SONYA S.PARK [前編]

―｢ショッピングマニュアル3｣の発売おめでとうございます。

ソニア パークさん（以下ソニア、敬称略）：ありがとうございます。

―どの位の制作期間でこちらの本は完成したのでしょうか?

ソニア：あまり時間をかけてもその時の旬なものが入らなかったりするので。まぁ基本的にベーシックなものを紹介するという考えで出していますし、そういう旬なものは今回そこまで入ってないというのもありますけど、やろうって思ってからは1年位です。リストをスタートして、文章を書き始めて、撮影をしてっていうのは、半年位。実作業に関してはは3、４ヶ月位ですかね。

―どの工程が一番大変でしたか? やっぱりアイテムをリストアップするところでしょうか?

ソニア：選ぶのは楽しいですよ。大変なのは編集者とのやりとりですかね(笑)。

―大変ですよね(笑)。

ソニア：事情を知らない人は本を書いたとか言うと、印税生活がどうだとか言うんですけど。私も全部自分で文章が書けるわけではないので、ライターさんに頼んでやったりとか、そこにはデザイナーさんもいたり、カメラマンさんもいたり、色々あるじゃないですか。なのでこの本に関して、私は収入のためにやってるわけではないんですけど、出版社はビジネスをしないといけないでしょ。私のこだわりと、作る側のこだわりがあるから、ビジネスのほうを仕切るのが一番難しいですね。それと、締め切りがあるじゃないですか。でも、締め切りがあるのっていいなって思って。締め切りがなければ一生直し続けるから(笑)。その締め切りに間に合わせるっていうのが一番大変かなあって感じなんですけど。撮影と物選びは楽しいですよ。

―3巻にも入れられなかった物はまだまだたくさんありますか?

ソニア：そうですね。撮影が終わってから出会って、これいいなって思ったものもあります。でも、そういうものは常に出てくると思うんですよ。こんなに人がいて、こんなに物を作る人が世の中には沢山存在しているわけですから。全部が全部、私が知ってるわけではないですけど、本当にすごく幸せなことに、スタイリストという仕事を通じて沢山の国に行ったり、沢山の人に会ったり、沢山のものを見てきたので、その中で自分がいいと思ったものを紹介していけたらとは思いますね。

―毎回楽しみにしています。

ソニア：本当によく良い物を教えてほしいと言われるんですよ。自分が一生懸命稼いだお金なんだから、物選びも大切にしたいと思っている人も多いじゃないですか。そういう人たちに読んでもらって共感してもらえれば嬉しいですね。物を買うっていう行為は、作った人というかその物に対して、ひとつのサポートっていう意味もあるので、ちょっとした背景みたいなものを知っておいたほうが、より楽しく買い物が出来るのではないかと思いますけど。

―第2巻発売後すぐに、第3巻の発売は決まっていたんですか?

ソニア：3巻発売に関して、すぐに決まっていたというわけではなかったですが、自分の中でシリーズとして出したいなっていう思いはありました。アメリカの大学や学校のクラスでは、一番ベーシックなクラスに101ってつけるんですよ。次にもうちょっと中級が201、その上級クラスが301になるんですよね。だから3巻では、上級編というのが相応しいかはちょっとわかりませんが、前より少しマニアックなものなんかも紹介しています。

―初刊が出たのは結構前ですよね。

ソニア：2004年ですね。出版されたあと次を出して欲しいという声もあり2冊目を出しました。出版社としては続編っていうものは大概売れないということで懸念してたんですけど、意外と順調に売れて。基本的にフォーマットは一緒なんですけど、そのときそのときの時代の物を覚えておきたいなっていう所から始まった本なので、やっぱり自分が一番保存しておきたいものを入れてあるんですよ。私の買い物人生もきっと続くと思うし、皆さんも沢山色んなもの作るわけですが、この3冊目で一つの区切りになるかなあとは思いますね。小説でもないのであれですが、完結編という感じです。

―では第4巻目に関しては、まだ全然考えてないですか?

ソニア：それはきっとねえ、出したとしても別の形でやりたいですね。ショッピングマニュアルっていうのは、これでもう終わりにしたいなって。