Number 27
青山 メイハネ・トプカプ

トルコ料理を青山で。

東京を深夜徘徊する習性があった人にはお馴染みの、かつて「MIX」という音の良いクラブがあった「青山スパイラル」はす向かいの路地。地下でまさにMIXと隣り合わせだったんではないかという場所に、トルコ料理店「トプカプ」はある。自分は予々、中東料理は日本人、特に女性に人気なのではと思っていた。野菜が豊富で、オリーブオイルやレモンを多用。ひよこ豆やナスがペーストになっていたり、ヘルシーかつ手をかけた料理な印象なのだが、本来イスラム教では御法度のお酒=美味しいワインも揃え、他の中東料理よりメニューの幅が広く感じるトプカプ。奥様と出会われたNY経由で85年に来日、93年から店を切り盛りしてきたバスマジェさんに聞いた。

「国がお酒つくってるくらいだから、トルコのイスラム教はいい加減(笑)。味には地中海、ギリシャ、中国、モンゴルにアルメニア、シリア、イラクといった国々からの要素が混ざってます。その中で僕の出身の、南トルコのアダナは食べることが大好きな町。元々料理が好きで、いつも友達に料理を振る舞ってた国のお母さんの味を日本で仲間に出していたら、店を開くことになりました。今は都内にトルコ・レストランは40軒以上あるけど、ここが3軒目だったかな」
自分が何を思うまでもなく、その事実が明確に、日本人に受け入れられているトルコ料理を証明している。
「お客さんの8割かそれ以上が女性です。2年前、チャレンジと思って丸ノ内店を出して、今はそちらも上手くいってます」

料理はやはり、見た目の大胆さとは裏腹の繊細さ、例えばインド料理ほどスパイスを効かせないという意味で特徴のない、馴染み易い味、意外なほど大量に使うヨーグルトあたりが、女性陣に人気の要因だろうか。オープン当初は店の真ん中に大きな四角いテーブルがあるだけで、お客さんにはみんな相席してもらっていたというトプカプ。地中海を覆い尽くしたオスマン帝国よろしく、世界三大料理に数えられるトルコ料理で、胃袋を征服されに行こう。

青山 メイハネ・トプカプ
住所:東京都港区北青山3-6-26 SIビル B1F
TEL:03-3498-3510
営業時間:17:00〜22:00
定休日:日曜日・第2月曜日




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本日のオススメは、カウンターの上に架けられた黒板で確認。
隠れ家的で、落ち着く店内。
「メゼ」こと8種類のオードブルはなすとピーマン、野菜とくるみ、さやいんげん、にんじんとアボガド等々、野菜たくさんで、「エキメキ」ことパンも自家製。
食後の紅茶はトルコの2段ポットで。上に入った濃い紅茶を、下に入ったお湯で割る感じで飲む。
牛ひき肉、鳥、子羊のケバブ盛り合わせ。
雑誌、広告、CDジャケット、ドキュメンタリーなどで世界各地のディープな場所やモノ、人を中心に紹介することで有名な写真家。ダライラマ14世を写真に収めたことでも知られる。
惜しまれ休刊したSTUDIO VOICE誌で、約4年間、計44回続いた秘境を巡る連載「SACRED PLACES」が、青幻舎より遂に、1月中旬の刊行。その他、この連載「白眉の食事」等、諸々書籍化を控え、基本家に籠る日々。