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良い靴と出会うことで、趣味の幅が広がる。

―今までちゃんとした革靴を持ったことがない人がいたとしたら、どんなものを薦めます?

中川:雑誌やネットとかで色々とウンチクが出ているとは思いますが、もうストレートに店員さんに聞くのがいいと思いますよ。直しながら使い続けられるのかっていう点を重点的に。よく高い靴は持ちがいいから結局は安い買い物だなんて聞きますが、あれもどうかと。ケアやら修理やらを考えると安くはないですからね。だから良い靴の手入れは非常に趣味性が高いというか、嗜好品なんだと思います。シューケアはやってみれば分かりますが、とても面白いですよ。それを理解できるようになれば、やらなかった頃より少し豊かな毎日を送れるのではないでしょうか。あとは高い靴はやっぱり、ちゃんと作ってるものが多いです。それも指針になります。

―高いものには理由があるもんなんですね。

中川:ただ注意しなきゃならないのは、この高い靴ってのも2種類あるんです。1つは本当に実用靴としてしっかりとした製法で作られたもの。もう1つはデザイナーの名前が値段に乗っけられたものです。後者はブランド代が高いだけなので、靴本来の良さが価格と釣り合いが取れているとはいえないんです。服もそうじゃないですか? 全身ブランドもので統一されてる人と、どうってことないものを着ているのに格好いい人。どうしたって内面が出てきてしまいますから、30歳になる前までに自分のファッションの軸が決められるようになってるといいと思います。そして日本にもそういう人が増えてくれるといいですね。

―確かにユニオンワークスのスタッフは皆さんスタイリッシュですよね。

中川:そこは気遣ってます。僕自身も外から見て凛としたスタッフが作業をしている様を見ると、「お、俺の店も格好いいじゃねえか」って感じますしね。お客さんも変なヤツに修理されるより、そういった雰囲気を持った職人にやってもらったほうがいいじゃないですか。

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ポリッシュの仕上げは手作業。細かな部分まで丹念に磨き上げていきます。これで眩い輝きが生まれるワケです。

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店内の奥は工房スペースになっているので、修理が必要なシューズを次々と直していきます。

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