会った。

-では少し話しの方向性を変えさせてください。そもそもNORIさんがDJを始めたきっかけは?

NORI: 若いころにちょうどディスコやソウルが盛り上がっていて、僕の地元の札幌でもすごく流行ってたんです。当時、いろんな友達がたくさんいたんですけど、DJをやっている仲間もいたりして、そんな影響もあって僕もDJを始めました。

-ということは札幌のあとに東京へ出てきたと。

NORI: そうですね。何年か札幌でやって、そのあと上京して六本木でやってました。

-NORIさんと言えば「NYの人気クラブでプレイし~」というプロフィールをよく目にしますがいつごろから行かれてたんですか?

NORI: 初めて行ったのは83年です。2回遊びに行って、この街は住んでみないとわかんないなと思って86年から住み始めました。まあ海外で生活したいなと思っていて、別にNYでDJをやるぞ! とかそんな気持ちではなかったですね。

-いくつのときの話しですか?

NORI: 23歳で初めて行って、26歳で住み始めました。最初はウエイターをやっていたんですが、そのうちレストランでDJをやるオーディションがあったんです。そのオーディションに受かってプレイするようになって、そこから知人のホームパーティなんかに呼ばれてDJをしたりしているうちに、ラリー・レヴァンと知り合って彼と一緒にプレイするようになりました。

-今、さらっとラリー・レヴァンの名前が出ましたが(笑)。ラリーとはどういう風に出会ったんですか?

NORI: まず彼の音楽との出会いは、彼がMIXしたレコードですね。そのあと「パラダイス・ガレージ」というディスコでプレイを聴いて衝撃を受けました。本人との出会いは、僕の家の前をラリーが歩いていてばったり会ったのが最初です。

-ええ!? そんなことってあるんですか?

NORI: あったんですよね(笑)。「あ! ラリーだ!」と思って声をかけて、少し話しをしました。それでそのちょっとあとに、彼がプレイしているクラブに遊びに行ったときにまたあいさつをしたら彼も憶えててくれて、それから交流が始まりました。ちなみに、彼に会ったときはパラダイス・ガレージはもうクローズしていましたね。

-ということはNORIさんはパラダイス・ガレージではプレイしていなんですね?

NORI: そうですね。僕は普通にお客として遊びに行ってました。まあ当時は日本人がNYの人気クラブでDJができる感じではなかったですね。今みたいにコミュニケーションが取れてる時代じゃなかったですし。

cf_dj_nori_mix_sub3.jpg

-パラダイス・ガレージは、実際どんなディスコだったんですか?

NORI: もともと駐車場だった建物をディスコにしたから「ガレージ」という名前が付いてたんですが、とにかく大きな箱で、僕たちのような一般客が入れないようなスペースやシアターなんかもありました。言葉ではうまく言えないんですけど、外界から守られてるというか、キッチリしているというか。とにかくいろんなものを感じられた素晴らしい場所でした。

-NORIさん以外の日本人もたくさん遊びに来ていたんですか?

NORI: 何人かいましたけど数えるくらいでしたね。オープンした最初のころは、黒人とスパニッシュと一部の白人だけって感じで、そんな中にキース・へリングがいたりして。彼はすごく目立ってましたね。当時のパラダイス・ガレージのこととかラリーのことは『マエストロ』って映画を見るとよくわかりますよ。あと最近、YouTubeにパラダイス・ガレージのクロージングパーティの様子がアップされてるみたいです。

-日本に戻ってこられたのはいつ頃ですか?

NORI: 90年の2月ですね。芝浦にあった「ゴールド」というクラブのオープニングと同時に話しをいただきました。その頃は高橋トオルさんと一緒にDJをやっていたんですが、2人で来て欲しいと誘ってもらいました。それで先にトオルさんがやり始めて、僕は遅れて参加しました。

-その当時のゴールドはやっぱりすごかったんですか?

NORI: そうですね。すごくおもしろかったですね。「東京」や「バブル」といった時代的なノリも大いに反映されていたと思います。それにハウスミュージック自体も確立された頃で、楽曲もすごくたくさんリリースされていました。ゴールドのスタッフも良いお店を作ろうってがんばっていたし、お客さんたちも心から楽しんでいました。毎週お祭りみたいに盛り上がっていて、いろいろな部分が絶頂だったと思います。良い時代でしたね。

-なるほど。それでは最後に、NORIさんのアナログレコードに対するこだわりを教えてください。

NORI: データでできた音はどうしても音質的な部分が好きじゃないんです。レコードの方がアーティストの思いが詰まっているような感じがします。もちろん良い音で聴くためには針だったり機材だったりに気を使っていかないとだめなんですが。自分にとっては30数年DJをやってきて、レコードで良い音を出していくという部分がこだわりになっています。

-そうですね。現場でアナログレコードをプレイしているDJに会うと、特別な感情が湧きますよね。

NORI: このお店でMUROくんと一緒にスタートした「CAPTAIN VINYL」というイベントも、レコードだけを使ってプレイしています。MUROくんとは何か一緒にやりたいなと思っていて、こういう大人が楽しめるラウンジはぴったりだなと。まだ始まったばかりですが、僕自身も今後が楽しみなイベントです。

cf_dj_nori_mix_profile.jpg BACK TO MY ROOTS
¥2,500 発売中

1. The Salsoul Orchestra Featuring Loleatta Holloway / Seconds (Shep Pettibone 12" Special Club Version)
2. The Strangers / Step Out Of My Dream (Shep Pettibone 12" Dream Version)
3. Logg / (You've Got) That Something (Greg Carmichael & John Morales 12" Version)
4. Skyy / Here's To You (Original 12" Version) 5. Rafael Cameron / Boogie's Gonna Get Ya (Francois Kevorkian 12" Instrumental Version)
6. Aurra / In The Mood (To Groove) (Original 12" Mix) 7. The Salsoul Orchestra Featuring Cognac / How High (Original 12" Version) 8. Bunny Sigler / By The Way You Dance (I Knew It Was You) (Unreleased Larry Levan 12" Remix)
9. Candido / Thousand Finger Man (Original 12" Version)
10. The Salsoul Orchestra / 212 North 12th
11. Claudia Barry / Sweet Dynamite (Tom Moulton Album Version)
12. Paul Mauriat And His Orchestra / Love Is Still Blue (Original 12" Version)
13. Loleatta Holloway / We're Getting Stronger (The Longer We Stay Together) (Walter Gibbons 12" Remix)

BACK 1  2

CULTURE FEATURE TOP

  • OLD
  • NEW