俳優 西島秀俊 week3

WEEK_3 ABOUT_MOVIE 映画『サヨナライツカ』について 
新春映画の中でも話題性抜群の 「サヨナライツカ」に出演している 俳優西島秀俊。独特の存在感は 今作品でも健在。自身の新境地を開拓した という本作品の魅力に迫った。

劇中で沓子か光子かという岐路に立ったときは、どのような気持ちで演じられたましたか? 

西島:うーん、難しいですねぇ。これはもちろん二人の間で揺れ動くラブストーリーではあるんですが、と同時に人生の選択の映画でもあって。自分の夢などを全て捨てて一人の女性のところにいくか、それとも自分のやりたい仕事に向かっていくかという、そういう選択でもあるわけなんですよね。

で、結局は光子を選ぶわけなんですが、それはどのような思いだったのでしょうか?

西島:沓子との最初の出会いというのは非常に本能的なもので、そこから結ばれました。それで次第に精神的な関係となっていって、お互いに何かときつくなってきたんでしょうね。でも思うんですが、男の人の方が雑念というか、何か色んなことを考えるんでしょうね。というのも、どちらの女性も最終的には相手のことをも考えて行動しますけど、それに比べると豊というか男は、仕事のことで悩んで、女性の方でも迷って、結局ぎりぎりまで選べずに...、という身勝手な部分があるので。女性ってどこかそういう思いやりみたいなところがあるんじゃないかなと思いますね。まぁホントは違うのかもしれないですけど(笑)。

25年後に初めて豊が本当の愛に気づくという幕引きは、ある意味ハッピーエンドなんでしょうか?

西島:そうですね。そうとることもできると思います。ラストあたりの60歳前後という年齢は当然経験したことのない時代ですし、監督とも、どういう気持ちなんだろうねと相談しながらやってました。頑張って夢をかなえたけど、それは思い描いていた物とは全然違った、みたいなことってきっとあると思うんですよね。なので、やっぱりこの作品は単純なラブストーリーではなく、もっと深い人生の映画なんだと思います。

次週も引き続き映画のお話です。

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映画<br />サヨナライツカ

映画
サヨナライツカ
12年ぶりの主演を果たした中山美穂と「私の頭の中の消しゴム」のイ・ジェハン監督による2010年最初の涙、最高にせつないラブストーリー。2010年1月23日(土)新宿バルト9、丸の内TOEI②ほか全国ロードショー。配給:アスミック・エース(c)2009 CJ Entertainment Inc. All Rights Reserved.