和洋折衷の結晶。BLOOM&BRANCH、いざ開店。
2014.02.26
-なるほど。次にシューシャイン(靴磨き)「THE BAR ~Brift H」について聞かせてください。
柿本: はい。これも喫茶の所作と通づるものがあるんですが、僕が骨董通りにある、「ブリフトアッシュ(Brift H)」さんに行ったときに、職人さんが靴を磨くさまに感銘を受けてしまって。あとは個人的に革靴、そして靴磨きが大好きなんです。趣味でしょっちゅう磨いています。前職のときにも、会社に靴磨きセットを置いて、毎朝磨いてからリースに出る、というようなことをしていましたし。
-ハマるととても楽しいと聞きます。
柿本: そうですね。骨董通りって〈パラブーツ(Paraboot)〉、〈J.M. ウエストン(J.M. Weston)〉、通りから中に入れば〈チャーチ(Church)〉とか〈オールデン(Alden)〉などなど革靴の通りでもあるので、需要もあるかなという読みもあります。
-言われてみればそうですね。
柿本: 「ブリフトアッシュ」の噂は聞いていたんですが、まぁ自分でも磨けるしいいか、、って思ってたんですが、あるとき自分でやったコードバンの磨きが気に入らなくて一回行ってみたんですよね。〈オールデン〉の「9901」っていう定番モデルを持って。そうしたら、もうびっくりするぐらいすごくて。エナメルみたいに光るんです。しかも最初は全体が光ってるんですが、1日経つとトゥとヒールの部分だけが光って、あとは落ち着いてきたんです。そういう技を仕込んでいたみたいなんですよね。輝きに立体感が出るというか。で、その場でウチのお店でやってくれませんか?と交渉をしました。
-「BLOOM&BRANCH」にも職人さんが常駐してくれる感じなんですよね。
柿本: そうですね。固定のシューシャイナーが立ってくれます。その方がお休みの日には、代表の長谷川さんも立ってくれたりすると思います。
-ちなみに、革靴のラインナップはどんな感じなんですか?
柿本: 目立ったところでは革靴のロールスロイスと呼ばれている〈ハインリッヒ ディンケラッカー(Heinrich Dinkelacker)〉とか、〈パラブーツ〉〈トリッカーズ〉〈サンダース(SANDERS)〉、レディースでは〈サルトル(SARTORE)〉のブーツとかですかね。ただ、もっとラインナップは増やしていきます。
-今後の展開も考えているとは思いますが、まずはこの青山店ですね。
柿本: そうですね。まずはしっかり1店舗目を作り上げて、やはり当初描いたように、鎌倉に出店したいです。
-これは単純に興味から聞くんですが、鎌倉でお店を出すって、やっぱり大変なんですか? ファッションで新しいお店、ってほとんど聞かないですし。
柿本: 大変です。。まず、観光地であり景観地区という側面があるので、建築物の高さに対する制限が厳しいんですよね。だから、百貨店的なものがないですし、作れないんですよね。あと土地を持っている大地主さんが何人かいらっしゃるのですが、余所から来た人間がお店を出すっていうのが、そもそもなかなか難しいんです。だから、ある程度大きい箱を出すなら、土地そのものを買ってというやり方か、もしくは運良く物件が開くのを待つか。。
-なるほど。結構手強そうですね。近くで雰囲気が良い場所を探すのもなかなか難しいですよね。隣町の逗子はまたちょっと雰囲気が違いますしね。
柿本: ですね。。葉山とかもいいかなと思ったこともあるんですが、やっぱり鎌倉なんですよね。ただ、鎌倉はそんなに洋服が売れるような場所ではないと思います。もっと生活に根ざしている人が多いと思いますので、雑貨とか飲食とかそういう形ですよね。
-葉山の「SUNSHINE+CLOUD」とかもそんなイメージですよね。
柿本: あー、そうみたいですね。残念ながら、まだ自分行ったことないんですけど。
-ところで、ものすごく大事なことを聞いてもいいですか? 販売員さんはいい方が見つかったんですか?
柿本: 見つかりました。名だたるブランドやセレクトショップにいた方々が来てくれました。何をおいても、まずは服好きであることが一番大切だと思うんですが、その点みなさん全く問題ないです。
-それは素晴らしいですね。やっぱりここまで丁寧に色々なことを積み上げても、フロントに立つ方がしっかりしていないと、何事もうまくいかないですもんね。
柿本: はい。一番といってもいいぐらい、重要なことだと思ってます。ただでさえ、服好きのお客さんが来るだろうお店に、自分より洋服に対する愛情だったり、知識が劣っている販売員だと、なかなかそのお店では買いたくならないですよね。店長は僕より15歳上の方です。エリアの特性上ターゲット年齢は必然的に高くなりますし、ちょうどいいのかなと思います。
-クロージングはやるんですか?
柿本: いえ、やらないです。クロージングほどカッチリしていなくて、全体としてリラックスしたトラッドカジュアルというイメージです。一番上品めいてる感じであれば、〈ケネスフィールド(KENNETH FIELD)〉、〈エムズブラック(m's braque)〉とか、あとは〈コモリ(COMOLI)〉や〈ポータークラシック(Poetr Classic)〉を取り入れたり、〈フランク リーダー(FRANK LEADER)〉で少し無骨なテイストを挿すのもいいですし。
-いいブランドをたくさん仕入れてますね。
柿本: 次のシーズンも、こないだ行ってきたNYで色々面白いものを見つけてきました。少し目新しいブランドも入れていきます。例えば、〈フランク リーダー〉と生産背景が同じドイツブランドや、あとはフランスブランドでもいいものを見つけましたね。クリーンかつタフで、そして作りがいいっていう。。
-バイイングは何人で行くんですか?
柿本: 一人です! NYは極寒で、本当に大変でしたね。初の一人出張でしたし。
-なるほど。。と、いったところで、とりあえずは締めたいと思うんですが、オープンを控えた今のお気持ちはいかがですか?
柿本: 周りからも「楽しみだね」って言ってもらえるんですけど、自分が一番楽しみですね。自分が今やりたいことが、ほぼできているお店なので。良き出会いにも恵まれましたし、今はもう本当に楽しみです!
-自分も本当に楽しみですし、期待しています。今日はありがとうございました!



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