自前のブランドとしてオリジナルを熟成させていこうと思う

―オリジナルについてなんですが、立ち位置はどんな考えなんですか?

市之瀬:理想でいくとオリと仕入れの比率って3対7くらいいがいんだよ。実際に数字も取っていきたいし。ドメブラとは共存共栄でやっていこうとは思うんだけど、色々と考えて打ち出したいよね。直営がないようなブランドを選んでスペシャル感を出したり、一緒に認知されるように育てて関係性を密にしたところでってのもあるし。

―だったら自前の方がいいっていう感じ?

市之瀬:そうだね。やっぱ名が売れてくると色んな店で置かれるようになっちゃうし。何なら直営店とかできちゃうしさ。そういうのを避けるために、やれ別注だWネームだってやったとしても所詮は飛び道具だから頻発できないよ。それは「時しらず」がどーのこーのっていうのとも違うし。インポートはそうじゃない分、色々と仕掛けていけたりできるからいいんだけど。

―かつてUA渋谷店で「何かに似ているオリジナルアイテムを接客して売るのは気が進まない」と言ってたでしょう。そういった洋服屋ならではのジレンマみたいなのはどうやって折り合いを付けていくのでしょうか?

市之瀬:俺の考えるオリジナルは、仕入れで補えない部分を補填する役割じゃないから。売り上げを取っていくために商品を作る気はまったくない。さっき言ったみたいにドメブラの都合でどうこうってなるくらいなら、今までの経験とかを生かしたモノ作りを推し進めたいっていうこと。だから卸しで小売りもやってるし、UA本体のチャンネルで売っていこうという考えはまったくない。1つのブランドとしてトータルでアイテム展開もするから展示会もやるし。この店は俺が本当に良いと思ったものしか並べないから。だって元を正せばUAを超えるっていうのが当初のコンセプトだったしね。

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本稿では語られなかった商材関連も存分に取り上げています。

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