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HIP CINEMA

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その道の玄人たちが選ぶこだわりの映画。

ヒップな人は好きな映画とジャンルにこだわりがある! 各ジャンルの玄人たちが、その道を極める8本の映画をリストアップ。すべてのタイトルを制覇すれば、あなたも真のヒップになれるかも!?

Illustlation / Mashu Oki

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伊東美和 Miwa Ito

特殊書店「タコシェ」店長兼ホラー 映画好き。編著に『ゾンビ映画大事典』『ゾンビ映画大マガジン』、共著に『ゾンビ・マニアックス』他。

うんざりするほど不快でバイオレントがいい。

レンタル・ビデオ全盛期の80年代、ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』に衝撃を受け、似たような作品を探してレンタル・ビデオ屋に並ぶゾンビ映画を観まくった。とにかく片っ端から観た。それから30年が過ぎたというのに、相変わらず観てるわけだ。もともと自分はホラー映画好きなのだが、なかでもゾンビものを推す理由は、他のモンスター映画に比べて圧倒的にスプラッター度が高いから。ゾンビは人間を食い殺すだけでなく、人間に反撃されてバラバラになる。手足を失っても動き続ける。最近はコミカルなゾンビ映 画が人気があるが、個人的にはまったく好きじゃない。むしろ、うんざりするほど不快でバイオレントなゾンビ映画がいい。

ゾンビ

元祖ゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』の続編にしていまなおサブカルチャーに影響を与えるジャンルの金字塔。強烈なバイオレンスとアクション、ユーモアと社会風刺を兼ね備えた人生を変えかねない一本。

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ナイト・オブ・ザ・リビングデッド

人肉を食らい、感染し、脳を破壊されるまで動き続けるゾンビが初登場。いま我々がイメージするゾンビはこの作品で誕生した。超低予算のモノクロ映画ながら、一軒家を舞台に生存者とゾンビの戦いをスリリングに描く。¥3,800、ハピネット。

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死霊のえじき

『ゾンビ』の続編。もはや地上はゾンビに制圧され、生存者は地下倉庫で避難生活を余儀なくされている。科学者と軍人の対立を軸にしたドラマはやや地味だが、知能を持つゾンビのキャラとリアルな特殊メイクが素晴らしい。廃版。

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サンゲリア

『ゾンビ』のヒットに便乗してつくられたイタリアの亜流作品。ストーリーそのものは50年代の懐かしいホラー映画を思わせる反面、本家『ゾンビ』を超えるグロテスクな描写が強烈な印象を残す。タランティーノも絶賛。廃版。

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ブレインデッド

『ロード・オブ・ザ・リング』などで知られるピーター・ジャクソン監督のスラップスティックなコメディ・ゾンビ映画。プール一杯分の血しぶき、60人分の切断された手足が宙を舞うスプラッター描写が凄まじい。廃版。

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ドーン・オブ・ザ・デッド

後に『300』『ウォッチメン』を手がけるザック・スナイダー監督が 『ゾンビ』をリメイク。ゾンビ・パンデミックによる世界の終焉を畳み掛けるように描くオープニング、クライマックスの狂騒的な盛り上がりに息を呑む。廃版。

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REC/レック

スペインで制作されたゾンビ映画で、全編にわたって登場人物の主観映像、いわゆる※1POVで撮影されている。遊園地の体感型アトラクション、あるいは※2 FPSゲームを連想させるリアリティと臨場感が世界中で支持された。¥1,419、ハピネット。

※1 PointofViewShotの略。カメラの視線と登場人物の視線を一致させるようなカメラワークを指す。
※2 FirstPersonShooterの略。シューティングゲームの一種で、主人公の視点で空間を移動し戦うスタイルを指す。

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28日後…

2000年代初頭から始まるゾンビ映画ブームの火付け役になった作品のひとつ。マニアをうならせる渋いオマージュとともに、猛ダッシュで襲い来る感染者(=ゾンビ)のインパクトが後続のゾンビ映画に強い影響を与えた。¥1,419、20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン。©2007 CASTELAO PRODUCTIONS, S.A.

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