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〈Gap〉の新デニム、その魅力を3人のクリエイターと徹底解剖する。

2011.09.01

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この秋、〈Gap〉のプレミアムライン "1969 Classic Cone Denim"が、ファブリックとフィニッシュを新たにリニューアル。細部のディテールに至るまで徹底的にこだわり、完成度を高めたプロダクトを、デニムへの造詣が深い3ジャンルのクリエイターが体感。その魅力について語っていただくとともに、セルフスタイリングも披露していただきました。これを読んだら、欲しくなること確実です!

Photos_RINTARO
Edit_Ryutaro Yanaka [Rhino]

INDEX
1. まずは、3人に新デニムを見た感想をインタビュー。
2. 壽村氏が、ユージのスタイリングを徹底解説します。
3. 3人が 〈Gap〉の新デニムをセルフスタリング。

まずは、3人に新デニムを見た感想をインタビュー。
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― 「レギュラー フィット ストレート」「スリム フィット ストレート」「イージー フィット ストレート」という 3 FIT、「リンス」「ダーク」「ミディアム」という 3 WASHで、計9種類がラインナップされた〈Gap〉の新デニムを見て、触れてもらった感想をうかがいたいのですが。

栗原道彦氏(以下、栗原:敬称略):触ってまず感じたのが、柔らかさ。僕は色の濃いデニムしか穿かないんですが、この濃さでここまで柔らかいのは他にはないですよね。

佐久間義高氏 [Gap PR](以下、佐久間:敬称略):それは、やはり今回のデニムの特徴であるコーン・デニム社(旧社名:コーン・ミルズ・コーポレーション)の協力で実現した「左綾(LEFT HAND TWILL)」が影響していると思います。今までのモデルより少しだけオンスも高いのですが、それを感じさせない柔らかさをキープしています。

―やっぱり〈リーバイス〉のXXデニムを作っていた工場だった歴史と実績は伊達じゃないと。

栗原:ここ以外にデニムメーカーとして世界的に評価されているところってないですからね。

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―僕はデニムのゴワゴワが気になって、欲しくて買ってもイマイチ穿かなかったりするのですが。
壽村さんは、普段からデニム穿きますか?

壽村太一氏(以下、壽村:敬称略):あまり穿かないです。ただ、穿いて自分にフィットすればもちろん買いますよ。

―今日のデニムは、いかがですか?

壽村:なぜ、ここまでスベスベなのかが気になりました。

小澤匡行氏(以下、小澤:敬称略):右綾だとゴツゴツするというか、無骨で男っぽいデニムになると言われていますよね。

栗原:〈Lee〉で言ったら、大戦前とそれ以降で明らかにデニムの質感が違いますもんね。やっぱり左綾か右綾かで、柔らかさは違って。実際に穿いた感じ、ストレッチが入ってるのかと思いました。あとしっとりしてる。

小澤:膝曲げるとき、とくに感じますね。

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―でも、今って右綾が主流ですよね? これまでの話を聞く限りだと左綾の方が良い気がしますが...?

佐久間:ただ、ファッション的に捉えると、デニムはゴツゴツしている方が良いという流れもありまして。

栗原:あと柔らかいのを求めるなら、ストレッチ入れちゃえばいいという考え方もありますよね。

小澤:でも、そうすると化繊が入るので、色落ちも全然変わってきちゃいますしね。

―となると、いいところをついてる訳ですね。
色落ちの話が出たので、洗いの具合についてはいかがですか?

栗原:僕の場合、古着を売る側なんで...、あまり上手に加工されてしまうと。

― 困っちゃいますよ、と。

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小澤:左綾が影響しているのか分かりませんが、すごくしっかり縦に落ちていて。この白く落ちているのが、大戦モデルといった時代のヴィンテージとは違った個性や面白さを感じましたね。

栗原:普通に穿いていて、ここまで色を落とすって難しいじゃないですか。股が破れてしまったり、穴が開いたり。そういうことを考えると、このクオリティを表現できているのは古着屋として悔しいですね。
濃い状態から穿いてもイメージ通りに色落ちするとは限らないし、時間もかかるし。そう考えると、かゆいところに手が届くデニムかと。

小澤:今までは生デニムを綺麗な状態で育てることにこだわっていました。ただ、自分はこういう仕事で毎日好きな格好ができますが、大半の方は平日スーツで土日だけしか私服を着られない。
革にエイジングしたり、デニムを育てるのなんて、僕らの何十倍もかかってしまいますよね。だから生デニムの美しさを楽しむのと、加工デニムを楽しむのは別のコトとして考える方がいいのかなと。

―それは分かります。

栗原:30代オーバーには、生デニム崇拝主義的なものがありますしね。

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―古着との対比となると、リベットやらステッチやらディテール話になると思いますが...。

栗原:そこを無理矢理追求せず、赤耳にしていなかったり、チェーンステッチだったり、意外にオーセンティックでヴィンテージを意識し過ぎていないところも良いですね。太過ぎず、股上も浅めで、抵抗なく穿けるシルエットなのに、ディテールだけゴリゴリなのも嘘くさいと思うので。

小澤:そうなっていたら、あざとい感じがしちゃいますよね。

―それを感じさせないから、抵抗なく取り入れられると。コンセプトがはっきりしているから受け入れやすい。

壽村:いやらしいほどは追求していない。誰もが穿ける良さっていうのが魅力でもありますよね。

栗原:ジッパーフライで仕上げているのも好感が持てますし。

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―ちなみに、このデニムってレングスのバリエーションも豊富なんですか?

佐久間:レングスは30インチと32インチは全サイズで展開していて、ウェスト32、34だけは34インチのレングスがあるんですよ。

小澤:レングスのバリエーションが豊富ってことは、すべてに型紙を起こしている訳だから、すごいですよね。

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佐久間:もともと〈Gap〉はデニムとレコードを扱うショップからスタートしているんですが、創業者がデニム屋を始めた理由っていうのが「デパートにデニムは売っていてもサイズやレングスのバリエーションが少なかったり、サイズ交換に対応していなかったりと、買うのに不便だったので、ユーザーフレンドなお店を作りたい」というもので。

壽村:そのイズムが、今でも継承されているわけですね。

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―このバランス感覚で、¥12,000っていうのは?

壽村:手頃ですね。若いコでも頑張らずに買えますし。何本かバリエーションで持っていれば、着こなしの幅が広がると思います。

―それでは、着こなしの話が出たので、壽村さんにマガジンで組んでもらったスタイリングの解説をしていただきましょうか。

ozawa.jpg 小澤匡行
Masayuki Ozawa

大学在学中『Boon』誌にてエディター活動をスタート。ファッション、カルチャーに関する造詣が深く各ジャンルからの信頼も厚い。

sumura.jpg 壽村太一
Taichi Sumura

スタイリスト大西陽一氏に師事し、2005年独立。モードからストリート、さらにはキッズまで幅広いジャンルで個性あるスタイリングを披露。

kurihara.jpg 栗原道彦
Michihiko Kurihara

17歳のときからロストヒルズに在籍し、古着バイヤーとして辣腕を振るう。2010年に同社を退社し、2011年よりフリーでの活動を開始。

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